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九州(上半分)ツーリング #003 山口 – 福岡 – 唐津

5/1(日)山口 – 福岡 – 唐津 317.6km [Map]

朝起きて、窓の外を見る。雨はまだ降っている。ただ、雨雲レーダーを見るともう少しで抜けそうなのだ。秋吉台は昨日も行けたしゆっくりめの出発でもいいかな、ということで雨が止むのを待つ。降ったりやんだりを繰り返しているうちに8時を過ぎ、止んでいるのを見計らってそろそろ出るかなぁと身支度をはじめる。

駐輪場の屋根の下で荷造りしていると、またしても雨が落ちてきた。走っている間に降ってきてしまうならもうあきらめもつくのだが、すでに降っている中走りだすのはものすごく躊躇われるものだ。ぐずぐずしているうちに9時を回ってしまう。いいかげん出なきゃ。雨が弱まったところで出発。

DSC_0269ホテルを出て30分ほどで、この日もやってきた秋吉台。止んだかと思われた雨はふたたび降りだしてしまい、せっかくのカルストロードでカメラを出すのも億劫になってしまう。ああ、晴れた秋吉台を走りたかったなぁ。もう少しすれば止んでくれるんだろうけど・・・とおもいつつ駆け抜ける。

そのまま長門へ抜け、海沿いの R191 を走らせながら次に向かうのは角島。ここも以前からずっと来てみたかった場所だ。このあたりまでくると雨はすっかり上がり、路面も乾いてきた。

R0014212海士ヶ瀬公園で角島大橋を望む。海が青い! ああ、空が青かったらどんなに気持よかっただろう。写真を撮っていると、横浜ナンバーのソロのライダーに写真を頼まれる。で、わたしも撮ってくれるというので、最初いやわたしはいいですって言ったんだけど、まあ1枚くらいあってもいいかな、てことでお願いした。この旅唯一の自分の写真だ。

橋を渡って角島へ。ざっくり駆け巡って、再び海士ヶ瀬公園に戻ってくる。わかめソフトとかね、話のネタ的には食べたほうがいいんだろうけど、わたしソフトクリーム好きじゃないし。ま、こーゆうのは片山さんにお願いしておこう(内輪ネタ失礼)。雲が薄く切れ始め、青空が見えるまではいかないものの日差しがチラチラと差すようになってきた。もうだいじょうぶだろう。ここでカッパを脱ぐ。

再び R191 を行く。山口県の左端をまっすぐに南下する。そして、下関。朝出るのがかなり遅くなったわりには、悪天候のせいもあって途中の寄り道が少なかったため、ほぼ当初の予定通りお昼時に唐戸市場に到着することが出来た。市場周辺は大渋滞していたが、わりとすんなりと駐輪場(らしき場所)にバイクを置くことができた。

R00142185年前に来たときはお盆休みで、市場は閑散としていて中の食堂でごはんを食べたのだった。しかし今日は人で溢れ、市場は活気に満ちている。わたしも人の波に飲み込まれつつ、あれこれ目移りしながらお寿司とふぐの唐揚げを買い込み、海辺で食べた。うん、ウマい!

唐戸市場を出て、下関ICへ向かう。いよいよ九州上陸である。関門橋を渡って・・・のつもりが、ぼんやりしていたら入口に入りそびれ、トンネルで渡ることになってしまった。ああう、しかも ETC 使えないのか、100円て、あわあわ。まあとにかくそんなんで、東京を出て3日目にしてようやく九州上陸を果たしたのであった。

遅くなったら高速を使ってしまおうかとも考えていたのだが、まあ時間もあるのでちんたら R3 で行くことにした。途中、国道をそれ、志免町というところへ寄り道。ここに、不思議な建物があるのだ。

R0014228旧志免鉱業所竪坑櫓というのがその建物の名称である。どこで最初に見たのか忘れてしまったけど、コリャあこの目で見ておきたいなぁとおもったのだ。何気ない住宅街?にある公園の中に、それは突然あった。横の広場ではソーラン節だかなんだかを練習する地元の団体、グラウンドでは子供のサッカーチームが試合をしている。そんな中に、突然あるのだ。残念ながらまわりはフェンスで囲まれ近寄ることはできないのだが、その存在感は不思議なものだった。夜はライトアップされるのかな。ちょっと見てみたかった。

