月別アーカイブ: 2013年4月

太陽と毒ぐも

太陽と毒ぐもよそのブログ経由。角田光代「太陽と毒ぐも」。おかしな癖のあるパートナーとの生活を描いた短編集。風呂に入らない、物を買い漁る、万引き癖、記念日フェチ、迷信フェチ、などなど。夫婦よりも同棲中の恋人同士というのが多い。

ここまで極端ではないにしろ、一緒に暮らしてみてはじめて気づく似たようなことってけっこうある。わたしは何事もすごい大雑把っていうかまあ早い話がガサツで、ころすけはわりと細かい。このギャップ、ストレスになるかなーとおもったけど、意外とバランス取れてる。今のとこは。先日なんかは、食べるものに対する熱意の温度差(もちろん、わたしの方が食に対する執着心が圧倒的に強い)で、喧嘩というわけじゃないけどわたしがちょっと落ち込んだりしてた。まあそれについては話をして、お互い理解して納得したのでいいんだけど(最近ちゃんと気遣ってくれてるしね)、でもなんかそういうちょっとしたことの歪みが積み重なって、大きな溝になってしまう関係もあるんだろうなぁとおもうなどした。

そんなこともあって、なんか面白く読んだ。人と一緒に暮らすって、譲歩の賜物なんだよな。当たり前だけど、相手を思いやること、相手の立場に立って考えることを忘れないようにしたい。

牧野邦夫展

R0022930
練馬区立美術館で開催中の、牧野邦夫 ― 写実の精髄 展 に行ってきた。

牧野先生(と母上が呼ぶので牧野邦夫って呼び捨てにできない)は、昔画廊に勤めていたウチの母上と縁のある画家。先日この展覧会の開催を知り、おおこれは行かねばと母上に連絡を取ったら、内覧会に招待されていて既に行ってた。さすがである。で、昨日ギャラリートークがあるというので、宴の後にみんなで行ってきた。

レンブラント、ルーベンスなどの西洋古典画を下敷にその技量を磨き、独特の世界を作り上げる。緻密な写実表現でもって幻想と現実の間を行き来するような不思議な感覚。肌の質感とかほんとスゴい。まじまじと見入ってしまった。その作品の多くは人物画で、裸婦や自画像などの単体のものもあれば、群像のものもある。群像を描いているものの場合、日本画はあの雲で空間を作ったりできるけど洋画はそれがないから画面の構成大変、スゴい、みたいなことを言っていてなるほどーとおもった。たしかに。あと、手に対する執着というか、言われてみるとたしかに手をすごく意識しているかんじがする。ギャラリートークってはじめて参加したような気がするけど、人の話聞きながら観てると新たな発見があっておもしろいな。

実家にカタログがあって、昔からよく見ていた絵がたくさん。実は母上がちっこく登場してる作品もあったりする。実物見られて嬉しい。実家に牧野先生が描いた母上の肖像もあるんだけど、その描いてるときの先生からの視線がもの凄かった、と言っていた。個人所蔵の作品がほとんどで、普段美術館で目にする機会がないらしい。絵のひとつひとつが情報量多めだし、実に見応えのある回顧展であった。

牧野邦夫初体験だったという方のこの tweet が的確すぎてウケたw

練馬区立美術館 牧野邦夫展。自画像自画像幻想現実。自画像自画像裸婦裸婦自画像。幻想裸婦靴幻想。自画像邪保自画像写実自画像。裸婦幻覚裸婦。自画像牧野邦夫。Twitter / okanonaoko