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九州(上半分)ツーリング #006 別府 – 小倉 – 門司

5/4(水)別府 – 小倉 – 門司 160.2km [Map]

いよいよ九州最終日。今日はもうフェリーの出る北九州の新門司港へ行くだけなので、朝はゆっくり起床。とはいえ、ホントに新門司に行くだけだと 100km そこそこしかない。船の出港は 19時、時間はたっぷりある。てことで、今回 iPhone にお株を奪われほとんど出番のなかったツーリングマップルを眺めて寄り道を考える。国東半島をくるっと回ってもいいんだけど、そうするとちょっと距離が伸びすぎるかなとおもい、見つけたのは北九州市にほど近いところにある平尾台というところ。ちょっとしたワインディングも楽しめそうだ。よし、そこに寄ろう。

別府を出て R10 で北上し、宇佐別府道路に入る。ここは高速無料化のエリアに入っており、せっかくなのでその恩恵にあずかることにする。ふたたび R10 に戻り、今度は椎田道路。ここも無料。県道にそれて、平尾台へ。

DSC_0583おう、なかなかいい眺めではないか。ここもカルストのようだ。ちいさい秋吉台といったかんじ。鍾乳洞もある。まあ秋芳洞行ったし、鍾乳洞はいっか、とここはスルー。天気がいいのでちょこちょこバイクを止めては写真を撮って遊んだ。しかし、なんか露出オーバー気味だなーとおもったら、なんとまあマニュアルになっていた。おいおい・・・。

山を降りればそこはもうすぐ小倉。なんだか無性にふっつーのパスタを食べたくなり、小倉なら都市だからふっつーのパスタ屋があるだろう、てことで小倉の市街地に向かうことにした。途中、ものすごい爆音のエンジン音が地響きのように鳴り響く。ランボルギーニとフェラーリであった。なぜかこの2台に挟まれてしまい、そのまましばらく走った。2台のスーパースポーツカーの間にあって、ホーネットのカムギア音なんかは猫の鳴き声にもならないのであった。ニャーン。

さて、小倉。小倉城にでも寄ろうかとおもったけど、地味に停める場所がない。まあいいや。ごはんたべよごはん。パスタパスタ。あ、プロントあるじゃん。安上がりでいいや。で、小海老のトマトクリーム。ああ、ふつうにウマい。ふつうでたいへんよろしい。わたしは今まさにこれを求めていた。さらにごはんの後、和菓子屋で柏餅チェック。しかし、小倉にはみそあんはない模様。小倉だけに。

DSC_0689さて、小倉まで来てしまえばもう新門司なんてのは目と鼻の先。フェリーターミナルには17時くらいまでに着けばいい。あまりにも早過ぎる。てことで、なんかねーべか、と地図を眺める。おや? 足立公園なんてものがあるではないか。九州にあって、足立! 足立ナンバーとしてはぜひこれ訪れなければならんだろう、という謎の使命感により行き先決定。たどりついてみれば、あら、なかなか雰囲気のいい公園じゃない。バイクを置いてしばし散歩。いいヒマつぶしになった。

そんなことをしている間に、山陰を旅してきた友人から連絡が入る。新門司港で落ち合う予定なのだが、彼は今壇ノ浦PAだという。ちょっと早いけど、フェリーターミナルに向かってしまうことにする。

R0014540そして新門司港。オーシャン東九フェリーターミナルにて無事に CBR と合流。時間があまりにも早過ぎるかと思われたが、バイクを置いて散歩がてら歩いてコンビニに食料の買出しやら竜宮城*1 に会社へのお土産を買いに行ったりしているうちに、じきに乗船の時間となった。

2等客室。雑魚寝である。今回は1人ではなかったので、女性部屋ではなかった。べつに構わないんだけど、隣にきたオッサンがちょっと強烈系で、うん、とにかく寝相は悪いわイビキは轟音だわでけっこうアレなかんじ。向こう側の隣の人は耐えかねて部屋を替えてもらったようだ。わたしはまあ、実害はなかったのでよかったけど、いやまあイビキは・・・他の人もかいてたしね。オッサンルームだから仕方ない。

5/5(木)新門司港 – 東京港

R00145751日船の上。途中、徳島県の津田港に寄港。ここからは去年と同じ道程となる。徳島までは船はそんなに揺れず、今回は船酔い大丈夫だろうとおもったら、徳島からはかなり揺れた。暇つぶしに文庫本を持ってきていたが、酔うことが目に見えているので断念。あ、あと船内でチョコモナカジャンボを発見して歓喜した。海の上のチョコモナカジャンボは、また格別であった。

隣のオッサンが、おもむろに小さなギター?ウクレレ?のようなものを取り出し、少々遠慮がちにぽろぽろと弾き始めた。この人もバイク乗りのはずなんだけど、これ背負ってツーリングしてたのかな・・・。流し? 他の人の目を(なぜかわたしが)気にしつつ、でも誰も文句を言うでもなく、ホッ。彼の演奏を聞くともなく聞いていると、Stairway to Heaven が。うおおおツェッペリン。わたしのテンションが上がったところで彼はギターをしまい、風呂へと出かけていった。

5/6(金) 13.9km

20110506055148_DMC-GF1朝 5:30 東京港到着。着岸してから下船するまで、すこし時間がかかる。6時頃にようやく下船。首都高で横浜方面へ帰りゆく友人と別れ、20分ほどで帰宅。朝の都内は空いていてよろしい。家の前ではネコ助が出迎えてくれた。一週間も放置してごめんね。ただいま。

というわけで、念願の九州(上半分だけだけど)ツーリングは、時折雨に降られはしたものの、事故も違反も立ちゴケもなく、無事に幕を閉じた。今回行きのフェリーが取れなかったことで宮崎・鹿児島は回れなかったんだけど、そのかわりに山口を走ることができたし、各地で友人たちに会えたおかげでたいへん楽しい旅となった。現地で歓待してくれた友人の皆様、道中ここや Twitter などで絡んでくれた皆様、そして34時間の船旅を共にした友人氏、ほんとにありがとう。