そしてそのまま博多の市街地へ。博多に行くなら、もつ鍋食べたいよねぇ。でも、ひとりでもつ鍋ってないよねぇ。てかああいうのって大抵2人前からなんだよねぇ。うーむ。で、「もつ鍋 ひとり」とかでググッてみる。すると、出てくるではないかw これはもうおひとりさまレベル向上させてしまうしかないだろう。

R0014252そのお店は博多の繁華街にあった。オープンは18時からのようで、あと10分ほどある。まわりをウロウロしつつ、オープンを待つ。18時を少し過ぎてお店に入ると、カウンターにはすでに1組のカップルが入っていた。もつ鍋のシメによくラーメンを入れるけど、あれ死ぬほどウマいのね。このお店はそのラーメンをメインに食べさせるかんじ。1人前といってもけっこうしっかり鍋で出てくるので、うおお、食べきれるかな、とおもったけど、そこは食いしん坊のわたくし、杞憂であった。あっさり完食。いやー、おいしい。ひとりもつ鍋専門店にもかかわらずカップルがいたのでどうしようかとおもったけど(2人でもそれぞれひとつずつ鍋が用意される)、その後入ってくるのはちゃんとおひとり様ばかりだった。スーツ姿のサラリーマン、やけにおしゃべりなオッサン、アキバ系っぽい若者、などなど。あ、男ばっか(笑)。このお店、東京にもできないかなぁ。近所にできたら通いたいわー。元祖博多麺もつ屋

もつ鍋を堪能し、本日の宿泊地・唐津へ向かう。海沿いの R202 はすごく景色が良さそうだったけど、すでに日が暮れてしまって真っ暗。何も見えない。虹ノ松原なんかも雰囲気はよさそうだったけど、暗闇の中なのであった。

R0014258もうすぐ今日の宿に着こうかというところで、ライトアップされた唐津城が目に入ってきた。せっかくなのでちょっと寄り道。駐車場で地元のオジサンに話しかけられ、「東京から来たのか! このへんはなんもないだろ~」と笑う。いや、まあ、その、城があるじゃないか城がッ! そこにッ!! ・・・でその城にのぼってみたら、工事中だった。

九州(上半分)ツーリング #001 東京 – 大阪
九州(上半分)ツーリング #002 大阪 – 山口
九州(上半分)ツーリング #003 山口 – 福岡 – 唐津
九州(上半分)ツーリング #004 唐津 – 長崎 – 熊本
九州(上半分)ツーリング #005 熊本 – 阿蘇 – 別府
九州(上半分)ツーリング #006 別府 – 小倉 – 門司

九州(上半分)ツーリング #002 大阪 – 山口

4/30(土)大阪 – 山口 515.6km [Map]

移動日2日目。この日は山口まで走る。前日の東京-大阪に比べれば若干距離は短いものの、それでも 500km 近くを走ることになる。ともかく出発。阪神高速から名神、中国道、山陽道。山口に向かうのだから中国道でもよかったんだけど、なんとなく山陽道にしてみた。しかしおもえば山陽道は前も走ってるから中国道で行けばよかったかな、などと後でおもう。まあいっか。

R0014047福山SAで給油、宮島SAでお昼ごはん。そういや米を食べてないな、ということで穴子丼を食す。広島支部のみなさまをおもいつつ広島を通過し、あっというまに山口。山陽道、渋滞しているかとおもいきやほとんどしていなかったのだ。コリャ早過ぎるな、ってんで、ならば翌日行くつもりだった秋吉台、行ってしまおうではないか。

山口JCTから中国道に入る。急に行くことにしたので、高速下りたら地図を確認しようとおもっていたら、美祢東JCTの料金所を出たところに緑看板で秋吉台の文字。何やら新しい道ができているようだ。開通したばかりのぴかぴかの小郡萩道路をびゅんびゅん進むと、あっという間に秋吉台IC。そして山道に入っていく。

