親の年収を知った(今はどうだかわからないけど)。そして愕然とした。我が家の世帯年収は、想像(したこともなかったけど)よりもはるかに多かった。金額だけ聞くと、まるで金持ちのようである。違う世界のできごとのようだ。
だけど我が家の暮らしは金持ちのイメージなんかまるでなくて、むしろ貧乏だとおもっていたし(幼少時、「ウチは貧乏なんだから」とよく言われたものだ)、じっさい倹しい暮らしをしていた。もちろん、使うべきところにはガツンと使っていたけれど(そこはきっちりわたしにも遺伝している)。それをおもうと、いったいどんだけ稼げば余裕の暮らしができるんだよ、と、すこし絶望するなどした。
親がいちばんお金をかけたもの。それは紛れもなく、4人の子供たちであった。今まで、漠然とはわかっていたつもりであまり意識してこなかったけど、自分で生活するようになって、子供4人を大学にやるのがどれだけ大変なことなのかを痛いほどに実感する。なのにその4人は誰も彼もうだつがあがらなくて、親が甘いのをいいことにそれに甘えまくって、もう30も目前だというのにちっとも自立していなくて、なんだかひどく申し訳ない気持ちになった。ひどく。
普通のサラリーマンなら退職しているであろう年齢である今でも、会社のため家族のため必死に働いている親。白髪が増えたというか、もうほとんど真っ白に近い。早いとこ楽させてあげたい。あげなければいけない。けど、このわたしもご多分に漏れずうだつがあがらない1人で、まったくもって、どうしようもない。どうにかしなきゃとおもってるだけじゃもうだめなのはよくわかってる。いいかげん後回しにもできなくなってきてる。動かなければなにもはじまらない。
わたしに何ができるだろうか。思考の迷宮の年頭。