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四国ツーリング #004 大歩危・祖谷・事故

5/5(火)四万十 – 大歩危・祖谷 – 高松 [Map]

朝起きて、再び落胆。雨である。しかもしっかり降っている。また雨か・・・。気が滅入る。それでも身支度を整え、少し早めに6時過ぎにホテルを出発。降りしきる雨の中走りだす。あっという間に靴はぐちょぐちょ、グローブもびしょびしょ。昨日のように上がってくれさえすれば、走っているうちに乾くんだけどな・・・。

雨はとにかくスリップが怖い。普段雨が降っているとバイクには乗らないので、雨には慣れていないこともあり怖い。スピードは抑え、後続車に道を譲りながら、R56 を高知に向かって走る。2年前に行った高知は残念ながら今回完全スルー。ちょいと行きたいところがあったので、時間短縮のため須崎東ICから高知自動車道にのる。高速はきついコーナーがないので走りやすい。でも怖いのでスピードは抑え目で。南国SAに寄り、おにぎりをひとつほおばる。雨は弱まってくれた。よかった。

R00308991時間もしないで大豊ICに到着。ここからは再び一般道。R32 で大歩危、県道に入って祖谷へ。かずら橋へ行ってみる。奥深い渓谷に原始的な吊り橋が架かる。すごい。雨の中を人がたくさん渡っている。みんな吊り橋にしがみつくようにして歩いている。雨がまだ降っているため、GR だけでさっと撮った。渡ってみたいけど、あんだけ人がいるとちょっとな・・・というかんじで、遠くから眺めておしまい。それでも雨の中狭い道をがんばって走る価値のある風景だった。

R0030908かずら橋を後にし、そのまま県道32 を走る。昨日の R439 ばりの狭路だ。ううう、またこんな道を通るはめになるとは・・・。それでも昨日に比べれば舗装がちゃんとしているぶんいくぶん走りやすい。途中、祖谷のシンボル絶壁に立つ小便小僧を発見。雨に濡れて、さながら谷底に向かって放尿しているかのようだった。霧も出ていて何やら幻想的な雰囲気すら漂う。小便小僧なのに(笑)。

県道を抜け、ようやく国道に出た。ああ、中央線の喜び!(再)。また命拾いしたぜ・・・。四国、恐るべし。

そしてふたたび R32 を高松に向かって走る。かっこいい池田大橋を渡り、池田の市街地。交通量もすこし増え、50km/h くらいで流れている。もちろんわたしもその流れにのり、むやみにすり抜けたり飛ばしたりはしない。

普通に走っていると、左側にレストラン、そして駐車場から軽自動車が右折で出てこようとしている。わたしはその車をみとめるも、むこうもこちらの存在は認識し、停止して待っているのでそのまま直進する。

と、その瞬間、その車が出てきてしまった。急ブレーキはいけないとわかっていても、やはり咄嗟にガッと前後輪ブレーキをかけてしまう。当然、後輪はロックし、雨で路面が濡れていたことも手伝ってスリップ、そして左側に転倒しながら軽自動車の右側面に突っ込んでいった。わたしは道路に投げ出される。その一瞬の記憶はない。

R0030924次の瞬間、バイクが割れたフロント部分の破片とともに道路に横たわるのが目に飛び込んでくる。身体は動くものの、旅先で事故したというショックでその場に突っ伏してしまった。なんで事故するんだよ・・・どうやって帰るんだよ・・・そればかり考えていた。

あっという間に人がやってきて、大丈夫か大丈夫かとわたしに問いかける。わたしは歩いてバイクから離れ、駐車場の中に移動する。半ば放心状態の中、周りの人が「とりあえずヘルメットを取れ」「上着を脱げ」「痛いところはないか」「吐き気はないか」「いま救急車呼んだから」「いっぱい着てるねえ、だから怪我が少なかったんだねえ」いろいろ言っているのが聞こえる。すぐに救急車と警察がやってくる。名前や生年月日、住所などを言う。警察の人は「相手はおるんか? おるんか? あとで病院いくから!」とか言っている。そのまま担架にのせられ、病院へ搬送される。場所が警察署のすぐ近く、病院もすぐ近く、ということで何もかもがあっという間だった。その間「あのバイクどうなるんだ・・・」と、その心配ばかりしていた。

