四国ツーリング #004 大歩危・祖谷・事故

5/5(火)四万十 – 大歩危・祖谷 – 高松 [Map]

朝起きて、再び落胆。雨である。しかもしっかり降っている。また雨か・・・。気が滅入る。それでも身支度を整え、少し早めに6時過ぎにホテルを出発。降りしきる雨の中走りだす。あっという間に靴はぐちょぐちょ、グローブもびしょびしょ。昨日のように上がってくれさえすれば、走っているうちに乾くんだけどな・・・。

雨はとにかくスリップが怖い。普段雨が降っているとバイクには乗らないので、雨には慣れていないこともあり怖い。スピードは抑え、後続車に道を譲りながら、R56 を高知に向かって走る。2年前に行った高知は残念ながら今回完全スルー。ちょいと行きたいところがあったので、時間短縮のため須崎東ICから高知自動車道にのる。高速はきついコーナーがないので走りやすい。でも怖いのでスピードは抑え目で。南国SAに寄り、おにぎりをひとつほおばる。雨は弱まってくれた。よかった。

R00308991時間もしないで大豊ICに到着。ここからは再び一般道。R32 で大歩危、県道に入って祖谷へ。かずら橋へ行ってみる。奥深い渓谷に原始的な吊り橋が架かる。すごい。雨の中を人がたくさん渡っている。みんな吊り橋にしがみつくようにして歩いている。雨がまだ降っているため、GR だけでさっと撮った。渡ってみたいけど、あんだけ人がいるとちょっとな・・・というかんじで、遠くから眺めておしまい。それでも雨の中狭い道をがんばって走る価値のある風景だった。

R0030908かずら橋を後にし、そのまま県道32 を走る。昨日の R439 ばりの狭路だ。ううう、またこんな道を通るはめになるとは・・・。それでも昨日に比べれば舗装がちゃんとしているぶんいくぶん走りやすい。途中、祖谷のシンボル絶壁に立つ小便小僧を発見。雨に濡れて、さながら谷底に向かって放尿しているかのようだった。霧も出ていて何やら幻想的な雰囲気すら漂う。小便小僧なのに(笑)。

県道を抜け、ようやく国道に出た。ああ、中央線の喜び!(再)。また命拾いしたぜ・・・。四国、恐るべし。

そしてふたたび R32 を高松に向かって走る。かっこいい池田大橋を渡り、池田の市街地。交通量もすこし増え、50km/h くらいで流れている。もちろんわたしもその流れにのり、むやみにすり抜けたり飛ばしたりはしない。

普通に走っていると、左側にレストラン、そして駐車場から軽自動車が右折で出てこようとしている。わたしはその車をみとめるも、むこうもこちらの存在は認識し、停止して待っているのでそのまま直進する。

と、その瞬間、その車が出てきてしまった。急ブレーキはいけないとわかっていても、やはり咄嗟にガッと前後輪ブレーキをかけてしまう。当然、後輪はロックし、雨で路面が濡れていたことも手伝ってスリップ、そして左側に転倒しながら軽自動車の右側面に突っ込んでいった。わたしは道路に投げ出される。その一瞬の記憶はない。

R0030924次の瞬間、バイクが割れたフロント部分の破片とともに道路に横たわるのが目に飛び込んでくる。身体は動くものの、旅先で事故したというショックでその場に突っ伏してしまった。なんで事故するんだよ・・・どうやって帰るんだよ・・・そればかり考えていた。

あっという間に人がやってきて、大丈夫か大丈夫かとわたしに問いかける。わたしは歩いてバイクから離れ、駐車場の中に移動する。半ば放心状態の中、周りの人が「とりあえずヘルメットを取れ」「上着を脱げ」「痛いところはないか」「吐き気はないか」「いま救急車呼んだから」「いっぱい着てるねえ、だから怪我が少なかったんだねえ」いろいろ言っているのが聞こえる。すぐに救急車と警察がやってくる。名前や生年月日、住所などを言う。警察の人は「相手はおるんか? おるんか? あとで病院いくから!」とか言っている。そのまま担架にのせられ、病院へ搬送される。場所が警察署のすぐ近く、病院もすぐ近く、ということで何もかもがあっという間だった。その間「あのバイクどうなるんだ・・・」と、その心配ばかりしていた。

