今年7月に観に行った建築倉庫展で、とても魅力的な建物(の模型)を見つけた。石の美術館。那須にある隈研吾設計の美術館だ。米を貯蔵していた80年前の古い石蔵を再利用し、石を素材とするアートやクラフトの展示空間として再生させたのだそう。ここ、行ってみたい! 那須は他にも美術館がたくさんあるし、距離的にも遠足にちょうどいい。2023年の秋から改修工事で閉館中だったが、2024年秋にオープン予定とのこと。というわけで、秋のちんまり旅・那須編が開催される運びとなった。
11月1日(金)
前日の夜、なかなか寝付けなかった。やっと寝入ったと思ってもどうも眠りが浅く、変な夢を見ては目が覚め、あまり眠れなかった。遠足が楽しみで眠れない小学生のようだ。私は新幹線代ケチったので、がんばって早起きして5:30に家を出て、座れることを祈って大船出て上野東京ラインに乗ったが全く座れず、結局東京まで座れなかった。朝6時前から通勤の人々がたくさんいて、みんな働いているんだなぁ、えらいなぁと思うなどするニート。宇都宮で乗り換える時、電車間違えてないか3回くらい確認した。過去に何度もやらかしてますからね、私。夜寝られなかったから電車で寝ようと思ってたけど、寝過ごすのが怖くてやっぱりあんまり眠れなかった。
10:00 、那須塩原駅で無事にあゆみさんと合流。あゆみさんは新幹線で来ていたので少々お待たせしてしまった。ゴメンチャイ。そのまま予約していた駅前のレンタカー屋へ。ちんまり隊に用意された車は、赤いヴィッツだった。かわいい赤い車にテンション上がるぅ!
先ず向かったのは藤城清治美術館。光と影の芸術を追い求め、進化しつづける光の芸術人藤城清治氏の集大成である。美術館の入口では、かわいいネコがお出迎えしてくれる。庭園を散策しながら進むと、かわいいチャペルが見えてくる。中には藤城デザインのステンドグラスが煌めく。お掃除のおばちゃんにちんまり隊ツーショットをとってもらう。
そして美術館の本館。ここからは撮影禁止だったのだが、まぁ見応えのあること。光と影の世界にどっぷり。ただかわいいだけじゃなくて、ちょっと悲しげなところもあるのがまた魅力的。猫とか音楽とか、私の好きなモチーフが多いこともあって見入ってしまった。今年100歳という藤城氏、現役で制作されているそうで、すごいなぁ。ミュージアムショップで絵葉書を買ったけど、なんかもう選びきれないw あとかわいいネコのピンズをお揃いで買った。
藤城清治美術館が見応えありまくりで、あっという間に時間が過ぎる。お昼のレストランを予約していたのだが、時間に遅れそうになってしまいあわてて出発。
レストランパパシュネルに、予約時間に10分ほど遅れて到着。お店のおばちゃんに「10分遅刻ね!」と怒られた。とにかく席に着いて2人ともランチセットのハンバーグを注文をして待つ。すると、虫が窓のあたりにいるのが目についた。ちょっと、大きめの虫で、なんだろう、カメムシかな?よくわからんけど、とにかくその虫がウロウロしている横で食事したくない感じの虫。するとあゆみさん、ペーパーナフキンを手に取り、見事に捕獲してくれたのだ。ありがたや〜。
虫も退治したところでハンバーグ到着。これがまぁ美味しいこと。オニオンソースで正解! 付け合わせも美味しいし、何しろパンがもうすごい美味しい。自家製なのかな? 聞けばよかった。本当に美味しかった。デザートとコーヒーまでいただいて、ごちそうさまでした。満腹。ご夫婦でやられているお店なのかな、口コミにあった通り確かにおばちゃんはクセ強めだけど(笑)、また行きたいと思うレストランであった。
さてゆっくり食事したところでだいぶ時間が押してきた。本当はもう1つ美術館を回ろうと思っていたのだが、時間気にしながら忙しなくなるのもちょっとね、てことで、取りやめにしてメインイベント・石の美術館に行ってしまおうということに。明日は朝から雨のようなので、先に行ってしまうのが吉。
車で走っていると、それは突然現れた。天気がイマイチなのもあるのだろうけど、その場に唐突に現れる割にはあまり目立つという感じでもない。普通に走っていたら見落としてしまいそうなほどだ。
石の美術館は1 年ほど改修工事をしていて、我々が那須行きを決めて宿を取ったりした後もなかなか再開のアナウンスがこなかった。痺れを切らしてウェブから問い合わせてみたりもしたけど、返事も何もこないのでもうダメかと半ば諦めかけていた。そこへ、プレオープンのお知らせが! ウェブサイトもリニューアルされていたので、そのごたごたで問い合わせもうやむやになっていたのだろう。とにかくラッキー!