DSC_0249突如視界が開け、そしてあのカルストの風景が目に飛び込んでくる。過去2回ほど車で連れてきてもらったことがあるにもかかわらず、うわああああと言ってしまう。声に出して。免許をとった時からいつかかならずバイクで来ようと決めていた場所。道じたいはわりとすぐにおわってしまうんだけど、思い入れのある場所だけに感動もひとしおであった。

R0014143まだ時間があるので、秋芳洞に行ってみる。日本最大規模だという鍾乳洞、ここは入ったことがなかった。秋芳洞には出入口が3箇所あって、わたしはその真ん中の入口にやってきたらしい。エレベータを降りて外に出ると、そこは暗く広い空間。空気はヒンヤリと冷たい。左右に 300m と 700m つづく洞窟の中、バカみたいに写真を撮りまくった。

秋芳洞を出ると、なぜか路面が濡れている。おや? とおもってあわててバイクのところへ行くと、ホネたん、濡れているではないか。ちょ、なんで雨降ってんの・・・。げんなりしつつ身支度を整えていると、また雨が降ってくる。しかたなくカッパを着こみ、もう少しカルストロードを堪能してから山口市内に移動しようとおもっていたのだが、諦めてそのままホテルへ向かうことにした。

夕方、市内のホテルにチェックイン。ぐしょぐしょに濡れたグローブを乾かしたりしているところへ、友人からメールが入っていることに気づく。夜飲みに行けるぞ、とのこと。仕事が忙しいようなので無理だとおもっていたのでよろこぶ。もういつぶりだか忘れてしまうくらいかなり久しぶりに会ったので、積もる話(?)もしつつ、地元情報もいただきつつ、城の話もしつつ(笑)、おいしく楽しい夜であった。忙しいとこ&土砂降りの雨の中、ありがとうございました。

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Grandma is still alive

ふいー。東京帰ってきました。東京も寒いなー。なんか全然眠くないのでざーっと書いちゃおうっと。

11月18日(土)

金曜の夜に銀座で飲んだくれてたら普段全くならない二日酔いに見舞われる。予定より2時間遅い新幹線に飛び乗り、揺られること約5時間。3ヶ月ぶりの山口は極寒だった。いやまじで寒かった。

新山口まで来てくださってたお兄さまな人と合流、山口県立美術館へ。そう、今回の「そうだ、山口行こう」は雪舟への旅である。まず会場入ると雪舟像たちが迎えてくれる。最後のはやたらカワイイ。とか思って振り返れば「慧可断臂図」「四季花鳥図屏風」「天橋立図」3連発。濃ゆい。濃ゆいよ。スゴすぎるよ。これぞ雪舟というダイナミックな筆遣いや線に圧倒される。ディテールもおもしろくて、ガラスケースに張り付かんばかり。そして「四季山水図巻」。これは模作で雪舟のと比べられるようになってる。んで、若い頃から晩年までを年代順に追っていく。柔らかな線が力強いタッチに変わっていく過程が見えるのだ。「秋冬山水図」「四季山水図」「山水図」と盛りだくさん。この人とにかくいろんなモチーフとその配置、構図とか線の使い方がすごい。力強い岩壁の線が空間を遮断する。空白での雪の描写。牧童はやたらカワイイ。そしてなんかこう、雪舟の人間臭さをすごい感じるのだ。こんだけのものが集まって見られるってなかなかないとおもうし、んー、いいもん見れてよかった。

んで、わたしが出遅れたもんだから、常栄寺の雪舟庭は見られないねえと言いつつ、山門だけでもライトアップとかしてるかもねえってことで行ってみたら特別に拝観させてくれたのだ!貸し切りでオジサンの解説付き、しかも普通は入れない天皇の間まで!なんかもうドキドキしてしまった。本当にありがとうございました。