今後は高速の割引がなくなることもあいまって、なかなかこれまでのような思い切った遠出ができなくなるような気はしている。それでもわたしは旅に出る。全国制覇はもうすぐだ。→ぷちともの経県値(2011年5月現在)

総走行距離:2081.2km [Map]
写真:GRD 44/603, D80 21/481, iPhone 6/38 ( GF1 1 ) [Flickr]

*1 阪九フェリーの建物。竜宮城のような外観からそのように呼ばれているらしい。

九州(上半分)ツーリング #001 東京 – 大阪
九州(上半分)ツーリング #002 大阪 – 山口
九州(上半分)ツーリング #003 山口 – 福岡 – 唐津
九州(上半分)ツーリング #004 唐津 – 長崎 – 熊本
九州(上半分)ツーリング #005 熊本 – 阿蘇 – 別府

九州(上半分)ツーリング #005 熊本 – 阿蘇 – 別府

5/3(火)熊本 – 阿蘇 – 別府 295.3km [Map]

この日、予報がイマイチであった。午後から雨が降りやすくなる、というので、ならば雨の降らないうちになるべく走りまわってしまおう。カッパを着込み、7時前にホテルを出発。雨が降るからカッパを着るんじゃない、寒いから着るのだ。

R0014458阿蘇へ向かうには R57 を走っていけばいいのだが、走りたい道があるのですこし遠回り。R387 で菊池経由で r12 阿蘇スカイライン。道の左側には牧場が広がり、牛馬がたくさんみえる。天気はイマイチだけど、それでもすごく気持ちがいい。阿蘇を走るために九州まで来たといっても過言ではない。頼むから雨よ降らないで・・・!

DSC_0404そして大観峰。ツーリングマップル曰く、「多くのライダーが訪れる絶景の休憩所 ここに来ずして阿蘇は語れない!」だそうだ。駐車場にはバイクがたくさん。他県ナンバーもたくさん。

阿蘇の山頂方面へ向かってさらに走る。R212 から阿蘇パノラマライン。山頂にはロープウェイがあるんだけど、これに乗ったりしているといつ雨が降ってくるかわからないので断念。途中ちょこちょこバイクを止めては写真を撮り、ああこの雄大なかんじがじぇんじぇん伝わらないよと嘆き、空模様を心配しつつ、阿蘇を駆け抜ける。でも、ほんとうに気持ちいいのだ。

いったん阿蘇山を下り、寄り道。これまたどこで見たのか忘れてしまったけど、わたくし的「日本全国行きたいとこリスト」入りしていた、白水ダム。正式名称を白水溜池堰堤という。アプローチはなかなか難しいらしく、R325 から r8 に入り、しばらく走って r695 、そしてさらに細い道に入る。小さな看板を見落とさないように田舎道を走り(行き方はここに詳しい)、迷うことなく無事に到着。駐車場は最近できたものらしく、そこだけやけにきれいだ。バイクを置いて、歩く。

R001447210分ほど歩いてようやく姿を見せたそのダムは、まさに「日本で一番美しいダム」の呼び声に相応しいダムであった。流れる水のラインは光琳の描く水の流れを彷彿とさせまいか! 湖面に湛えた水が反射して美しい。上から、下から、右から、左から、ああでもないこうでもないと執拗に撮る。いやもう、ほんとここまできてよかった。

いいもん見たなーとおもいつつ、再びバイクに跨る。そして、再び阿蘇方面へ。まだ走りたい道が残っているのだ。本当は、ちょっと遠回りして竹田経由で行く予定だった。姫だるま工房にも立ち寄りたかったし、竹田あたりでお昼ごはんをと思っていた。しかし、とにかく空模様が怪しい。というか、すでに時折ポツポツと降り始めている。とにかく早く駆け巡ってしまおう。ごはん食べてる場合じゃない。

DSC_0499R57 で阿蘇方面へ、そして r11 に入り、やまなみハイウェイ。九重連山を望みながら走る道だが、雨だからか黄砂なのかわからないがよく見えない。ぽつりぽつりと落ちてきた雨は次第に強くなっていく。ああ、待って待って、おねがいだからこれ以上降らないで・・・。

わたしの切実な祈りもむなしく、湯布院のあたりでは雨はかなり本降りになっていた。本当はこの日の宿は由布院にとりたかった。いきたい旅館があった。しかし、リッパな旅館なのでお値段もリッパだし、そもそもこういうちゃんとした旅館は一人では宿泊できないのだ。なので、その外観だけ、もっといえば看板だけでもカメラに収めたい。ちょうど r11 沿いで通り道だ。行ける。

しかし、青看板に騙されてしまった。湯布院を目指していたら、r11 をそれてしまったのだ。しかも、湯布院の市街地はすさまじい大渋滞。バイクでもすり抜けるのがやっと。その上この雨だ。ああ、御宿 たまゆら、行きたかった。しかし、この雨と大渋滞の中を捜し回る気力はわたしにはなかった。いい、いい、いつかきっと、連れと一緒に泊まってやるさ。そうして泣く泣く湯布院を通過したのであった。

R0014502市街地を抜けると渋滞はあっさり終了。しかし、雨はあいかわらず容赦なく降りしきる。r11 に戻り山道に入ると、左手には由布岳が聳えていた。

DSC_0577そして本日の目的地・別府に到着。街じゅうが湯けむりにつつまれている。このあたりでちょうど雨が止んでくれたので、いったん宿に行き、バイクを置いてから徒歩で市内をうろつく。またしても降ってきた雨の中、けっこうな距離を歩いた。時間的に地獄めぐりをする余裕はなかったものの、まあ宿にも温泉はあるからいいや。

