陰影礼賛

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国立新美術館で開催中の陰影礼賛展に行ってきた。「かげ」をテーマに、絵画や写真、インスタレーションなど、幅広い時代と分野の作品を集めた展示。

展示を見始めてまず、陰影がテーマっていったって、絵画や写真において陰影のないものなんかないんじゃないかい、とかちょっとおもったんだけど、たしかに陰影が印象的なものが集められていた。なんとなく、写真作品のほうが絵画よりもより「陰影」を感じるものが多かったようにおもう。たぶん、絵画だと作家の意図でいくらでも制御できるからなのかなぁ、とかおもったり。写真だと、そこにある影をどう写し込むかになってくるから、より際立つのかな、とか。特に今回のようなテーマに沿って集められた作品ならなおさらに。モノクロ写真が多かったってのもあるかもしれないけど。写真のところの説明文に「写真のなかに写り込んでいるすべての事象のなかで、影や陰こそが、過去に存在していたという感覚をもっとも強く生じさせるものかもしれません。」との一節があって、たしかにそのとおりかもとおもった。

普通の展覧会にくらべて作品の幅がすごい広いのでおもしろかった。ところどころで平山郁夫、東山魁夷、徳岡神泉、横山大観といった日本画の大家の作品に不意打ちをくらったり、杉本博司やアンディ・ウォーホルとかも突如あったりして、ちょっと嬉しい。高松次郎という人の「影」という作品は、まさに「影」そのものを描いた作品で、あれ? これほんものの影? みたいなかんじでおもしろかった。

1Fの展示室ではゴッホ展がやっていたりして人がごった返していたけど、こちらは空いていてゆっくり楽しめた。

One thought on “陰影礼賛

  1. by hichako at

    これは見たかった!
    珍しいテーマでの企画展だから見逃すともう…….あぅ。

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