平井堅が、パソコン盗まれて慌てふためいたというニュースを見たのはいつ頃だっただろうか。あの時私は、自分の PowerBook が盗まれたりしたら泣くだろうと思った。マシンの中のデータって、自分にとってはほんとに priceless な財産だから。
でも今回、実際に PowerBook を失ってみて、まあ当然号泣したわけだけど、なんで泣いたかってそれは中のデータを思ってではなかった。いや確かにデータも重要だけど、データはバックアップがある。じゃあなんで泣いたかって、私の PowerBook そのものを思ってだった。
一昨年の12月。命削ってバイトしてためたお金で自分にクリスマスプレゼントって、はじめて my Mac を自分で買った。ハワイにも連れてった。パリにも連れてった。ブログ書いて、そんでブログでいろんな人と出会って、やりとりして、リンゴ祭でみんなで盛り上がった。大好きな友達とメールの応酬した、偶然メッセがつながった、Skype で見知らぬ外国人さんと恋バナした、時にはディスプレイ透かしてみたりもした。いろんな便利アプリとかおもしろアプリとか入れて遊んだり、ショートカットとかマウスジェスチャとか細かく設定してやったり、ディレクトリ細かくわけて整理整頓してやって、RSS リーダにもいっぱい登録して、アキバの薄暗いメモリ屋さんでメモリ買ってきて1.5GBに増設してやって、調子悪い時はメンテしてやって、あーん汚れてきちゃったようとかさ、キーボードがはげてきたなあとかさ・・・
もうね、ただの機械じゃないんだよ、Mac って。Gackt も言ってたけど、ペットのような、恋人のような、家族のようなもの。そうなの。PowerBook は PowerBook だよたしかに。アップルストア行けばいくらでも売ってるさ。でも私がこの1年3ヶ月ともに過ごしてきた PowerBook はあの PowerBook ただひとつ。だからいくら中身だけあっても、やっぱりそれに代わるものなんてないんだよ。そんぐらい思い入れが強いものなんだなって、失ってみて改めて実感した。妹は「ヲタだからだよw」って言うけど、やっぱ大事。私が所有していたモノで、いちばん思い入れが強くて大切なものだったのかもしれない。 iPodも同じ。今、なくしちゃったからじゃあ新しいの買おうとか全然思わない。まあ今の 5G iPod のクリックホイールと液晶のバランスが好きじゃないてのもあるんだけど。白黒画面がいいもん。ぽてっとした形がかわいいんだもん。新しいの出るたびそりゃ欲しくなるけど、やっぱ自分のがいちばんだって思うんだもんね。うん。まあとにかく、そんだけ思い入れが強いってこと。
でもね、ほれ、TriPort だけは私の手元に(ってか頭に)残ったじゃん。これがね。きっとさ、またあの iPod とつながれる日が来るんだとおもうわけよ。いつも一緒にいた TriPort と iPod が、いつかきっとまた巡り会える日が来るんだと。たとえそれが何年先でも。うん。そう思いたい。
覚悟はできてるつもりではいるんだ。戻ってくることはないだろうって。でも、なんでだろ。なんか、ある日突然戻ってくるような気がしてならない。今、この手元にないのはすごく不自然なことで、ある瞬間、もとの自然な状態に戻るような。そんな気がしてならない。一時的に手元にないだけみたいな。
うーん。今どこにいるんだろ。雨風に晒されてなければいいんだけど。そうせめて屋根のある場所に。第三者の手に渡ってるなら、どうか大切にしてくれる人であってほしい。
ぱわぶくタン。
但教心似金鈿堅 天上人間會相見