てなわけで、ちょうどプレオープン期間に来ることができた。が、プレオープンなだけあって、なんだかあちこち工事中である。こ、これはこういうものなのかな? これは、工事中かな? とかなんとか多少戸惑いながらもみて回る。他にも来ている人がちらほら。でもやっぱり、プレオープンなんだな、という感じ。まあとにかく来れたのでよし!空が青くてもっと明るかったらもう少し印象も違ったかもなぁと思いつつ、そこはまあ仕方ない。
石の美術館が思いの外すぐに見終わってしまって、時間が余ってしまったので近くを少し散歩することにした。美術館を出てすぐに、看板を見つける。それに向かって歩くと、古いお寺が見えてきた。揚源寺というお寺らしい。苔のむす階段をのぼろうとするところへ、おじいさんが話しかけてきた。境内に向かって左手奥に御神木があり、樹齢は600年を数えるとみられているが、一週間ほど前に突如倒れてしまったという。この揚源寺のアスナロウは那須町の天然記念物に指定されており、勝手にいじれないとかでそのままになっているそうだ。
そのおじいさんが教えてくれた遊行柳というのに行ってみることにする。近くの看板にも出ていた、この辺りでは有名な景勝地なのだろう。近くの駐車場に車を停め、歩く。なんとものどかな田舎風景だ。今回ほとんどが車移動なので、この少しの散歩がなんかよかった。やっぱ自分の足で歩くのはいい。しかしここでアクシデント発生。あゆみさん、買ったばかりの iPhone を落としてカメラに傷が!? だ、大丈夫か!?!?
iPhone は心配だが、とりあえず宿へ向かう。石の美術館に程近い、芦野温泉ホテルである。チェックインしたらまずはお部屋へ。荷物整理もそこそこに、iPhone の様子を見る。よ、よかった、本体ではなくカメラのカバーが傷ついただけのようだ。よかった。安心したところで部屋のテラスに出てみる。そう、このお部屋、テラス付きなのだ。しかし、またしてもここでさっきと同じ虫が・・・! 虫が気になって、あまりテラスを堪能できなかった、無念。
さて夕食はつけなかったので、施設内のお食事処でいただくことになるのだが、ここの営業時間が19:00ラストオーダーと少々早い。そのため、先にお風呂に入るにはちょっと時間がないし、かといってすぐにごはんを食べられるほどまだお腹が空いていない。とりあえず館内を探検。このお宿、宿泊施設と温泉施設が渡り廊下でつながっているみたいな構造になっており、慣れるまでちょっと難しい。あっちをウロウロこっちをウロウロしつつ、お土産売り場みたいなとこでアイスチェック。お風呂上がりにアイス食べたいもんね。あったあった、後で買いにこよう。
そうこうしているうちに、そこそこいい時間。でもやっぱりお腹空かない。かといって何も食べないわけにもいかないので、とにかくお食事処に行ってみる。ちょっとした一品料理みたいなのもたくさんあって、これならなんとかなるかも。蒸し鶏のサラダとかけそばを2人でわけっこしてちょうどいい感じであった。
食事の後は、温泉である。芦野温泉は効能豊かな湯治場だそうで、宿泊客も年配の人が多いようだ。源泉に独自配合した生薬を揉み出した「薬草の湯」は、独特の匂いがした。お湯に浸かると肌がツルツルになるのがわかる!露天風呂も気持ちいい〜。温泉久しぶりだったけど、いいね。ちんまり隊で温泉入るのは白浜以来、15年ぶりだ。
お風呂を出たら、アイスアイス。さっき見つけておいたアイスを買い、部屋に戻ってしばらくしたのち食す。ところが冷蔵庫の冷凍室があんまり冷えていなかったのか、やや溶けかかっていた。。私、溶けたアイスダメなのよね。。しかも、とってもミルキーな感じで、ああ、私の苦手なタイプ。。抹茶味にしといてよかった、バニラだったら食べられなかったかも。まあとにかく完食。風呂上がりのアイス食べられてよかった!w
明日の動きの計画を練ったり、なんやかんやしているうちに夜も更ける。ほんとはテラスで語らう予定だったんだけど(笑)、外は雨が降り始めている。虫もいるし。。早起きしたし、1日がっつり動いて疲れていたので、すぐに眠りに落ちた。
11月2日(土)