R0030923病院に運び込まれると、レントゲンをとったりする。病院ではなぜか妙に落ち着いていて、当たり前だけどお医者さんやら看護士さんが徳島弁なのかなんなのか、とにかくそんな方言をしゃべっているのでなんかかわいいなあ、とか、「だいじょうぶか?」ってのを「いけるか?」って言うんだなあとか、なんでオートバイのこと「単車」っていうんだろ。「単車」っていうとなんか暴走族思い浮かんでやなんだけどw とか、天井を見上げながらどうでもいいことを考えていた。

診察を終えると今度は警察の人が調書をとりにくる。警察屋のおにーちゃんはいい人だった。事故相手のおばちゃんもちゃんとした人で、わたしが保険会社に連絡してレッカーの手配をお願いするんだけど、連休や近くで事故があったりでレッカー業者の手配がつかなくなってしまったらしく困っていたら、その相手の人の旦那さんと息子さんとで軽トラに載せて、とりあえず相手の人のお宅に置かせてもらえることになった。いい人でよかった・・・。お腹空いたでしょ、と言ってうどんをごちそうしてくれて、最寄りの駅まで送ってもらい、ヘルメットとかいらない荷物はあとで送るから、とこちらも預かってくれた。事故処理をほとんど相手の人に任せてしまうかんじになってしまったけれど、すべて対応してくれたので本当に助かった。ありがたや。この日は高松に宿をとっていたのでとりあえず高松に向かうことにした。電車は余裕である時間ではあったが、そのまま東京に帰るという選択肢はなかった。

DSC_0879阿波池田駅。バイクでツーリングしていたはずなのに、なぜ電車の駅にいるのだろう。雨、やんだのに。見知らぬ土地のちいさな駅で、ひとり呆然とする。高松への電車までまだ時間があったため、写真を撮って遊んだり、フェリーの予約のキャンセルをしたりした。電車に乗ると、疲れがでたのかすぐに眠りこけてしまった。丸亀で乗り換えなきゃいけないんだけど、あやうく乗り過ごすところだった。事故したのはたしか 10:45 だった。高松に着く頃にはもう 16:30 をまわっていた。

高松駅はきれいな駅だった。なんとなく金沢に規模が似ているなあとおもった。ホテルまでは 2km とかそんなもんなので歩いて向かうことにする。

DSC_0909歩いていると、高松城跡玉藻公園が目に入る。見ると無料開放しているではないか。憔悴しきっているとはいえ、タダと聞いてだまってはおれんのでフラフラと園内に入る。天守を復元しようとしているのか、なんかその基礎らしきものがあった。ちがうかな。じきに雨が降ってきてしまい、傘もないので早々に撤収。ホテルに向かうことにした。

チェックイン時、「バイクですよね?」と聞かれる。「ああ、バイクじゃなくなったので・・・」とこたえるつらさといったら。部屋に入り、ベッドに倒れ込む。せっかくの高松だというのに讃岐うどんを食べに出かける気力もなく、シャワーを浴びてブログを書いてふて寝する。じきに電話が鳴りだす。友達から電話やメールがくる。聞き慣れた仲間の声を聞くとほっとして、なんだか泣けてきた。ひとりで心細かったんだなぁと思う。電話をしたり、メールを返したりしているうちに、いつのまにか寝てしまった。

四国ツーリング #001 尾道
四国ツーリング #002 松山・四国カルスト・宇和島
四国ツーリング #003 足摺岬・四万十川
四国ツーリング #005 高松・帰京
続編・四国ホネたんお迎えツーリング

四国ツーリング #003 足摺岬・四万十川

5/4(月)宇和島 – 足摺岬 – 四万十川 297.8km [Map]

6時過ぎに起きる。祈るように窓のカーテンを開ける。落胆。外は雨が降っていた。ホテルをチェックアウトしてカッパを着込み、荷物をビニールで防水して積む。

R0030803気が重いながらも7時には出発。R56 をひた走り、目指すは四国最南端・足摺岬。途中宿毛の道の駅で朝ごはんを、と思っていたのだが、まだお店らしきものが開いていないようだったのであきらめてすぐに再び走る。だんだん雨も弱まってきたので、途中ところどころバイクを停めては GR でぱちぱちっと撮ってみたりする。