さて楽しみでならなかったのは雪舟だけではないのですね。すてっぷあにき家であります。ここ楽しすぎるのね。ほんとにね。すてっぷにいさまと奥様とワタクシで豆乳鍋を囲む。これがすさまじいおいしさでですね、朝から何も食べてないこともあってそりゃもうがっつり食べました。でもお酒はごくごく控えめにしておきました。エヘエヘ。そんでまた明け方まで音楽祭り。たーのーしーすーぎーるーーーー。最高ですね。あ、因にこのエントリのタイトルはこの祭りからチョイスさせていただきました。うひひ。いやしかし豆乳鍋おいしかった。もう明日から毎日豆乳鍋しようとおもってます。ひとりで。

11月19日(日)

昼前にむっくり起きだし、おいしいおソバをいただいてから防府は毛利氏庭園へ。すごいお屋敷。ここ毛利博物館で「四季山水図巻」を観る。長さ 16m という大作。雪舟の生き生きとした筆遣いが実に鮮やか。細かいところにニヤリ。美術館に展示されてたときは30分待ちとかもあったそうで、これをじっくりゆったり観られたのはよかったなあ。あと一緒にやってた毛利氏の茶道具もおもしろかった。千利休がお茶に誘ってたり。茶酌とか。そんで庭園をウロウロ&ぼんやり。紅葉は色づき始めといったところで、来週あたりだとよかったかなー。でもすごくきれいでした。防府天満宮にも寄って辺りを一望。山に霧がかかってそれはまるで水墨画のようでありました。

ほんとはね、夜に秋吉台で星とか見たかったんですけどね。雨は容赦なく降ってました。前日まであんなに晴れてたのに。私は雨女ということで落ち着きました。皆様よろしくどうぞ。でも PSP のやつオモシロカッタな。写真は微妙に撮ったので明日うpしようとおもいます。さてそろそろ寝ることにします。素晴らしい週末を過ごせたので、明日からまた一週間がんばろうとおもいます。おわり。

追伸:
すてっぷにいさま、奥様、毎度お世話になりほんとにありがとうございます。多謝。

西へ #005 岩国・尾道

8/18(金) 岩国 – 尾道 – 倉敷

朝、ぱらぱらという雨の音がして目が覚めた。カーテンをそーっと開けて落胆、雨である。ここまで天気には恵まれ、昨日も曇ってはいたものの雨は降らなかったのに、山口最後の日にしてどしゃぶり。台風10号が接近しているのである。

しかし台風なんぞにへこたれず、出発。山口最後の日は岩国である。一昨年亡くなった祖父の故郷。もう親戚も誰もいなくなり、お墓も横浜に移しているため何もないけれど、ここで祖父は育ったんだなあとなんとなく思う。私の名字は関東圏では珍しいけれど、山口には多い。ルーツ・山口である。

Kintaikyo Bridge - 1さて道が混んでいたり雨がいったん止んだのにまた降ってきたりしたものの、とにかく岩国に到着。すさまじい雨ニモマケズ、とりあえず錦帯橋だ錦帯橋。連続したアーチ、うーむ美しい。空が青かったら…ということは言わないことにしておこう。言った気もするが。

台風などによりたびたび流失しているらしいこの錦帯橋、遠目からでも新しくなっているところがわかる。この日は接近する台風の雨に加え、サイレンがけたたましく鳴り響き、ダムが放水を始め、なかなかの緊迫感。 こんな錦帯橋もまた一興…ということにしておこう。

Kintaikyo Bridge - 2で、渡ってみる。木造なので雨の日は滑りやすいのでお足元にご注意。

橋の上から鵜飼いの舟が。青空だったら…ということは言わないことにしておこう。

時間や天候の都合上、岩国城は遠くから眺めてがまん。資料館なぞを見たりしつつ城下町をぶらぶら。相変わらず雨は激しい。そして電車の時間にあわせて岩国駅へ。3日間お世話になりまくったすてっぷにいさまとはここでお別れ。いくらお礼を言っても足りない気がして、なんだかしょんぼりしてしまった。にいさんはやはりお兄さまだった。また遊びにいきます。