6時半頃、そろそろ起きる?という感じで起床。夜中何度も目が覚めるんだけど、外で泊まる時ってそうじゃない? とあゆみさんは言う。そう言われてみるとそうかも。。とはいえ、昨日の夜は本当に眠れなかったから、それよりは全然寝たのでオッケーオッケー。朝食の時間が8:30からとのことだったんだけど、それではあまりに出発が遅くなってしまう。ということで、やや早めに朝食会場へ行ってみる。いいですよ〜とのことだったのでよかった。
さあ、お宿の朝ごはん!朝からたくさん〜幸せ。タコのつみれのお鍋とっても美味しかった。厚焼き卵は甘めで。ごはんのお供がいっぱいで白飯のすすむこと。ちゃんとした朝ごはんとても久しぶりだった。ありがたや。
朝食後、すぐにチェックアウトして出発。外は本降りの雨。でもまあ車移動ですから。なんとでもなりますってなもんで。
その後、フィンランドの森というところに行ってみる。が、なんか思ってたのと違う(笑)。まあ、なんか、北欧雑貨屋さんとかパン屋さんがいくつかあるみたいな感じかな。雨だけどそこから少し歩いて、那須で超絶人気らしいカフェへ行ってみる。NASU SHOZO CAFE 、ここでお茶できたらよかったんだけど、さすがに超絶人気店、だいぶ順番待ちがあるようでちょっと無理そう。てことで、スコーンをテイクアウトしてあとで食べましょうということに。
それから那須はおいしいパン屋さんがたくさんあるようで、道の途中で気になったお店に適当に入ってみる。パン香房 ベル・フルールというお店で、後でお昼ごはんに食べようとパンをいくつか購入。
今度はこれまた途中で見かけたカフェに行ってみることに。Nasu Satie Cafe でお茶〜。私はプリンとコーヒー、あゆみさんはケーキと紅茶を。とってもきれいで落ち着いた店内で甘いものチャージ。
さあぼちぼち帰りの時間が近づいてまいりました。お土産探したいね、てことで、ちょいちょい見かけて気になったNASUのラスク屋さんへ。ここ、試食コーナーにコーヒーやお茶のサービスがッ!! なんというサービス精神。素晴らしい(笑)。試食もいただきつつ、家族のお土産にラスクをいくつかとパンも買った。
道の駅があったのでこちらにも寄りましょう。道の駅 那須友愛の森。だいぶ大きな道の駅。野菜買いたかったけど、この後横浜まで電車に4時間揺られることを考えると買えなかったわ・・・w 工芸館もあって、そちらも見てみたり。道の駅には道の駅の楽しさがあるよね。
那須塩原駅周辺ではこの日、お祭りのような催しをやっており、駅周辺の道路が規制されているため混雑状況がどんな感じになるかわからないので、少し早めに駅に戻ってレンタカーを返却することに。指定されたガソリンスタンドでガソリンを入れ、レンタカー屋に戻る。規制されているのでスムーズにはいかず、ここはちゃんと地図を見て回り道。あ、ここだここだ、と車を入れると、係の人が出てきて怪訝そうな顔で「どちらのレンタカーですか?」という。「ワンズレンタカーです」というとお兄さん、「ここはトヨタレンタカーです」と宣う。ギャース、間違えたーw なんか、この屋根のあるところに入れてくださいねーって言われた場所がなんか似てたのよ・・・。ははは。ちょっと行った先にちゃんとありましたよワンズレンタカー。那須にあって謎の船橋ナンバー。本社が千葉だそうです。2日間お世話になりました。赤いヴィッツちゃん、ありがとうね。
車を返して那須塩原駅へ。あゆみさんは帰りも新幹線指定をとっているので時間がまだたっぷり。私は予定より1本早い電車に乗れそうだ。あゆみさんは自分だけ新幹線取ったことをやけに気にしていたけれど(笑)、んなこたーどーでもいーのです。懐事情をとるか、時間事情をとるか、ですよねw
帰りの電車に揺られながら、小腹が空いたのでさっき買ったパンを食べる。あ、おいしい〜。行きはだいぶ座れなかったけど、帰りは座れて、宇都宮から湘南新宿ラインも始発なので座れて、横浜で乗り換えた方が早いんだけどそこはまた大船まで出て始発で座れて、4時間フルで座ってやったぜ。長旅だったけど、久しぶりに電車にたくさん乗って、景色が変わっていく感じ、どんどん田舎になっていく感じ、見慣れた街に戻っていく感じ、とても楽しかった。たまにはいいね。最寄り駅まで車で迎えにきてくれた夫に、帰りくらいあなたも新幹線乗ればよかったのに・・・と言われたけどw
そんなこんなで2日間、とても楽しく過ごした。あゆみさん、ありがとうございました。ちんまり旅、また行けるといいな。次はどこに行こうかな?