母方の祖母が若い頃に鈴木鎮一の邸宅で奉公をしてたことがあるらしい。わたしはあまり聞いた覚えがないんだけど、兄がその話をたまに聞いたらしい。多くの世界的なヴァイオリニストを育てたスズキメソードの創始者であり教育論者ということで、どれひとつその著書でも読んでみようか。てなわけで鈴木鎮一「愛に生きる」。
「能力は生まれつきではなく、育てるもの」という教育論。正しく努力すれば、どの子もちゃんと能力は育つという。子供の教育のひとつのヒントになるかとおもって手に取ったけど、それはつまり親である自分がどう行動するかっていうこと。引き取った豊田耕児少年の好ましくない動作を改めさせるために、家の者がもっとよい行動、よい作法の生活をするようにしたという話。人を変えるには先ず自分が変わらなければならない、なんかどこかでも聞いたような話だけどそういうことなんだろう。
あと鈴木鎮一という人のことをよく知らなかったけど、アインシュタインと親交があったり(!)、なんかいろいろすぎょイ。そんな人の家で祖母が働いていたってのも半ば信じがたいけど、晩年認知症でわけわからんくなっててもピアノを弾いたり歌を歌ったりする祖母のあの音楽的な部分は、若い頃のこの家での経験も大きく影響しているのかもな、とおもったりした。
とりあえずここ最近は、毎日太郎にピアノ弾いて聞かせてる。わたしのヘタクソな演奏では正しい能力が育たない気もするけど、わたしが弾いてるのみて太郎が自発的にやりたいっておもってくれるようになればいいなと。きっとそれが才能の第一段階となるはず。