足湯などに浸かりつつ、ひとしきりうろついた後、事前に友人に教えてもらった茶屋で夜ごはんをいただくことにした。結局お昼は食べるタイミングを逸してしまったので、かなりハラペコである。

R0014527大分県の郷土料理であるだんご汁定食をいただく。だんごっていうか、ちょうぶっというどんっていうか、細長いすいとんっていうか、ああ、ほうとうにも似てるね、とにかくそんなのが入った豚汁ってかんじ。とてもおいしかった。それからやせうま(写真中央)。だんご汁のだんごとおなじ物体にきな粉と砂糖がまぶされている。学校給食にも出てくる大分では定番のおやつだそうだ。

ぶらぶら歩いて宿に戻る。途中コンビニでチョコモナカジャンボの誘惑に負けそうになるが、ここはグッと我慢した。宿に戻って温泉にゆっくり浸かる。雨に濡れた後ということもあって、身体の芯からあたたまるようでほんとうに気持よかった。

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九州(上半分)ツーリング #004 唐津 – 長崎 – 熊本

5/2(月)唐津 – 長崎 – 熊本 245.0km [Map]

佐賀県を赤く染めたものの、ほんとに寝ただけであまり佐賀を堪能していない。名護屋のほうに行ってみたい気もしたけど、この日は熊本で人に会う約束があるので時間的余裕がない。同じ理由で平戸にも行けなかったのだが、こちらも行ってみたかったな。まあ欲張ってもしかたないので、とにかく出発である。

R0014274R204 で伊万里、佐世保とどんどん走る。伊万里といえば焼物、でもバイクじゃ積んでいけないし、佐世保ってーと佐世保バーガーだけど、お昼にはまだ早い。通過。西海橋という橋のところに駐車場があったので、バイクを止めてしばし休憩。道を挟んで両側に海が広がる。入り組んだ地形がワクワクする。

いったん国道をそれて山をこえ、西彼杵半島の向こう側に出る。そして海沿いの R202 を走って長崎へ向かう。

R0014304バイクを置いて、すこしばかり長崎の街を歩く。九州は高校の修学旅行で来ており、ここ長崎にも来ているはずなんだけど、記憶がかなり曖昧である。できればゆっくり散歩したいけれど、そうもいかないのでとりあえずピンポイントで大浦天主堂に来てみた。記憶の乏しい修学旅行だけど、ここはわりと覚えていたのだ。西坂の丘で殉教した26聖人に捧げられた、木造ゴシック造りの日本最古の現存する教会である。白い壁に水色の屋根が美しい。

R0014311さてもうお昼にいい時間。なんで長崎に寄ったかって、もちろん長崎チャンポンを食べるためである。新地中華街でチャンポンをいただく。皿うどんも食べたかったけど、さすがにひとりでは無理なのでグッと我慢。なんか東京で食べるよりもあっさりしていた気がする。おいしかった。

チャンポンを食べて満足したので長崎よさようなら。熊本へのフェリーが出ている島原へ向かう。その途中に聳えるのは、20年前(うおおおおもう20年前になってしまうのか!)の火砕流で多大な人的被害をもたらした、雲仙岳である。

DSC_0316おそらく雲仙をのぼるメインルートは R57 になるんだろうけど、すこしばかり遠回りになるためショートカット。r210 から R389 に入ってのぼるルートを取る。r210 は麓のところはきれいな県道だけど、ある瞬間突如険道の様相を呈する。しかしわたしはこういう雰囲気の道は大好きなのだ。他の車はほとんどおらず、まあ走りにくいのは走りにくいけど楽しかった。そして R389 に入り2車線復活、眼前に雲仙を見据えてまっすぐにのぼっていく。

R0014327国道から仁田峠循環道路に入る。元は有料道路だったのが、無料解放された道である。入口で 100円程度の協力金を募っていた。途中の展望台からは雲仙ロープウェイが運行されており、見晴らしはすごくいいんだけど、晴れているにもかかわらずどうも空気が霞んでよく見えない。これが黄砂なのか・・・。

雲仙を下り、島原へ。そしてフェリーで熊本へ渡る。島原と熊本を結ぶフェリーには2つあって、ひとつは熊本フェリー、こちらは高速船なので所要時間30分。着いた時間によって今回わたしが乗ったのは九商フェリー、1時間の船旅である。カモメに見送られつつ、友人と連絡を取り合いつつ、バイクですか? と話しかけてきたオジサンと談笑しつつ、熊本港に到着。

R0014385友人との待ち合わせの前に急いで熊本城へ。白い大阪城も見てきたけど、黒い熊本城はやはりかっこいい。加藤清正の築いた石垣は美しく、天守からの眺めは、やはり黄砂で霞んでいた。大小天守とおなじくらい、宇土櫓も執拗に撮った。城マニアの影響にちがいない。ちょっと唐突に感じるほどに新しい建物は、3年前に復元が完了した本丸御殿。絢爛豪華な襖絵や天井絵は圧巻。

そして熊本の繁華街へ移動。やっと見つけた駐輪場にバイクを置き、友人と合流。旦那さんも交えて3人でまずはラーメンを食べにいく。自分でリクエストしておいてなんだけど、そういえば昼はチャンポンだったのだ。まあいいんだけど。

IMG_1170熊本ラーメンはニンニクたっぷりのコテコテが定番だそうで、餃子と豚まんも分けあいつつおいしくいただいた。やっぱ数人で食べに来るといろいろ食べられていいなぁ。妊婦である友人は塩分を摂りすぎるのがあまりよくないらしく、ラーメン断ちをしていたそうで、ああラーメンおいしい~と、よろこんでいた。

R0014448それから旦那さんがやっているバーへ移動。オープン前にお店を開けてもらって、貸切でまったり。わたしはバイクだったし、彼女も妊婦なのでお酒が飲めないのがなんとも残念ではあったけど、それでもコーヒーもリンゴ酢トニックもとてもおいしかった。

