前週に白川郷のライトアップを見にいった友人が、「今シーズンもう1回行けたら一緒にいく?」と誘ってくれた。うぎゃあああああいくいくいくいくにきまってる。以前岐阜ツーリングしたとき、白川郷までは足を伸ばせなかったし、雪景色の合掌造りを見てみたかったけどわたし普通車運転できないし、もう願ってもないチャンス。ちょっと2月は予定が盛りだくさんで日程合うかどうかドキドキもんだったんだけど、なんとか調整できたので強行スケジュールで敢行。
金曜夜。表参道で写真展を見た後東横線で移動し、21時半くらいに横浜で拾ってもらう。16号から八王子に出て中央道を行く。ハンドルは友人の超絶ステキングな旦那さん(以下ちょんまげさん)が握り、車中では運転する気のない女二人が飲み始める。ウィスキーにチョコレートって、殺人的組み合わせ。ウマすぎて死ぬ。ポロショコラ最高。
飲んだり寝落ちしたりしているうちに、高速は塩尻北IC(だったような気がする)で下り、ここからは R158 で峠越えとなる。いや、どういうルートで行くのかなーとは思ってたんだけど・・・真冬だよ? 雪ボンボコ降ってるんだよ? そりゃアンタ地図上で見たらそれが近道には違いないけど、安房峠超えてくの? まじ??
まじでした。ここ、夏にバイクで走ったことあるけど、まさか雪の中疾走する日が来るとは。夜中の雪の峠道をかなりのハイペースで駆け抜けていく。もう1人連れてくとしたら車増やすって言ってたんだけど、これ四駆じゃないと無理だし、後部座席から見てるぶんには楽しいけど運転手はかなり慣れていないと厳しいとおもう。てかちょんまげさんのペースについてけないってw
高山からは再び高速にのる。東海北陸道で富山方面に北上し、白川郷ICを下りればそこはもう白川郷。朝4時前である。道の駅白川郷でしばし休憩し、展望台に行ってみることに。モコモコの雪の中を突き進んでいくと、合掌造り集落を見渡せる場所に出る。もちろんまだ暗いんだけど、集落の中を除雪車が動きまわって作業しているのが見える。この展望台の駐車場で仮眠をとる。
日が昇って明るくなると、いっせいに人が出てきて除雪作業をはじめる。展望台の駐車場も除雪が入るので、追い出される。辺りをぐるぐるしていると、とにかく雪がすごくて普通車では雪に埋まってしまうほど。スキーで湯沢にはよく行くんだけど、雪国といっても湯沢とは全然ちがう景色だ。朝ごはんを食べたりガソリンを入れたりしているうちに、町の駐車場が開いて車を停める。一番乗りであった。
朝、まだ観光客のいない合掌造り集落を歩く。明け方かなりの勢いで降っていた雪は弱まり、写真を撮るにもいいかんじ。ただ、とにかく雪がすごいので普通の靴では歩きづらい。いちおう溝の深いブーツを履いて行ったけど、友人夫妻は前週の教訓からスパイクベルト(こういうの)をつけている。現地で購入できるようなんだけど、まだお店は開いていない。と、そこへ、神様からのプレゼントがw 片方だけでも踏ん張りがきくから全然違う。俄然歩きやすくなって元気にウロつく。後にもう片方もプレゼントされ、もう完璧。雪道にスパイクは必須だ。
10時を過ぎるとお店などが開き、観光客も一気に増えて活気が増す。晴れて気温もぐんぐん上がり、道路の雪が解けてしまうほどだ。お土産屋に入ってはつまみ食いをし、屋台では買い食いをする。飛騨牛のコロッケ、五平餅、豆腐田楽、甘酒。どれもとてもおいしかった。お昼は山菜そばを食べたんだけど、うん、ここは店選び失敗したかなw でもまあそれもまた旅。
そしてどぶろく。わたしこの手のにごり酒って苦手なんだけど、流れ的に呑まなければいけないらしい(笑)。まあ話の種にと地酒屋の立ち呑み処で飲んでみる。辛口らしいけど、わりとまろやかだし飲みやすい。はじめのうちは美味しく飲んでるんだけど、後半だんだんしんどくなってくる。酔いはしないんだけど、しんどい。飲んだ後はひたすら甘いものをつまんでいた。
