川越ランデヴー

先日のレイ・ハラカミとユザーンのライブで聞いた「川越ランデヴー」は、川越にあるごぼう屋のことを歌った楽曲である。エッセイのような語り口で、きんぴらに特化した牛蒡専門店とその店主のおじいさんとの何気ないやりとりが、ハラカミの音とユザーンのタブラのリズムにのせて描かれる。このごぼう屋が、なんと実在するというではないか。コリャ行かねばなるまい。本日のちんまり隊は、この「斉藤牛蒡店」を訪れ、ゴボウを買い、きんぴらを作って食べようではないか、の旅である。

東武東上線川越市駅に集合し、まずは小江戸と呼ばれる川越をお散歩。蔵造りの古い街並みは、たくさんの人で賑わっている。人もすごく多いしわりと車が頻繁に通るのでなかなかじっくり写真を撮るというかんじでもなく、目についたお店をのぞきつつぶらぶら歩く。

R0014655「まちかん」という刃物屋さんに入る。店内ではご主人と思しき男性や若い青年が包丁を研いでいる。砥石について質問すると、とても丁寧にこたえてくれた。石にはロマンがあるのだ。わかるなぁ。そして、その研いだ包丁の切れ味を試させてもらえることに。

R0014640これが、すんごい体験であった。わたしが普段家で使っている包丁はなんなんでしょうか、ていう。試し切りに用意された大根に刃をあて、スッと引く。その感触たるや、今まで味わったことのない、なんともいえないものなのだ。スッ。恍惚。切り方というのは大事なもので、スッと引いて切った切り口と、トン、と上から押すように切った切り口ではその触った感触がまるでちがうのだ。滑らかな切り口に、おもわず声を上げてしまう。すごい。7つもの工程を経て研がれた包丁そのものも、端正で美しい。いやもう、なんだか深い感動を味わった。刃物スゴい。

さらにぶらぶら。ちょっと路地を入ったところに、なんとも魅力的な縁側があるではないか。見れば無料休憩所とあって、そこに座る人々はかなり寛いでいる。よし、われらちんまり隊も休憩させていただこう。

F3000806寄り添うように生えたたけのこに大いに食いつき撮りまくる。さらに庭の奥にいくと、ニャンコが数匹いるではないか。和服を着た家主らしき男性にネコたちの説明を聞くなどし、のんびり眠るニャンコを撮りまくった。とてもかわいいニャンコたちであった。

菓子屋横町でちょこっと買い食いをし、ちいさなカフェちっくなところで喉を潤し、いよいよ本日の目的地である斉藤牛蒡店へ。しかし、ふと不安がよぎる。お店は不定休。今日は日曜日、観光客相手のお店ともおもえないし、もしかしたら休みかもしれない・・・。

R0014841しかしそれは杞憂であった。路地を曲がったその場所に、朱い幟がはためくのが見えた時、ふたりはおもわず歓声をあげた。「きんぴら」と書かれた幟と、おなじく暖簾。曲中で描かれるように、店頭にはショーケースが4つ並んでいる。ちんまり隊はその前で記念撮影をし、200円のきんぴら用の切ごぼうとにんじんのセットを手に取り店内へ。

R0014866店内はこぢんまりとしており、奥のほうには YouTube で見た映像とおなじ作業場の光景。そして、優しい物腰のおじいさんが現れる。代金を払うと、お店の隅にハラカミとユザーンの載った雑誌が置いてあることに気付く。おじいさんにファンなのですか? と問われ、そうだと答えると、どこから来たの? 遠くからありがとう、と、ごぼう茶をオマケしてくれた。しばし会話しつつ、一緒に記念撮影させていただく。とても優しくて素敵なおじいさんであった。ちんまり隊がお店にいる間、普通に地元の人がごぼうやきんぴらを買いに来ていた。斉藤牛蒡店は、まさにきんぴらに特化したごぼう専門店であった。いつまでもそこに佇んでいてほしいものだ。

ふたたび歩き、珈琲店でお茶をし、そして(実家に)帰宅。川越ランデヴーの主人公がそうしたように、わたしも母上に「これできんぴら作って」とお願いする。曲中では母親に「あんたこんな皮剥いて切ってあるごぼうなんか買ってきてどうするの。香りも何もかも飛んじゃってるわよきっと。だいたい今うちにごぼういっぱいあるのよ。自分できんぴらでもなんでも勝手に作りなさい」と叱られていたが、我が母はべつに叱りはしないだろうとおもっていた。しかし、真空パックされた切ごぼうを差し出すと、「何これ、だめだよこんなの」と言う。やはりこういう加工されたものには抵抗があるのだろうか。気持ちはわからんでもないのだが、「まあそう言わずに、おねがい」と頼み、とにかく作ってもらった。

そして夕食の食卓に上ったきんぴら。たいへんおいしゅうございました。
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川越ランデヴー」への1件のフィードバック

  1. by ritsuw at

    街勘の包丁、ペティナイフを家で使ってるけどいいよ~。
    料理好きなら、こう言うの1本持ってても悪くない。
    普通の包丁が数本買える値段だけど、一生もの。

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