話は尽きることなくあっという間に時間は過ぎる。しかし友人は出産を一週間後に控えている身重のからだ、わたしも明日はなるべく早めに出発したい。てことで、秋に東京で会う約束をしてこの日は解散。遠い熊本の地で会えたことに心から感謝。

ちなみに彼女は予定日よりすこし遅れて昨日、無事女の子を出産。メールで送られてきた写真を見るにつけ、つい一週間前にいまにも出てきそうな大きなお腹を見ていただけに、すごく感慨深いものがあった。ほんとに会えてよかったな。ありがとう、そしておめでとう。すこやかに、すくすく育ってね。

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九州(上半分)ツーリング #003 山口 – 福岡 – 唐津

5/1(日)山口 – 福岡 – 唐津 317.6km [Map]

朝起きて、窓の外を見る。雨はまだ降っている。ただ、雨雲レーダーを見るともう少しで抜けそうなのだ。秋吉台は昨日も行けたしゆっくりめの出発でもいいかな、ということで雨が止むのを待つ。降ったりやんだりを繰り返しているうちに8時を過ぎ、止んでいるのを見計らってそろそろ出るかなぁと身支度をはじめる。

駐輪場の屋根の下で荷造りしていると、またしても雨が落ちてきた。走っている間に降ってきてしまうならもうあきらめもつくのだが、すでに降っている中走りだすのはものすごく躊躇われるものだ。ぐずぐずしているうちに9時を回ってしまう。いいかげん出なきゃ。雨が弱まったところで出発。

DSC_0269ホテルを出て30分ほどで、この日もやってきた秋吉台。止んだかと思われた雨はふたたび降りだしてしまい、せっかくのカルストロードでカメラを出すのも億劫になってしまう。ああ、晴れた秋吉台を走りたかったなぁ。もう少しすれば止んでくれるんだろうけど・・・とおもいつつ駆け抜ける。

そのまま長門へ抜け、海沿いの R191 を走らせながら次に向かうのは角島。ここも以前からずっと来てみたかった場所だ。このあたりまでくると雨はすっかり上がり、路面も乾いてきた。

R0014212海士ヶ瀬公園で角島大橋を望む。海が青い! ああ、空が青かったらどんなに気持よかっただろう。写真を撮っていると、横浜ナンバーのソロのライダーに写真を頼まれる。で、わたしも撮ってくれるというので、最初いやわたしはいいですって言ったんだけど、まあ1枚くらいあってもいいかな、てことでお願いした。この旅唯一の自分の写真だ。

橋を渡って角島へ。ざっくり駆け巡って、再び海士ヶ瀬公園に戻ってくる。わかめソフトとかね、話のネタ的には食べたほうがいいんだろうけど、わたしソフトクリーム好きじゃないし。ま、こーゆうのは片山さんにお願いしておこう(内輪ネタ失礼)。雲が薄く切れ始め、青空が見えるまではいかないものの日差しがチラチラと差すようになってきた。もうだいじょうぶだろう。ここでカッパを脱ぐ。

再び R191 を行く。山口県の左端をまっすぐに南下する。そして、下関。朝出るのがかなり遅くなったわりには、悪天候のせいもあって途中の寄り道が少なかったため、ほぼ当初の予定通りお昼時に唐戸市場に到着することが出来た。市場周辺は大渋滞していたが、わりとすんなりと駐輪場(らしき場所)にバイクを置くことができた。

R00142185年前に来たときはお盆休みで、市場は閑散としていて中の食堂でごはんを食べたのだった。しかし今日は人で溢れ、市場は活気に満ちている。わたしも人の波に飲み込まれつつ、あれこれ目移りしながらお寿司とふぐの唐揚げを買い込み、海辺で食べた。うん、ウマい!

唐戸市場を出て、下関ICへ向かう。いよいよ九州上陸である。関門橋を渡って・・・のつもりが、ぼんやりしていたら入口に入りそびれ、トンネルで渡ることになってしまった。ああう、しかも ETC 使えないのか、100円て、あわあわ。まあとにかくそんなんで、東京を出て3日目にしてようやく九州上陸を果たしたのであった。

遅くなったら高速を使ってしまおうかとも考えていたのだが、まあ時間もあるのでちんたら R3 で行くことにした。途中、国道をそれ、志免町というところへ寄り道。ここに、不思議な建物があるのだ。

R0014228旧志免鉱業所竪坑櫓というのがその建物の名称である。どこで最初に見たのか忘れてしまったけど、コリャあこの目で見ておきたいなぁとおもったのだ。何気ない住宅街?にある公園の中に、それは突然あった。横の広場ではソーラン節だかなんだかを練習する地元の団体、グラウンドでは子供のサッカーチームが試合をしている。そんな中に、突然あるのだ。残念ながらまわりはフェンスで囲まれ近寄ることはできないのだが、その存在感は不思議なものだった。夜はライトアップされるのかな。ちょっと見てみたかった。

そしてそのまま博多の市街地へ。博多に行くなら、もつ鍋食べたいよねぇ。でも、ひとりでもつ鍋ってないよねぇ。てかああいうのって大抵2人前からなんだよねぇ。うーむ。で、「もつ鍋 ひとり」とかでググッてみる。すると、出てくるではないかw これはもうおひとりさまレベル向上させてしまうしかないだろう。

R0014252そのお店は博多の繁華街にあった。オープンは18時からのようで、あと10分ほどある。まわりをウロウロしつつ、オープンを待つ。18時を少し過ぎてお店に入ると、カウンターにはすでに1組のカップルが入っていた。もつ鍋のシメによくラーメンを入れるけど、あれ死ぬほどウマいのね。このお店はそのラーメンをメインに食べさせるかんじ。1人前といってもけっこうしっかり鍋で出てくるので、うおお、食べきれるかな、とおもったけど、そこは食いしん坊のわたくし、杞憂であった。あっさり完食。いやー、おいしい。ひとりもつ鍋専門店にもかかわらずカップルがいたのでどうしようかとおもったけど(2人でもそれぞれひとつずつ鍋が用意される)、その後入ってくるのはちゃんとおひとり様ばかりだった。スーツ姿のサラリーマン、やけにおしゃべりなオッサン、アキバ系っぽい若者、などなど。あ、男ばっか(笑)。このお店、東京にもできないかなぁ。近所にできたら通いたいわー。元祖博多麺もつ屋