DSC_0655土佐清水で県道348 に入り、足摺スカイラインで足摺岬に向かう。車はちょこちょこいるけど、走りやすい楽しいワインディング。この頃には雨もあがってくれたので一安心。足摺岬周辺は交通規制をしていたのだが、「バイクは通れますのでー」と、通される。気分いい(笑)。10時前に足摺岬到着。展望台の前あたりの駐車スペースにはバイクが何台も停まっていた。全国から集まっているライダーと挨拶を交わす。たのしい。足摺岬の周辺の遊歩道は木のトンネルみたいになっていて、トトロでも出てくるんじゃないかっていう雰囲気だった。

足摺岬を後にし、四万十へ。中村に宿をとっているので、当初ホテルにチェックインして荷物を置いてから出かけるつもりだったのだが、なんか面倒なのでそのまま走り続ける。荷物ったって、リュックいっこだし、濡れたカッパやら靴やらを乾かしてからのほうがいい気がしたので。

DSC_0765R441 は四万十川沿いを走る道。ちょくちょくある沈下橋など見つつ走る。カヌーとかやっている人もたくさんいる。清流のイメージが強いけど、ものすごいきれいというわけではなかった・・・(笑)。もっと山奥の方とかだときれいなのかな。ところどころある民家がすごくいい雰囲気で、ついついバイクを停めて撮る。道幅は狭くなり、四輪同士のすれ違いが困難で、連休ということで車が多くなっているためところどころすれ違えない車がつっかえていたりする。とにかく四国の道は狭い。譲り合いの精神が徹底的に磨かれる。道を譲らなければ、それは死を意味する。道は譲ってナンボ。それが生きる術なのだ。思いのほか時間がかかってしまうなーと思いながら、お腹もすいたのでごはんを食べられるところを探す。

R0030853ちょっとひらけたところに食堂を発見したので迷わず入る。四万十川といえば川えび! 川えび定食というのがあったのでそれをいただく。おおおう、おいしい・・・! こりゃ夜も川えび食べたいぞ。と心に決める。ごはんを食べ終える頃にはもう15時近くなっていた。

江川崎で R381 へ、この道はかなり走りやすい。しばらく走って、ついに「与作」こと R439 に至る。

R0030862この国道、ツーリングマップルにも「全線にわたり狭路多く気合いが必要」とある。その入口からして R381 とは雰囲気がガラリと変わる。気合いを入れて、その道に入って行く。しばらく走って、おいおいおいおい、これ国道か? 昼間だというのに薄暗い、車なんて1台通るのがやっと。舗装はグダグダで、場所によっては苔が生えている。恐ろしすぎる・・・。脱輪でもしようものなら谷底に真っ逆さま。命の危険を感じた。しかしもう引き返すことはできない。前に進むしかないのだ。四国の緑は神々しさすら感じるほどに美しいけれど、それがさらに恐怖感を煽る。時折対向車が突然現れる。警笛鳴らせの標識。あんなに故意に警笛鳴らしまくったのは初めてだ。二輪でもすれ違うのにヒヤヒヤするのに、四輪同士ですれ違えるのだろうか。待避所までバック、とかなったら恐ろしすぎる。わたしはこの道を車では絶対に通りたくない。長い長い 15km だった。本当に長かった。人生でいちばん長い 15km だったと言って間違いない。広い道に出たとき、心から安堵した。ああ、命拾いした。中央線のある喜び。

DSC_0865水車などあったので撮ってみつつ、中村のホテルへ。チェックインして、歩いて中村の市街地を撮りに出かける。昨日の宇和島といい、田舎町の寂れたかんじは本当に写欲を刺激する。夢中でパチパチやっていると、地元のオジサンに「いいカメラもってるねー!」とか言われる。うひひ。

