先日の十五夜、ひとりでベッドに転がってぼんやり本を読んでいるところへ、不意に母上から電話がかかってきた。
「月きれいだね。見てる?」
十五夜ってのは知ってたけど(おもに TL で)、時間的にわたしの部屋の窓からは月が見えないし、月なんかいつだってきれいなんだよ、とばかりに特に見ようとしていなかった。だけどママンからそんな電話きたら、見るしかないじゃん。
それで外に出てみたら、落っこちそうなほど大きくてまんまるの月が、眩しいくらいに煌々と光っていた。月なんかいつだってきれいだけど、なるほど中秋の名月たるその月はたしかにひときわきれいだった。
母の電話の用件はそれだけだった。そして、兄にも同様の電話をしていたことを後で知った。きっと弟にもしていたに違いない。
月がきれいですね。
それすなわち、I love you.
そしてすなわち、死んでもいいわ。