もつ鍋を堪能し、本日の宿泊地・唐津へ向かう。海沿いの R202 はすごく景色が良さそうだったけど、すでに日が暮れてしまって真っ暗。何も見えない。虹ノ松原なんかも雰囲気はよさそうだったけど、暗闇の中なのであった。

R0014258もうすぐ今日の宿に着こうかというところで、ライトアップされた唐津城が目に入ってきた。せっかくなのでちょっと寄り道。駐車場で地元のオジサンに話しかけられ、「東京から来たのか! このへんはなんもないだろ~」と笑う。いや、まあ、その、城があるじゃないか城がッ! そこにッ!! ・・・でその城にのぼってみたら、工事中だった。

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九州(上半分)ツーリング #002 大阪 – 山口

4/30(土)大阪 – 山口 515.6km [Map]

移動日2日目。この日は山口まで走る。前日の東京-大阪に比べれば若干距離は短いものの、それでも 500km 近くを走ることになる。ともかく出発。阪神高速から名神、中国道、山陽道。山口に向かうのだから中国道でもよかったんだけど、なんとなく山陽道にしてみた。しかしおもえば山陽道は前も走ってるから中国道で行けばよかったかな、などと後でおもう。まあいっか。

R0014047福山SAで給油、宮島SAでお昼ごはん。そういや米を食べてないな、ということで穴子丼を食す。広島支部のみなさまをおもいつつ広島を通過し、あっというまに山口。山陽道、渋滞しているかとおもいきやほとんどしていなかったのだ。コリャ早過ぎるな、ってんで、ならば翌日行くつもりだった秋吉台、行ってしまおうではないか。

山口JCTから中国道に入る。急に行くことにしたので、高速下りたら地図を確認しようとおもっていたら、美祢東JCTの料金所を出たところに緑看板で秋吉台の文字。何やら新しい道ができているようだ。開通したばかりのぴかぴかの小郡萩道路をびゅんびゅん進むと、あっという間に秋吉台IC。そして山道に入っていく。

DSC_0249突如視界が開け、そしてあのカルストの風景が目に飛び込んでくる。過去2回ほど車で連れてきてもらったことがあるにもかかわらず、うわああああと言ってしまう。声に出して。免許をとった時からいつかかならずバイクで来ようと決めていた場所。道じたいはわりとすぐにおわってしまうんだけど、思い入れのある場所だけに感動もひとしおであった。

R0014143まだ時間があるので、秋芳洞に行ってみる。日本最大規模だという鍾乳洞、ここは入ったことがなかった。秋芳洞には出入口が3箇所あって、わたしはその真ん中の入口にやってきたらしい。エレベータを降りて外に出ると、そこは暗く広い空間。空気はヒンヤリと冷たい。左右に 300m と 700m つづく洞窟の中、バカみたいに写真を撮りまくった。

秋芳洞を出ると、なぜか路面が濡れている。おや? とおもってあわててバイクのところへ行くと、ホネたん、濡れているではないか。ちょ、なんで雨降ってんの・・・。げんなりしつつ身支度を整えていると、また雨が降ってくる。しかたなくカッパを着こみ、もう少しカルストロードを堪能してから山口市内に移動しようとおもっていたのだが、諦めてそのままホテルへ向かうことにした。

夕方、市内のホテルにチェックイン。ぐしょぐしょに濡れたグローブを乾かしたりしているところへ、友人からメールが入っていることに気づく。夜飲みに行けるぞ、とのこと。仕事が忙しいようなので無理だとおもっていたのでよろこぶ。もういつぶりだか忘れてしまうくらいかなり久しぶりに会ったので、積もる話(?)もしつつ、地元情報もいただきつつ、城の話もしつつ(笑)、おいしく楽しい夜であった。忙しいとこ&土砂降りの雨の中、ありがとうございました。

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九州(上半分)ツーリング #001 東京 – 大阪

今年の5月の連休は比較的日の並びがよく、ちょっとズルすれば7連休を勝ち取ることができる。この機を逃したらもういついけるかわからない、九州ツーリング。ずいぶん前から計画を練っていた(てか妄想してた)のだが、大阪~宮崎のフェリーが確保できず(てか忘れてた)、こりゃもうダメかと半ば諦めかけていた。しかし、唐突に気づく。なんのことはない、船がなければ自ら走って行けばいいのだ。そのための2つの車輪ではあるまいか。残念ながら宮崎と鹿児島まで回りきれないのだが、この際大分県と佐賀県に宿泊できればもうそれでいい*1。とにかく行こう、いざ九州。

4/29(金)東京 – 大阪 533.7km [Map]

九州までの道のりは約 1000km 、さすがにイッキに走り切る気力はない。友人も歓待してくれるとのことなので、1日目はおよその中間地点大阪まで。朝5時前に家を出る。ようやく明るくなろうかという時間。用賀から東名をひた走る。

IMG_1134連休の初日、言うまでもなく渋滞。浜名湖SAで給油、給油渋滞までできている。伊勢湾岸道そして東名阪道に入り、御在所SAで昼ごはん。名古屋が近いということで、味噌煮込みうどんをいただく。固めのめんでおいしかった。ここまできてしまえばあと少し、14時前に新名神 豊中ICを下り、市内の中心地へと向かう。

