5/4(月)宇和島 – 足摺岬 – 四万十川 297.8km [Map]
6時過ぎに起きる。祈るように窓のカーテンを開ける。落胆。外は雨が降っていた。ホテルをチェックアウトしてカッパを着込み、荷物をビニールで防水して積む。
気が重いながらも7時には出発。R56 をひた走り、目指すは四国最南端・足摺岬。途中宿毛の道の駅で朝ごはんを、と思っていたのだが、まだお店らしきものが開いていないようだったのであきらめてすぐに再び走る。だんだん雨も弱まってきたので、途中ところどころバイクを停めては GR でぱちぱちっと撮ってみたりする。
土佐清水で県道348 に入り、足摺スカイラインで足摺岬に向かう。車はちょこちょこいるけど、走りやすい楽しいワインディング。この頃には雨もあがってくれたので一安心。足摺岬周辺は交通規制をしていたのだが、「バイクは通れますのでー」と、通される。気分いい(笑)。10時前に足摺岬到着。展望台の前あたりの駐車スペースにはバイクが何台も停まっていた。全国から集まっているライダーと挨拶を交わす。たのしい。足摺岬の周辺の遊歩道は木のトンネルみたいになっていて、トトロでも出てくるんじゃないかっていう雰囲気だった。
足摺岬を後にし、四万十へ。中村に宿をとっているので、当初ホテルにチェックインして荷物を置いてから出かけるつもりだったのだが、なんか面倒なのでそのまま走り続ける。荷物ったって、リュックいっこだし、濡れたカッパやら靴やらを乾かしてからのほうがいい気がしたので。
R441 は四万十川沿いを走る道。ちょくちょくある沈下橋など見つつ走る。カヌーとかやっている人もたくさんいる。清流のイメージが強いけど、ものすごいきれいというわけではなかった・・・(笑)。もっと山奥の方とかだときれいなのかな。ところどころある民家がすごくいい雰囲気で、ついついバイクを停めて撮る。道幅は狭くなり、四輪同士のすれ違いが困難で、連休ということで車が多くなっているためところどころすれ違えない車がつっかえていたりする。とにかく四国の道は狭い。譲り合いの精神が徹底的に磨かれる。道を譲らなければ、それは死を意味する。道は譲ってナンボ。それが生きる術なのだ。思いのほか時間がかかってしまうなーと思いながら、お腹もすいたのでごはんを食べられるところを探す。
ちょっとひらけたところに食堂を発見したので迷わず入る。四万十川といえば川えび! 川えび定食というのがあったのでそれをいただく。おおおう、おいしい・・・! こりゃ夜も川えび食べたいぞ。と心に決める。ごはんを食べ終える頃にはもう15時近くなっていた。
江川崎で R381 へ、この道はかなり走りやすい。しばらく走って、ついに「与作」こと R439 に至る。
この国道、ツーリングマップルにも「全線にわたり狭路多く気合いが必要」とある。その入口からして R381 とは雰囲気がガラリと変わる。気合いを入れて、その道に入って行く。しばらく走って、おいおいおいおい、これ国道か? 昼間だというのに薄暗い、車なんて1台通るのがやっと。舗装はグダグダで、場所によっては苔が生えている。恐ろしすぎる・・・。脱輪でもしようものなら谷底に真っ逆さま。命の危険を感じた。しかしもう引き返すことはできない。前に進むしかないのだ。四国の緑は神々しさすら感じるほどに美しいけれど、それがさらに恐怖感を煽る。時折対向車が突然現れる。警笛鳴らせの標識。あんなに故意に警笛鳴らしまくったのは初めてだ。二輪でもすれ違うのにヒヤヒヤするのに、四輪同士ですれ違えるのだろうか。待避所までバック、とかなったら恐ろしすぎる。わたしはこの道を車では絶対に通りたくない。長い長い 15km だった。本当に長かった。人生でいちばん長い 15km だったと言って間違いない。広い道に出たとき、心から安堵した。ああ、命拾いした。中央線のある喜び。
水車などあったので撮ってみつつ、中村のホテルへ。チェックインして、歩いて中村の市街地を撮りに出かける。昨日の宇和島といい、田舎町の寂れたかんじは本当に写欲を刺激する。夢中でパチパチやっていると、地元のオジサンに「いいカメラもってるねー!」とか言われる。うひひ。
ひとしきり田舎撮りを堪能すると、もう日が沈む時間になっていた。はやめにごはんを食べるところを探さないと、去年の能登の二の舞になりかねない雰囲気をこの町は醸し出している。駅の方へ行けば何かあるかも、と歩いて行くも、どうもちょうどいいごはん処が見つからない。やばい・・・。来る途中にあったお店どこかに入るしかないかなあとホテルへ向かってもときた道を戻る。すこし路地を入ったところに「四万十郷土料理」の文字を発見、ここならよさそうだ、ということで入る。
高知と言えば、2年前に来た時にかつおのたたきに感動したものだ。あれも食べたい。川えびも食べたい。むむう。ということで、かつおのたたき定食と、川えびの唐揚げを単品で頼んだ。欲張りである(笑)。しかしこれはかなり正解だったとみえる。たたきは塩たたきじゃなかったのがちょっとしょぼんだったけどすごくおいしかったし、そして川えびの唐揚げのんもうおいしいことおいしいこと。手から頭からまるごと食べられちゃうんだけどもうほんとにおいしい。わたしゃこれのためにまた四万十に来るぞ! と誓った。えびちゃん最高。
そしてホテルに戻る。地図で明日のルートの確認などをし、雨よふらないでおくれと祈りつつ、眠りに落ちた。
四国ツーリング #001 尾道
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続編・四国ホネたんお迎えツーリング
しかしまあ何と景色の美しいこと。
メシのうまそうなこと。
鳥肌たてて、涙流しながら食しそうな勢いです。
”日本て美しいな”とも。
そーか、バイクは天気気にせんと…ですね。
当たり前のことなのに新鮮。