ひとしきり田舎撮りを堪能すると、もう日が沈む時間になっていた。はやめにごはんを食べるところを探さないと、去年の能登の二の舞になりかねない雰囲気をこの町は醸し出している。駅の方へ行けば何かあるかも、と歩いて行くも、どうもちょうどいいごはん処が見つからない。やばい・・・。来る途中にあったお店どこかに入るしかないかなあとホテルへ向かってもときた道を戻る。すこし路地を入ったところに「四万十郷土料理」の文字を発見、ここならよさそうだ、ということで入る。

R0030880高知と言えば、2年前に来た時にかつおのたたきに感動したものだ。あれも食べたい。川えびも食べたい。むむう。ということで、かつおのたたき定食と、川えびの唐揚げを単品で頼んだ。欲張りである(笑)。しかしこれはかなり正解だったとみえる。たたきは塩たたきじゃなかったのがちょっとしょぼんだったけどすごくおいしかったし、そして川えびの唐揚げのんもうおいしいことおいしいこと。手から頭からまるごと食べられちゃうんだけどもうほんとにおいしい。わたしゃこれのためにまた四万十に来るぞ! と誓った。えびちゃん最高。

そしてホテルに戻る。地図で明日のルートの確認などをし、雨よふらないでおくれと祈りつつ、眠りに落ちた。

四国ツーリング #001 尾道
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土佐日記(五)

DSC_3600.JPGさて桂浜を後にし、再び高知市街へ。またまたお昼をひろめ市場でたらふく食べ、高知城の前の通りに日曜市が出てるよと例のオジサンが言っていたので、ぶらぶらみて歩く。このへんには金物屋というか、刃物屋というか、とにかく包丁とか鋏とか鎌とか鉈とか売ってるお店が何件も並んでるんだけど高知の名産品なんでしょうかなんなんでしょうか。

DSC_3566.JPG主に野菜とか果物が多く出ていて、安いのだ。ここで自分のお土産に桃とぶどうを買った。なにも高知で買わなくてもってかんじだけど、買った。文旦が出てなかったのが残念きわまりない。時季じゃないからしょうがないけど。茄子とかごぼうとかも買いたかったけどさすがに思いとどまった。他にも盆栽とかアイスクリンとかブリキとかヤドカリとかいろいろ出てた。

そんなんでぶらぶらしたり撮ったりお茶したりまたぶらぶらしたりしてると時間はどんどん過ぎ、空港に行かねばならない時間になってくる。うーむ、早いなぁ。。。

DSC_3623.JPG高知駅までてくてく歩く。高知はとにかくはりまや橋なもので、高知駅にははじめて来た(笑)。路面電車は東京にも走ってるけど、なんだかレトロでかわいい。

んで、バスで空港へ。空港でお土産を物色し、17時の飛行機で羽田へ。ああ、明日からまた現実だ・・・。

R0016131.JPG帰りは定刻より15分ほど送れて羽田に到着。「お急ぎのところ遅れて申し訳ありません」とかアナウンスはいってるけど、3時間以上も遅れた後ですから15分なんて遅れのうちに入んないわいといったかんじです。まあそれはいいんだけど、到着ロビーがすんごい遠くて、そこにたどり着くまでにヘロヘロになった。

でも、その、呼んでるんですよね。ヒコーキが。デッキで。

DSC_3658.JPGてことで、ヒコーキ撮っておりました。いやー、空港ってわたしにとっては非日常な空間でありましてね、あの空気は実にいい。そしてヒコーキ。子供みたいにハシャいでおりましたとも。ひとりでw なんかさ、意外とカッポーが多いのね。日が落ちてくるとますますカッポーだらけ。その中でひとりふたり、三脚立ててヒコーキ撮ってる男子もおりました。わたしは完全にその仲間になっておりました。三脚はたててないけどね。夜の空港は実に美しい。なんかわたしは光ってるものを見ると撮りたがるんですけどなんなんですかね、走光性っていうか撮光性?まあいいや、とにかくヒコーキでこの旅を締めくくりました。


まーそんなかんじで、念願の四国上陸を果たしたわけです。今度は讃岐うどん食べたいねえ。あとは、北陸方面が弱いので行ってみたいな。金沢とかイイ所だよっていろんな人が言うんだよねー。まー行きたいところはいろいろあるんだけどね、四万十川とか、屋久島とか、角島とか、宗谷岬とか、秋芳洞とか、三仏寺投入堂とか、足尾銅山とか、京浜工業地帯とか、いろいろ。海外もいきたいけど。ま、また突然フラっと放浪することでしょう。いや、知らんけど。