R0014020神経すり減らしつつがんばってすり抜けた甲斐あってかなくてかオウテカ思いの外早く着いたので、前回行きそびれた大阪城に行ってみることにした。大阪城公園はなかなかに気持ちいい公園。のんびり散歩していたら天守にのぼる時間がなくなってしまったけれど、そのスケールはこの目で実感。場内は10万人(!)を収容できる大きさだという。大阪城の天守は2度焼失していて現在の天守は3代目なんだけど、豊臣時代・徳川時代のいずれの天守よりも長命なんだそうだ(城マニア情報)。

いったんホテルにチェックインしてバイクを置き、急いで待ち合わせのアップルストア心斎橋へ。前日に iPad 2 と iPhone のホワイトモデルが発売されたばかりとあって、店内はなかなかに混雑している。白カワイイじゃん、いやでもわたしは黒がいいし、ケース赤くして赤黒ホネたんカラーにするし、iPad なんぞ用途ないしいらないし、とかブツクサ言いつつ、無事に友人と合流。

IMG_1141地下鉄で扇町へ移動して、やはり大阪ではこれでしょう、お好み焼き。今回もたいへんおいしくいただいた。うん、ビールがウマい! さらに、お好み焼きの後はレトロな雰囲気の素敵な紅茶専門店で、いちごのショートケーキと紅茶をいただく。ああ、至福。大阪の甘い夜、ありがとうございました。

IMG_1146ホテルへ戻る途中、コンビニでチョコモナカジャンボの姉妹品、近畿・北陸・東海地方限定のバニラモナカジャンボを発見。ちょいとこれはおさえておかねばなるまい。さっきケーキを食べたばかりだけど気にしない。しかしそれは、ただのチョコなしチョコモナカジャンボのようであった。バニラ的な何かが入っているのかもしれないけど、よくわからない。正直イマイチであった。

*1 地図を赤く染めるプロジェクトによる

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伊豆ツーリング

地震の影響で友人の結婚式が延期になってしまったので、日帰りだけど先週行けなかった伊豆に行くことにした。おもえば今年最初のツーリングである。

朝8時の西湘 PA。3月も末だというのに冬のような寒さであるにもかかわらず、バイクの数はそれなりに多い。風は冷たいけれど、日差しはやはり春のそれだ。

R0013588西湘バイパスを抜け R135 で伊東方面へ向かう。伊東の道の駅で休憩した後 r109 にそれて、目指すは城ヶ崎海岸。海がひたすら青くてきれいなところだった。勝手にマイナーな場所だとおもいこんでいたんだけど、人も多くてわりと観光地然としていた。ネコがいっぱいいた。

R0013605すこし走らせて伊豆高原。温泉に入ってやろうでないの。と、その前に蕎麦屋で少し早めの昼ごはん。桜えびのかき揚げがとてもおいしかった。その後「高原の湯」でゆっくり温泉に浸かる。林の中に点在する露天風呂に入っていると、リスが姿を見せた。さっきも見かけたんだけど、ふつうのリスより大きめサイズ。台湾リスというらしい。

ふたたび走る。通行料上限200円が今月いっぱいで終了する伊豆スカイライン。その前に走っておきたかったのだ。やっぱりたのしい。今日はまだ車も少なめできもちよく走れた。まあ、前を行く CBR には一瞬で点にされたけど(笑)。

R0013613伊豆スカの途中、韮山峠あたりの駐車場でバイクを止めると、何やら白いものが舞っているようにみえる。・・・雪!? たしかに雪だ。走っていると、だんだん本降りになってくる。おいおいまじかい。雪て。てか午前中あんだけ晴れてたのに。なんなのもう。

箱根新道を抜け、小田厚、東名。途中パラパラとにわか雨に降られもしたが、大したこともなく帰還。今年初のツーリングは、雪に見舞われるというハプニング付きで無事に幕を閉じた。あ、あとガソリンめっちゃ高くて参った。ま、ともあれ今年もまたあちこち走りにいきたいな。

総走行距離:320.8km [Map]
写真:GRD 6/88, iPhone 0/3 [Flickr]

志賀草津道路、毛無峠など

今年はよく走りにいってるけど、群馬方面に行ってない。志賀草津道路が冬期閉鎖になる前に行っておこうか。ついでに毛無峠も行ってみたい。

というわけで、榛名湖から R145 → R292 と走って白根山方面へ。草津白根レストハウスで休憩するも、湯釜などはけっこう歩くので今回はスルー。

DSC_8769志賀草津道路は写欲との闘いである。そういえば前に走った時はホネたんぶっ壊れてて友達の後ろにのっけてもらってタンデムで行ったんだっけ。人が運転してる後ろで好き放題撮ってたなぁ。自分で走ってても、もうどこもかしこも景色が素晴らしくていちいち止まりたくなっちゃってホント進まない。いかん。

渋峠でお約束の日本国道最高地点の記念撮影などして、志賀高原の手前で r66 に入る。狭いグネグネ道をつないで r112 で毛無峠へ。

DSC_8817毛無峠。ここはいったいどこですかみたいな空間。スゴすぎてもう。道はとぎれてその先はダート。オフ車であのダートの先にぶっ込んでみたいなぁ。ちょうどお昼なので、毛無峠の景観をオカズに母上が持たせてくれたおにぎりを頬張る。ウマい。節約。

草津方面へ戻る。上の方はところどころ雪があったりして、上信スカイラインあたりでは日陰になってるとこなんかその雪が凍結してて、もうちょう慎重に通ったけどすんごい怖かった。こんどから夏に行くことにしよう。

その後は適当に上信越道にのってぴゅーっと帰ってくる予定だったんだけど、「妙ちくりん食べたい!」とおもってしまったのが運の尽き。伊勢崎まで下道を走るんだけど、行きと同じ道はヤダ、ってんで違うルートにしようとしたらなんか間違えて、再びやってきてしまった吾妻渓谷のあたりは紅葉渋滞気味で、でも去年の八ッ場ダムのあのT字型の橋桁が完成してつながっててちょっと感動して、高崎の市街地は混んでるし、ウロウロしてやっとこさ妙ちくりん到着したのはもう16時半過ぎ。あぁ、帰りがけ早稲田祭チラ見しようとおもってたのにもう間に合わないな・・・。本庄児玉ICから関越、渋滞、ヘロヘロ。