どぶろくにヤラレている間に、集落を見下ろせる城山展望台への道の除雪が完了したので、歩いて登っていく。道路の雪は溶けていたので歩きやすかったけど、前週はすごい雪でそこらじゅうで人が滑りまくっていたらしい。その状態だと30分くらいかかるらしいけど、半分くらいの時間で展望台に辿り着いた。
朝来たときは深い雪に埋もれていてその中を突き進んで行ったけど、きれいに除雪されており、三脚のカメラマンたちがたくさんいる。そしてよく見るあの風景。天気がいいのでよく見渡せる。
ライトアップのある日は、何時以降はマイカーは少し離れた駐車場に移動させなければならないとかいろいろあるんだけど、そのあたり前週にも来ている友人夫妻による完璧なスケジューリングと案内で、たいへんスムーズかつ効率良く白川郷を堪能することができた。わたしのためにロケハンしてくださったんですね、ありがとうございます(笑)。
さてここでお風呂タイム。白川郷にひとつだけある温泉でゆっくりあたたまる。シアワセこの上ない。そして温泉から上がれば、そろそろ日が落ちてくる時間。先ほどの展望台では、日の入りのマジックアワーから夜の白川郷を撮ろうというカメラマンたちがずらり並んで待機している。我々もそこに混ざるべく、再び展望台へのぼる。ちょんまげさんのご尽力により、うまいこと最前列を確保。ラッキー。
ところが、なかなか日が落ちない。ようやくライトが点き始めても、まだ辺りは明るい。それでもだいぶ気温が落ちてきているため、かなり寒い。縮こまりつつ、早く暗くなれーと念じる。その場にいた誰もがそう念じていたことだろう。
ようやく日が落ちる。そして、夜の白川郷。なんてきれい。三脚を使ってはいけないゾーンにいたので基本手持ち。85mm F1.8 でもかなり厳しい。ちょんまげさんのミニ三脚をちょこっと借りてみたり。ザ・白川郷。みたいなのも撮って、大いに満足である。
ひとしきり展望台からの眺望を堪能したら、今度は下りていって近くから攻める。ここからは GR 1本勝負。やはり暗いのでブレブレだけど、いやーほんとに楽しかった。久々にああいう感じ味わった気がする。ライトアップは点灯からものの2時間で終了してしまうんだけど、時間ギリギリまで堪能した。
ライトアップが終わり、あとは帰るのみ。ここで、駐車場に戻るシャトルバスに乗らなくてはならない。しかしものすごい人数なので、バス待ちの大行列ができている。これに並ばなければならないんだけど、んもう、これが、とにかく寒い。動き回っているならまだしも、じっとしているのでよけいに寒い。時折吹く風が文字通り身を切るように痛い。がたがた震えつつ、ようやくバスに乗り込んだのは20時過ぎ。再び雪が降り始め、勢いを増していた。
そして帰る。ネコが待っているから。女二人はまたもバーボンを呷り、下戸のちょんまげさんがひとりで運転する。いやもう本当にすみませんっていうかありがとうございますっていうか言葉になりません。途中で仮眠をとり、峠越えをし、もときた道を同じように戻る。わたしは寝落ち、爆睡、気づけば中央道諏訪SA。次に意識を取り戻したのは大月の手前。そして朝5時、我が家に到着。遠回りなのに本当にありがとうございます。ネコ助は出迎えてくれず、部屋に戻ったらベッドで寝ていた。
というわけで、冬の白川郷弾丸ツアーは無事に幕を閉じた。もうすっっごい楽しかった。友人夫妻には本当に本当に心の底から感謝。いずれバイクでも行ってみたいな。
写真:GRD3 14/247, D80 17/170, iPhone 3/20 [Flickr]