土佐日記(一)
土佐日記(二)
土佐日記(三)
土佐日記(四)

土佐日記(四)

7月8日(日)

DSC_3518.JPG天気は曇り。晴れてないのは残念だけど、雨が降らないだけありがたい。朝起きて、さっそく桂浜へ。宿から歩いていくと、まず坂本龍馬の銅像に行き当たる。この銅像は坂本龍馬のあの写真をモデルにしてるんだけど、写真では足をクロスさせてるけど銅像だと安定が悪いからまっすぐにしてるらしい。んで、その目線の先には中岡慎太郎の像があるらしい。んで、その坂本龍馬越しに美しい桂浜が見える。と、そこで若い男二人組みに羽交い絞めにされたんじゃなくて写真を頼まれたので快く引き受ける。妙に感謝される。

DSC_3524.JPGそしてさっそく浜へ降りていく。土佐湾は荒々しい。波の音がごおおおっていってる。しかし海を見るとそっちに引き寄せられていくのが人間ってもんですよねそうですよね。ええ、ご多分に漏れず波打ち際で夢中で写真撮ってましたとも。んでビッグウェーブキター。はい、びしょぬれ。もちろんカメラは守りますが。膝下までどっぷりつかりました。でもまあほっときゃそのうち乾くからいいんです。気にせず浜をウロウロ。桂浜、とてもきれいなところです。ここで月が見えたらそら最高だわ・・・。んでお酒飲んだら極楽だわ・・・。

DSC_3507.JPG小さな神社があるので岩にのぼる。おみくじを引いたら末吉。待ち人は来ないそうです。商売は下るそうです。残念でした。

しょんぼりしつつ、さらに上にのぼってく。またここでしばし、というかかなりの時間ぼんやりしておりました。とてもきもちのいい場所。

R0016121.JPGまた長いことぼんやりしていたので、そろそろ移動。坂本龍馬記念館へ。高知行くならってことで読んでおきましたとも、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」。この坂本龍馬記念館では龍馬の手紙とかすんごいたくさん展示してある。暗殺された時に返り血を浴びた屏風とかスゴすぎる・・・。本も読んだばっかだったから、いろんなことがシンクロしてすごい楽しめた。それにしてもほんとに龍馬とお姉ちゃんは仲良しだねえ。なんだか楽しげで、龍馬の人柄が伝わってくるようでもありました。ここは屋上に上がれるようなので、屋上に上がってまた海を眺めつつぼんやり。わたしはぼんやりするために旅をしてるのです。そうなのです。


土佐日記(一)
土佐日記(二)
土佐日記(三)
土佐日記(五)

土佐日記(三)

高知県立美術館のつづきから。

いったん閉館で外に追い出され、再び開場。芝居をみる。チェルフィッチュ「三月の5日間」。これ、最初どーゆうことかよくわかんなかった。だって観客に話しかけてるんだもん。時系列もバラバラ、演じる役もバラバラ、みたいな。でも、みてるうちにわかってきた。なんつーか、微妙なズレと、リフレインと、変な動き。それらで不思議なリアリティがつくられてるというか・・・。日常のほんとに何気ない動作とか会話なんだよね。それを舞台上でやってる。すごく不思議なような、でも妙にリアルな感覚だった。

The Museum of Art, Kochiで、公演後に演出の岡田さんのアフタートークがあった。観客からの質問みたいなのもあって、そのときに「東京弁の違和感」みたいな話があった。この芝居の中に、渋谷とか六本木とか麻布とか、東京のすごく具体的な地理の描写が出てくる。わたしも観てるときに、自分は東京の人だから宮益坂のほうがどうとか、六本木の交差点がどうとかってのはリアルにわかるんだけど、高知の人ってそれわかんないよな、とおもった。でもそーゆうのって知らなくても自分の中のイメージで広げられるから、それもおもしろいんだろうね。んで、標準語ではあるけど、いわゆる若者言葉みたいな喋りで、キャラによって口癖があったりしてそーゆうのが気に留まったんだけど、高知の人からすればその標準語そのものが違和感なんだよね。それも狙ってる、みたいなことを言ってて、なるほどー、とおもい、東京人のわたしが高知でこの公演を観て他の人の感じるところも聞けたのはなかなかできない経験だったのかも、とおもった。