さてめぐりにめぐった山口を後にして、久々に電車に乗り込み一路広島を目指す。宮島に寄るには時間がないのでああああと思いながらもスルー、広島でお好み焼きを食べて、時間あったら原爆ドームも見ておきたいよな…とおもっていたら、なんと、寝過ごした。昨夜ほとんど寝ていないため、電車に乗るや眠りに落ち、そのまま爆睡していたのである。まったくもって今回はそんなんばっかであるが、まあいい。尾道で下車、おさんぽ。雨は上がっていた。

Onomichi海沿いをぶらぶらしつつ、「そういえばおなかへった…」てことで近くのラーメン屋へ。尾道ラーメンである。見た目よりわりとあっさしていておいしかった。おなかも満たされたところで再び尾道をウロウロ。坂道を歩く、歩く。家の密集している路地を歩いていると、猫発見。猫を追いかけ回して戯れつつばしばし撮っていたら、また雨が降ってきた。それでもメゲずに坂道の路地をウロウロ。古いお寺や小学校、何かのお家元風な家屋もあったりして路地好きとしてはたまらない場所である。雨も強くなってきてだいぶ歩いたので、そろそろ行くか、ということで倉敷へ向かう。

倉敷に着く頃にはもう暗くなっており、倉敷は翌朝早めに出てぶらぶらしよう、ということでごはんを軽く食べてホテルへ。ホテルの場所を確認しようと倉敷駅で地図を見ていたら、変なオッサンに声をかけられる。「どこから?」「東京から」ってのは旅をしてるとよくある会話ではあるけども、それからどんどん話が発展していき、最近写真をはじめたのだがモデルをやってほしいとか言いはじめたので、逃げる。若い女性の写真が撮りたいとか宣っていたが、何もこんないかにも旅人ルックな上化粧ははげて雨で髪ぐしゃぐしゃで汗臭くて薄汚い女…ねえ。しかもおチビのおデブときた。相当な物好きなオッサンだったか、あるいは相当な作画意図があったに違いない。しかし、残念ながら私は写真を撮られるのは非常に苦手であり、ましてや見ず知らずの謎のオッサンに撮られるなどというのは無理な話である。なので、逃げた。わりとしつこかった。このときの私は翌日の大阪で写真を撮られまくることになるとは知る由もない。

翌日は各地でいろんな方と約束をしていたのであちこちとメールをしつつ、朝ぶらぶらするために早めに就寝。この旅行最後のホテルはまるで独房のような部屋で、前日が最高だっただけに辛かった。安さだけで選んではいけないと痛感した。

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西へ #004 下関

8/17(木) 下関 – 門司

7:30起床。朝ご飯をがっつり食べる。坂本龍馬も泊まったという老舗の旅館の前ですてっぷにいさんと待ち合わせ、いったんあにき家に寄って荷物を置いて出発。目指すは下関である。

Togyoanまずたどり着いたのは下関市東部に位置する東行庵。奇兵隊の本拠地だった場所で、高杉晋作や奇兵隊隊士たちが葬られている。晋作の愛妾おうのは彼の死後出家してそのお墓を守ったそうだ。晋作のお墓からちょこっと離れたところに彼女のお墓も。そして兵隊隊士たちの墓が並ぶ。すごく雰囲気のいい場所で、秋は紅葉がすごいらしい。今の季節もみどりできれいだけど、これが紅葉すると…ああ秋にも来てみたい。

高杉晋作の辞世の句「おもしろきこともなき世をおもしろく」って好き。

さてやたら気持ちいいので長居してしまった東行庵を出て、車を走らせ唐戸市場へ。そう、下関といえばふぐである。ふぐふぐと息巻いて来てみたところ、お盆休みだからなのか、残念ながら市場は休みの店が多かった。でも2階の食堂はちゃんと営業している。お昼時ということもあって行列していたが、ふぐのためだ、並ぶ。しばらく並んで席に着いたら、すぐに来た。ふぐふぐ!私はふぐ刺し定食、すてっぷにいさんはふぐの唐揚げ定食。ふぐのあの独特の歯ごたえがなんともウマい。皮もコリコリしてウマい。にいさんの唐揚げもひとくちふたくちいただく。ウマーイ!ああ幸せー。これで1000円ちょっとだったと思うが、安い!

