中学の時、職員室の向かいに和室があった。それは4畳半ほどの小さな和室で、真ん中には小さなちゃぶ台が置かれ、壁には釣りが趣味の先生が釣った魚の魚拓が所狭しと飾られていた。その部屋は、「タバコ部屋」と呼ばれていた。喫煙室、と決まっていたわけではないとおもうんだけど、生徒も出入りする職員室でタバコを吸うのが憚られるようになり、いつしかその和室で吸うというのが暗黙の了解なっていったようだった。小さなその部屋はタバコの煙が充満してとんでもないことになっていたけど、教育者という立場から離れた先生たちの素の顔が垣間見える気がして、休み時間に大人たちが煙をふかしながら談笑するその光景がとても好きだった。
近頃は喫煙者に対する風当たりはますます厳しくなり、タバコってだけで血相変えて罵倒するような人もいたりして、身体によくないのは重々承知だけどなんだかかわいそうな気すらしてくる。だけど、ひとつだけ喫煙者が羨ましいとおもうことがあって、それがあの喫煙所での和やかな雰囲気なのだ。休憩時間になるとなんとなく集まって、煙ふかしながらしゃべって、普段そんなにしゃべらないような人とも妙に和んでいる。ように見える。あれ、なんかいいなぁっておもうのだ。「火、貸してもらえます?」とかって、街中で全然見知らぬ人に火をわけてもらったりして、なんかすごい。
酒によるコミュニケーションは偉大だなぁとおもうけど、タバコによるコミュニケーションもなんかいい。あの場に混ざってみたいなとおもうんだけど、タバコを吸わないわたしは、やっぱり部外者なのだった。


この石は何かってゆーと、早稲田大学の文学部キャンパスのスロープにくっついてる石なのだ(写真)。なんかある時から突如スロープのへり(って言うかなんだろ、欄干ともちょっと違う気がするしなんつーか塀の背の低いのみたいな物体)に石がくっつけられたのだ。たぶん、座るの抑止のためなんだろうけど。でその石に落書きがされたのか、アートなのか、よくわかんないけど、とにかくこのように顔が描かれていた。この写真を撮ったとき、べつに特別この石の顔が気に入ったとかでなく、ただ単になんも考えんとぱちっと撮っただけだったんだけど、よくよくみるとなんか愛嬌のある顔をしているし(私に似ているという話は聞きません)、右下に何気なく「18さい*」とか書かれてるのもカワイイ。そして今こうして人面石=ぷちともとなっているんだから、人生どう転がるかわからないもんである。石だけに。