R0016112.JPGで、宿にむかう。宿は桂浜にとった。月の名所らしいし、朝散歩したいなとおもって。まあ、天気悪かったからなにもみえなかったんだけど。すこし離れているけどこの時間はもうバスはとっくにないので、タクシーで移動。が、つかまらない。とにかくタクシーがつかまらない。もう歩いていこうかとおもうくらいつかまらない。あまりのつかまらなさに泣いた。マジ泣きした。高知なんかキライだと。わたしどんだけ泣き虫なんだと。40分くらい、大きい交差点の脇で手を振ったりぴょんぴょん飛び跳ねたりウロウロしたりしてた。そんでやっとこさつかまり安堵。はあ。そしたらこのタクシーのオジサンがめちゃめちゃイイ人。宿がちょっとわかりにくいところにあったようで、地図を渡したんだけどよくわからない。んで、もうあとはすぐ近くなはずだからテキトーに探します、って言ったけど、「いや、必ず送り届けるから」と言ってメーター切って一緒に探してくれたのでした。ううう。オジサンやさしーよオジサン。

そんなワケでなんとか宿に到着。やんでいた雨がまた降り出し、その音を聞きつつ軽く飲む。月も天の川もみえないけど、静かないい夜だった。宿の人もとってもいい人で(東京からひとりでやってくる私を怪しんでいたようだけどw)、高知なんか嫌いだと言って泣いたこともすっかり忘れ、高知大好きだーとかおもいながら、眠りにおちた。

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土佐日記(二)

R0016067.JPGさて腹ごしらえも済んだところで、ひろめ市場の目の前に位置する高知城に向かう。高知城がですね、かなりイイ。とりあえず追手門の姿に「ふおおおおお」と圧倒される。入ってくと、板垣退助とか山内一豊の銅像もある。野面積みの石垣は荒々しくも美しい。どこ歩いててもだいたい天守がみえるんだけど、なんかそれぞれ印象が違うんだよね。

R0016077.JPGんで、くつを脱いで中に。この日は人が少なくて、いつもこんなもんなのかな、とにかくかなりゆっくりまったり見られた。というか、人いないから、縁側に座り込んでかなりの時間ぼんやりしてた。すんごい居心地いいんだもん。もうちょっとしたらゴロゴロしだしてたな。けっこう中は質素な造りで、飾りとかゴテゴテしてなくてなんか地味でイイ。欄間の展示もされていました。

R0016090.JPGあまりにもぼんやりしすぎていたけど、ああ、上上、上いかなきゃ、てことで天守閣内部をながめつつ急な階段をのぼっていく。最上階から高知市内を一望。かなりきもちい。地元の小学生らしい子供たちの土佐弁にニヤリとしつつ、しばし、っていうかこれまたかなりの時間上でぼーっとしておりました。景色もきれいだけども、上から見ると要塞としての高知城の造りがよくわかるんですね。すごくきれいだし、いざ戦うときのことがおもいうかべられたりします。そんなかんじで、かなり楽しい場所でありました。

DSC_3415.JPG高知城から去るとき、例の隣の席のオジサンに再会。この人が30過ぎくらいのかっこよくてお金持ちで結婚してなくて彼女いなくてわたしの嗜好を理解しつつ知的好奇心を刺激してくれるような男だったらああこれはもしかして運命かしらなんておもったことでしょう。しかし特にそういったことはなく、近くにいた三人組に写真を頼まれ、快くシャッターを切るワタクシでありました。