さて帰宅して写真を iPhoto に読み込んでみたらば、なんだか今日の写真はどれもおんなじような画である。走ってるときのあの感じって、どうやっても写真に納められないんだよなぁ。
R0010312-R0010317
ま、そんなわけで今日は前半はよかったけど後半かなりグダグダなツーリングだったw それでもそんなの吹き飛ぶくらいに、ウマいなぁ、妙ちくりんは。あー、さっきいっこ食べたんだけど、もいっこ食べちゃおうかな・・・。

総走行距離:478.8km [Map]
写真:GRD 6/89, D80 6/104, iPhone 0/26 [Flickr]

福島・米沢ツーリング [後編]

10/24(日)米沢 – 東京 348.4km [Map]

朝5時起床。外を見ると、まだ天気は大丈夫そうだ。出かける準備を整えて、ふたたび外を見やるとすごい朝焼け。慌てて荷物をまとめてチェックアウトし、ホテル横は川の土手になっているのでそこへ上がってみるも、もうだいぶ色が落ち着いてしまった。朝焼けは雨の兆し。今日はサクサク進もうと心に決め、6時にホテル出発。

DSC_8622r2 西吾妻スカイバレーで白布峠へと南下する。ここも紅葉が見事だ。朝早いので車もおらず、たいへん快適に走ることができた。でも、またしても写欲がフツフツと湧き上がり、サクサク進むはずがどうも遅々として進まない。写真はどこかの展望台からの眺望。

DSC_8647そのまま r2 で桧原湖のほとりを走る。なかなか雰囲気よさそうなので、適当なパーキングにバイクを停めて少し散歩することにした。

裏磐梯には湖沼がたくさんあって、探勝路も整備されている。中瀬沼から磐梯山を望む。朝っぱらから三脚バズーカのオジサンが数人いた。この辺りは標高も低いのか、紅葉は色づきはじめでこれからといったかんじ。冬とか雪が降ったらまたきれいだろうなぁ。

R459 に出て、磐梯山ゴールドライン。ここはもう止まらないぞ、と心に決めてサクサク進む。R49 に出ればもう会津若松だ。途中、2年前に福島に来たときにも見た観音像が視界に入ってきてニヤリ。今回は会津は完全スルーで、R118 でそのまま南下する。

DSC_8684会津から少し走ってやってきたのは塔のへつり。少し前に友人が行っていたのを見て行きたいとこリスト入りしていた。着いてみると、意外とメジャーっぽい(?)観光地でちょっとびっくり。河食地形の特異例として国の天然記念物に指定されているそうで、侵食と風化で形成された不思議な断崖がおもしろい。

R289 に出て進路を東に取る。そのまま行けば白河ICだが、まだ高速にはのらない。r290 に入って那須高原へ向かう。この那須の道もたいへん気持ちいいワインディング、那須湯本温泉の中心部まで来ると車が増えたけど楽しかった。温泉街もいい雰囲気で寄りたかったけど、またの機会にすることにしてお目当てのとある旅館へ。

R0010260ちょっと迷いつつもなんとかたどりついた國弘やしき。なんでここに来たかったかって、まあ、わかる人にはわかる話。外観が意外としょぼかったけど、テニスコートがあったり、チラッと見た感じ離れとかはリッパぽかった。日帰り入浴でもできればなぁとおもったけど、いずれちゃんと泊まりに来るからよしとする。

ちょうど昼なのでここらでごはんを食べよう。那須高原の中心部、道沿いには何やら美味しそうなお店が立ち並ぶ。たいへん心ひかれるけれど、道の駅でサクッと済ませることにする。ところがレストランは人が溢れ、40分待ちとの案内。うーん残念。もう高速にのってどこか SA で食べればいっか。

那須ICから東北道。わりと車多めだったけどまだ渋滞もなく順調。佐野SAに寄ろうかともおもったけど、いいや、蓮田まで行ってしまえ。

R001026614時前に蓮田SA到着。フードコートをぐるりとまわるも、これ!っていうものがなくて、結局ミニメンチ丼というソースカツ丼のメンチバージョンみたいなのにした。本来は蕎麦とかとセットで頼むみたいなんだけど単品で。このミニ丼がたいへんちょうどよくて腹八分、なんかその味よりも絶妙な量にやけに満足した。いやふつうにおいしかったけど。

浦和ICで下りて、15時過ぎに無事帰宅。こけたとき土に埋まったのでホネたん泥だらけ。掃除したりオイル差したりミラーのクルクルを直したりと作業していると、じきに雨が降ってきた。早めに家に着いていてよかった。

というわけで、突発的遠出終了。走った道はどれもとても楽しくて、食べたごはんはおいしくて、ああもうちょっと近ければ通うのに!といったかんじ。大型連休フルに使って遠出するのも楽しいけど、土日で1泊ってのも適度でいいな。これから本格的に冬モードに以降していくわけだけど、その前に秋を満喫できてよかった。

総走行距離:723.2km [Map]
写真:GRD 10/260, D80 15/365, iPhone 1/47 [Flickr]
福島・米沢ツーリング [前編]

福島・米沢ツーリング [前編]

10/23(土)東京 – 米沢 374.9km [Map]

ツーリングマップル東北を買ってしまった時点で、もう心は決まっていたのかもしれない。磐梯吾妻スカイラインを走りたい、というのはけっこう前からあったのだが、福島でも北の方なので日帰りするには少し遠い。泊まりになると宿代によってとたんに出費が跳ね上がるので躊躇していたのだが、もはや逸る気持ちを抑えることができない。どうせ泊まりになるなら、米沢で一泊すれば山形県を赤く染められる*1。今年は遠出は5月の福井だけだったし、天気もよさそう、やっぱり行きたい、うん、行こう。お金は、まあ、なんとかなるだろう。

