よそのブログで見てお買い上げ、藤本健太郎「タイポさんぽ:路上の文字観察」。既存のフォントで埋め尽くされゆく都市空間のなかで、ひときわ輝く独特の味わいをもつ文字たち。著者の長年にわたる路上ウォッチングによって集められたそのオリジナリティにあふれた文字を、ものすごく丁寧に、どこがどう素敵なのかを愛情深く語る。
蔵前あたりは昔からのものが多く残っているので、この本に出てくるような味わい深い文字なんかにもわりとよく遭遇する。そんなとき、その文字のどこがどんなふうに見る者の心を捉えるのか、ちょっと立ち止まって考えたりするのも楽しいものだ。そしてそんな不思議な魅力をもった文字たちが、いつまでもそこにあってくれることを願ってやまない。