The Museum of Art, Kochi高知城でかなり時間を過ごしたので時間がなくなってきた。いそがねば、てことで路面電車に乗り込み、高知県立美術館へ。ちょっと辺鄙なところにあるのです。たてものがなかなかステキ。この美術館はシャガールをメイン・コレクションとしてて、常にいろんなテーマで展示しているそうです。今回は「生誕120年記念 マルク・シャガール―愛の世界」てことで、「死せる魂」や「ダフニスとクロエ」などの版画集やリトグラフをメインに展示されていました。シャガールってーと例のヘンな動物や人間がひっくり返って空飛んでる、みたいなイメージだけど、まあそうなんだけど、版画がけっこうかわいくて、あ、これポストカードにしてほしい、みたいなのいくつかあった。なかなか楽しかった。とにかく人が少ないのがいい(笑)。自分のペースでゆったり観られるのはシアワセです。

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土佐日記(一)

どうも、紀貫之です。とっても安直なかんじのタイトルで攻めてみました。

今回、たった1泊なのでかなりピンポイントですが、念願の四国初上陸となったわけです。ごく短い日程でしたが、なかなか涙あり笑いありの旅でしたので、ほんとかよ、記録を書いておこうとポチポチ書きはじめたらべらぼうに長くなりました。よって数回にわたって連載することにいたします。flcik には次回予告が大量うp済みです。城とか好きな方、どうぞ。

7月7日(土)

DSC_3355.JPG朝、8:35 羽田発のヒコーキでサクっと飛ぶ・・・はずだったんだけど、なかなか離陸しない。まー飛行機は遅れるからねえなんておもいつつ寝てたんだけど、ふと時間をみるともう40分くらいたってる。そして滑走路からターミナルのほうへ戻ってしまった。んん??? 機体トラブルで離陸できず。調査するからしばし待たれよ、とのアナウンス。まじかい。さらに飛行機を下ろされ、そこで再び待機、やっぱすぐにはわからんので他の飛行機に乗ってもらうのでいったんターミナルの中に戻ってくれ、と。で、結局3時間以上遅れての出発となったのでした。予定は狂っちゃったけど、非日常なかんじがけっこう楽しかったりして。んで隣に座ってたオジサンと仲良くなったw あいかわらずオジサンにはモテるぜ、わたし。この人が30過ぎくらいのかっこよくてお金持ちで結婚してなくて彼女いなくてわたしの嗜好を理解しつつ知的好奇心を刺激してくれるような男だったらよかったのにとかおもったのはまあ事実です、ハイ。

R0016062.JPGさて定刻より遅れること3時間ちょい、なんとか高知空港到着。朝は降っていたらしい雨は既にやんでいる。バスで高知市内へ。はりまや橋で隣のオジサン(全国の空港制覇済みらしい)と別れる。高知はとにかくはりまや橋を基点とするみたい。はりまや橋。高知の何を知らねども、はりまや橋。札幌の時計台などと並んで日本の三大がっかり名所とかいわれる、はりまや橋。とくに期待を抱いていたわけでもないのでがっかりはしないけど、大通りの交差点の脇にひっそりと架かっている朱い橋はなかなかかわいかったよ。

DSC_3374.JPGで、とにかくおなかすいたのでひろめ市場へいくことに。ここは事前に某あにきが教えてくれたんだけども、さきほどのオジサンもここがイイよって言ってた。フードコートの形態でいろんなのが食べられるんだけど、土曜だし、ちょうどお昼だし、地元の人でかなりの賑わいだった。安いしおいしいし、もう高知での食はほとんどここだったw 何度も行ったw 藁で焼くというカツオの塩タタキはかなりおいしい。ずるい。高知ずるい。ウマすぎる。塩すらウマい。そんなわけでカツオすんごい食べた。半年分くらいのカツオを食べたきがする。鰹節もウマい。


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高知いってきた

17時高知空港発のヒコーキにのって、18:30には羽田に着いて、まあ20時前にはおうち帰れるからブログ書けるな、とおもってたんだけども、羽田でヒコーキ!ヒコーキ!ヒコーキまじアツい! GRD 心の友よ!D80 心からラヴ!とかやってたらとても時間がたってしまい、帰宅してとりあえずごはん、とりえずシャワー、とりあえずピアノ、とかやってたらもう写真整理する時間も文章書く気力もなくなった。

高知はとても楽しくてとてもおいしかった。次はきっとバイクで。四万十川に。

Kochi Trip 2007 – a photoset on Flickr