所用で前日に実家入りしており、5時くらいに実家を出発。浦和ICまでは30分強くらいで着いた。東北道はやや交通量が多いものの渋滞するほどではないが、朝なのとスピードが出ていることもあって冬装備してきたけどけっこう寒い。東北だいじょうぶだろうか・・・。とかおもいつつ、7時過ぎに那須高原SA到着、休憩と軽く朝食。妹のパウンドケーキを頬張る(これのために実家帰ってたw)。ウマい。そして再び東北道、白河あたりから霧がすごくて、前が見えないほどではないにしてもシールドは水滴で濡れてしまう。ちょっとやだなぁとおもっていたけど、郡山を過ぎたあたりで晴れてくれたのでホッとした。二本松ICで高速を下りる。

DSC_8325二本松から R459 、r30 、そしてさっそく磐梯吾妻スカイライン。わたしはこの道をブルジョワ認定している。だって通行料すごい高いんだもの。それでもどうしても走ってみたかったのは、荒涼たる火山地帯の景観。寂寞とした雰囲気は秋にこそ、という勝手な思い込みでこの時期を待ったけど、紅葉の名所でもあるらしく、車も多い。そろそろ盛りは終わりにさしかかっているかんじだけど、見事な紅葉だった。ついついバイクを停めて写真を撮りたくなってしまう。おなじことしてる練馬ナンバーの FZ のオニーちゃんがいて何度も遭遇したw 天気がいいので気温も上がって、心配していた寒さはまったくなかった。

DSC_8350レストハウスなんかもある浄土平の駐車場。ここ、有料。おいおい、あんな高い通行料とっといてさらに駐車料金とるんかいな!ふざけんなスルー! とかおもったけど、遊歩道もあるみたいだし、せっかく来たし、しょうがないから止まってやった。火山のちょっと上の方までのぼってみたり。見晴らしはいい。

DSC_8406とにかく広いので歩き出したらキリがないので、散策を適当に切り上げて再び走る。そしてついにきたこの風景! 火山ガスだから止まるなって書いてあったけどもうだめ、わたし写欲 MAX 撮らずにいられません。あぁ、1150円(二輪)払ったかいがあったってもんよ。すんごい久しぶりに持ってきた 10mm の超広角レンズが火を噴く。たまらん。

さてたいへん満足したので下っていく。また紅葉の風景に戻っていく。スカイラインと謳うだけあって視界が開けるとあんまり眺めがよろしいもんで、また写真撮りたくなっちゃって停まろうとしたらなんか縁石に突っ込んでコケましたよね。停止しようとしてたからほぼ立ちゴケだけど、ぶっちゃけ軽く事故ですよね。幸い倒れた先が土だったのでバイクもわたしもほぼ損傷なく済んだんだけど、ハンドル埋まっちゃってなかなか起こせない。経験上たいていこういう時って誰かしら助けにきてくれるんだけど、誰もきてくれない。ひとりで悪戦苦闘しているとようやくライダーが助けにきてくれた。やはりこういう時はバイク乗り同士だねぇ。あれ、ていうかこの人さっきから何度も遭遇してた FZ の人じゃんw これは恋の予感か!? とおもったけど、べつに恋は芽生えませんでした。いつものことです。ハイ。

そんなこんなで磐梯吾妻スカイラインを後にする。わたしが出るとき、料金所手前の県道では大渋滞が発生していた。早めに着いて本当によかった。そして米沢に向かう。r70 からフルーツライン、そして R13 で米沢。

R0010043ちょうどお昼時にあって米沢。米沢といったらまずは米沢牛、これを食べなきゃ始まんない。というワケでいただく。貧乏なので安めな定食を、てことでステーキ重。こういうのってもしかしたら米沢牛じゃないかもしんないけどそこはあえて確認しない、米沢牛だとおもえば米沢牛なのだw たいへん美味しかった。あぁ、幸せ。

R0010053お腹を満たしたので、米沢市内をウロウロしましょう。まずは上杉神社。米沢城址の中にあって、上杉謙信を祀っている。奥の拝殿なんかはけっこう風情のある神社だった。「元気な赤ちゃんが生まれますように」みたいな絵馬がやけに目についたんだけど、ちょうどそこへ友人から妊娠報告のメールが。なんだこのシンクロはw

米沢は上杉家の城下町だったこともあって、武家屋敷なんかも残っているようだ。ちょっと探してみたんだけど、なんだかよくわからなくて結局あきらめた。

DSC_8480いったんホテルにチェックインして、バイクを置いて徒歩で市内をぶらぶらとおさんぽカメラ。JR米沢駅はかわいらしい駅舎だった。駅前には米沢牛のお店がいっぱい。日がだいぶ短くなっていて、すでに夕方の日差しになっている。川べりの長閑なかんじがなんか気に入った。

ぶらぶらしているうちにすっかり日が暮れてしまった。満月がすごく大きくてきれいだ。こういう地方都市ってのは夜が早いということを過去の経験から学んでいるので、ごはんを食べておきたい。

R0010174中心部から少し離れてしまっているんだけど、ラーメン屋があったので入る。細打ち縮れ麺とあっさりとした醤油味のスープ、これぞ正統派の米沢ラーメン。美味しかった。しかも安い(笑)。たいへん満足である。

ふたたび歩いてホテルに戻り、明日の作戦を立てる。天気予報を見ると、雨の予報が前倒しになって明日の遅い時間には降りだしてしまいそうだ。早めに出て早めに帰ろう。というわけで、風呂入ってとっとと寝る。

福島・米沢ツーリング [後編]

*1 経県マップのこと。本ツーリングを含む 2010年10月現在の経県値は177点