R0030923病院に運び込まれると、レントゲンをとったりする。病院ではなぜか妙に落ち着いていて、当たり前だけどお医者さんやら看護士さんが徳島弁なのかなんなのか、とにかくそんな方言をしゃべっているのでなんかかわいいなあ、とか、「だいじょうぶか?」ってのを「いけるか?」って言うんだなあとか、なんでオートバイのこと「単車」っていうんだろ。「単車」っていうとなんか暴走族思い浮かんでやなんだけどw とか、天井を見上げながらどうでもいいことを考えていた。

診察を終えると今度は警察の人が調書をとりにくる。警察屋のおにーちゃんはいい人だった。事故相手のおばちゃんもちゃんとした人で、わたしが保険会社に連絡してレッカーの手配をお願いするんだけど、連休や近くで事故があったりでレッカー業者の手配がつかなくなってしまったらしく困っていたら、その相手の人の旦那さんと息子さんとで軽トラに載せて、とりあえず相手の人のお宅に置かせてもらえることになった。いい人でよかった・・・。お腹空いたでしょ、と言ってうどんをごちそうしてくれて、最寄りの駅まで送ってもらい、ヘルメットとかいらない荷物はあとで送るから、とこちらも預かってくれた。事故処理をほとんど相手の人に任せてしまうかんじになってしまったけれど、すべて対応してくれたので本当に助かった。ありがたや。この日は高松に宿をとっていたのでとりあえず高松に向かうことにした。電車は余裕である時間ではあったが、そのまま東京に帰るという選択肢はなかった。

DSC_0879阿波池田駅。バイクでツーリングしていたはずなのに、なぜ電車の駅にいるのだろう。雨、やんだのに。見知らぬ土地のちいさな駅で、ひとり呆然とする。高松への電車までまだ時間があったため、写真を撮って遊んだり、フェリーの予約のキャンセルをしたりした。電車に乗ると、疲れがでたのかすぐに眠りこけてしまった。丸亀で乗り換えなきゃいけないんだけど、あやうく乗り過ごすところだった。事故したのはたしか 10:45 だった。高松に着く頃にはもう 16:30 をまわっていた。

高松駅はきれいな駅だった。なんとなく金沢に規模が似ているなあとおもった。ホテルまでは 2km とかそんなもんなので歩いて向かうことにする。

DSC_0909歩いていると、高松城跡玉藻公園が目に入る。見ると無料開放しているではないか。憔悴しきっているとはいえ、タダと聞いてだまってはおれんのでフラフラと園内に入る。天守を復元しようとしているのか、なんかその基礎らしきものがあった。ちがうかな。じきに雨が降ってきてしまい、傘もないので早々に撤収。ホテルに向かうことにした。

チェックイン時、「バイクですよね?」と聞かれる。「ああ、バイクじゃなくなったので・・・」とこたえるつらさといったら。部屋に入り、ベッドに倒れ込む。せっかくの高松だというのに讃岐うどんを食べに出かける気力もなく、シャワーを浴びてブログを書いてふて寝する。じきに電話が鳴りだす。友達から電話やメールがくる。聞き慣れた仲間の声を聞くとほっとして、なんだか泣けてきた。ひとりで心細かったんだなぁと思う。電話をしたり、メールを返したりしているうちに、いつのまにか寝てしまった。

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2 thoughts on “四国ツーリング #004 大歩危・祖谷・事故

  1. by ynizumi at

    予期せぬアクシデントでしたね・・・
    無事で何より。四国は時計回りで旅されると良いですよ。
    私は連休前に自転車を盗まれたので、手続き(新車を)待ち侘びてます。

    返信

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