がっついていたので写真はないわけだが、ふぐを食べ終えたあとは市場をウロウロ。家にふぐを送ってあげることにした。親喜んでた。そして唐戸周辺をウロウロする。

R0011188.JPG赤間神宮はほんとうに竜宮城のようでカワイイ。全体が鮮やかな赤で華やかなのだが、平家一門の塚がある一角だけは突然空気が違っていた。少し歩くと、旧英国領事館や旧秋田商会ビルなどのレトロな洋館が立ち並ぶ。旧秋田商会ビルは外観は洋館で、屋上には日本家屋と庭園、中も和洋折衷なおもしろいつくり。ヤマハの古いオルガンを見つけて喜ぶ。

ひとしきりうろついたあと、武蔵と小次郎の決戦の地・巌流島へ行ってみることに。巌流島はえらい整備されていた。島から本州側を見ると、造船のクレーンがたくさん並んでいる。そして関門海峡を行き来する船舶がひっきりなしに通る。それだけでずーっとぼんやり眺めていられるようなとこ。あいにく空は曇天だったのだが、晴れていたらその景色はさぞやきれいだっただろう。

R0011211.JPGここで特筆すべきはその巌流島への往復に乗る船である。この船のオジサンが超絶技巧のベテラン船乗り(と決めつけている)で、藤原拓海ばりのドリフトをかますのである。巌流島から唐戸港へ入ってきて、最後ぐわああああっと旋回して寸分の狂いもなくピタッと船着き場に止めるのである。まさに超絶技巧。今日も実にいいものを見た。

Kozanji Temple - 1巌流島から戻り、壇ノ浦へ。思えばここは2度も歴史に残る大きな戦いの舞台となった場所なのである。うーむ。そこでは九州へは渡らずに下関に戻り、車を走らせ功山寺へ。このお寺、とっても気に入ったのである。すごくいい。山門は実に壮大である。国宝仏殿の質量感たるや言葉に言い表すこと難し。土塀もイイ。お昼に来れば予約なしでここで粥御膳が食べられるようだ。実においしそうなので機会があればぜひ食べてみたい。あと、ここで猫に遭遇。野良なのかよくわからないが、きれいな猫である。はじめものすごく威嚇していたわりに、なぜかなつかれた。デニムが猫の毛だらけになった。

Kawara Sobaさて功山寺を後にして、再び関門トンネル。九州に渡る。門司はレトロな雰囲気漂う素敵な港町。写真を頼まれたりしつつ、昨日飲んでて話題に上った瓦そばをいただく。これがとってもおいしいのだ。ほんとに焼いた瓦にのっかって出てくるのだが、ぱりぱりっとしたところが香ばしくて、茶そばと牛肉がこんなに合うのかと。ペロッと食べてしまったのであった。

R0011308.JPGその後は門司港をぶらぶらしつつ、撮りつつ、展望台で夜景も。どうしてもガラスに映り込んでしまって、もっと暗くしてくれればいいのにとかぶつくさ言いながら床にへばりついて撮る、撮る。夜景は難しい。しかしながらライトアップされた関門橋はとてもきれいだった。

そんなこんなで一日中さんざんあちこちうろついて、夜はあにき家にころがりこむ。軽くワインやビールなぞ飲みつつ音楽祭りである。あにき家は音楽の宝庫であるからして、だから行きたかったのもあったりするわけだが、とにかくほんっっとに楽しすぎて気づけば明け方に。ああやって遊んでるともちろん一晩なんかじゃ足りないわけだが、こういうのってほんと楽しい。いつまででもやっていたい。すてっぷにいさんのお仕事の話などもたっぷり聞かせていただき、結局寝たのは5:30。次の日は朝から岩国へ行くため、7:00起床予定である。果たしてきちんと起きられるのか。甚だ疑問である。その上なにやらぐるぐる渦巻き状の物体が日本列島に接近している様子。そう、台風10号である。

