先日観た「フリータイム」は、朝の30分の話だった。微妙にちがうけど、土曜日の午後のことをふと思い出した。
土曜日というのは特別な曜日である。いまはもう(官公庁とか公立の学校、たいていの会社は)完全に休みでそーゆうのはないのかもしれないけど、土曜日は学校が半日で終わる。その「半日」というのは、なんだかとても魅力的なものだったなあと、いまおもう。まる1日休みの日曜日よりも特別なものが、土曜日にはある。同じ意味で夏休みとかの長期休暇前後にある短縮授業ってのも、すごく好きだった。
授業が半日で終わって、家に帰る。家に帰ると、ごはんが用意してある。してないことも、もちろんあったとおもうけど。学校がはやくおわって家で食べるお昼ごはんというのは、ちょっとだけ非日常感があってすごく好きだった。お昼で日は高く、部屋は電気をつけなくても明るくて、兄弟もそれぞれなんとなく帰ってきて、みんなで食べる母親の作ったテキトーなごはん。なんかその光景が鮮明に浮かぶ。
土曜日は、ピアノのレッスンの日だった。学校が半日で終わるから、午後にレッスンにいく。電車で1時間くらいの江古田の先生のとこまでいく。学校から帰ってきてごはんたべて、ピアノのレッスンにでかけるまでの時間、それは至福の時間だった。土曜日の昼下がり、ぽかぽか陽気の中で、おなかは満たされ、ざぶとんの上で微睡む半刻ほどというのは、冬の朝にいつまでも布団から出ないでぬくぬくしているあの気持ちよさに匹敵するものがあった。
半日って、なんかいいよなあ。かといって今土曜日が午前中は出勤、とかなったらすんごいイヤだけど。