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8/16(水) 出雲 – 萩 – 山口

Izumo Taisha - 3朝、4時に起きて出雲大社へ。出雲市駅近くのホテルからタクシーで向かう。タクシーのオッチャンは実にいい人だった。日の出前の空は紫とブルーのまざったようなきれいなグラデーション。参道を下りていく。朝の出雲大社は神々しく、美しかった。そしてとにかくデカい。大きいっていうか、デカい。朝早すぎていろいろと見られない部分はあったものの、あの雰囲気は朝だからこそだったんだろうなあとおもった。

いったんホテルに戻り、朝食をがっつり食べてから出発。いよいよ今回の旅のメインディッシュともいうべき山口である。津和野でにいさんが舞ってるいや待ってる! で、私はまたしてもやってもうたのである。

なんでまた、よりによって、しかも二度目って。その上、今回は気づかなかった。ずっと気づかなかった。なんかいつまでたっても海が見えるなーとは思っていたものの、まさかまた電車を間違えているとは。まったくもって意味不明である。過去にこんなことなかった。11:55に津和野駅に着くはずなのに、11:55の時点で木与という駅にいた。血の気が引いた。なんで!?なんで津和野じゃないの!!???

すぐさますてっぷにいさんに電話、たぶん声で話すのははじめてなのに、開口一番発したのは「ごめんなさい…泣」。にいさんはそれですべてを悟ってくれた。さすがである。めっちゃ笑ってたけど。

Tokoji Temple - 2そんなワケで、あにきに多大なご迷惑をおかけしつつ、結局萩で落ち合うことに。で、そのまま何事もなかったかのように観光。萩城跡、東光寺、松蔭生誕の地、お墓、松下村塾…と「世に棲む日々」な感じであにきの車であにきのナビであちっをウロウロこっちをウロウロ。維新のはじまりの舞台となった場所を訪ねまくる。城下町をお散歩しつつ撮りつつお散歩。素敵すぎる。萩は儲けようと言う姿勢がまったく感じられない。だがそれがいい。

Akiyoshidai Rainbowウロウロしてると意外と時間はさっさと過ぎていってしまうもので、夕方山口市内へ移動すべく萩を出発。途中、秋吉台を経由する。秋吉台は日本最大のカルスト台地ということで、草原の中に石灰岩がぽちぽちとある。車の中で思わず「うわあ!!」と声を上げた。初めてみる景色。山の中にいきなり草原、それが果てしなく、ほんとに果てしなくつづくのだ。どこまで行っても終わらない。そして、虹。と、夕焼け。何ですかこれは。確かに私は何者かに導かれている気がした。ここで見る星は最高だろうなあ。いつかきっと、きっとここで星を見よう。そのとき決めた。

Rurikoji Templeさて山口市内に入り、瑠璃光寺の五重塔がライトアップされてるかもってことで寄ってみる。これまた嘆息ものの美しさ。司馬遼太郎が「長州はいい塔を持っている」と記したという。三脚なんて持ってきてるわけないので、ベンチやら水飲み場やらにカメラをおいてなんとか写真を撮ってみる。池に映し出されて光る五重塔。素晴らしい。

その後いったん旅館へ行き、チェックイン。荷物を置いて一息ついて、再びあにきと合流、湯田温泉付近で飲む。あちこちウロウロして大量の汗をかき、ワタクシは冷や汗もかいたのでひたすらビールがおいしい。途中であにきの奥様も合流し、なんともいいコンビっぷりを見せていただく。気づけば日付が変わろうかという時間。旅館の温泉がおわってしまうギリの時間。とにかく入ったもん勝ちだってことで露天にダッシュ。貸し切り状態の露天風呂で一日の汗を流し、ちょっと泳いでみたりしてハシャぐ私。子供のようだ。お風呂から上がったら即寝る。明日は下関をうろつくのだ。ふぐ食べるぞふぐー!

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