月別アーカイブ: 2010年9月

AirTunes おかしい

スリープ明けにリモートスピーカーにつながらなくなる。もうずいぶん長いことこの症状に悩まされている。一度コンピュータにしてもっかいリモート選択すればつながるんだけど、毎回毎回なので地味にストレスフル。

iTunes をアップデートしても、AirMac ユーティリティをアップデートしても、Mac OS をアップデートしても、果ては Mac を買い替えても直らない。あとは AirMac Express を買い替えてみるくらいだけど、それ以外に不具合ないのにそれもばかばかしい。

花腐し

花腐しなんとなく松浦寿輝が読みたくなり、そういえば芥川賞とってるんだなぁとおもって、「花腐し」。にわか地上げ屋となった中年男が、その立ち退かない住人の男と酒を飲んでは、死んでしまった恋人や裏切られた友人といった過去の意識に引き戻される。こういう陰鬱な雰囲気は好きだ。雨の気配もその陰鬱さを増していていい。この人の小説って、現在と過去であるにしろ現実と仮想であるにしろその境があやふやなようなイメージなんだけど、切り取った時間が留まっているような、そんな感じがなんか好き。とにかく暗いけど、それもまたよし。

作中で「意識なんていうお化け」っていう一節がでてきた。人間なんてのは元はと言えば蛋白質の寄り集まりで、なんやかんやしてるうちに意識だとか心だとかいうお化けが生まれちゃった。お化け。本当にそう、お化けだよなぁ。ちょっとずれるけど、わたしは自分が死んで、もしまた自分という意識だとか存在があったらとおもうとぞっとする。べつにひどい苦労とか不幸を味わってるわけじゃない、むしろ日々楽しく過ごしてるけど、それでも人生なんてもうまっぴらごめんだな。

塵が寄り集まって、ほんの一瞬だけある形を作ったと。しかしそういう不自然なことは続かないからたちまちほどけて散ってゆく。その一瞬の形というのがあんたの人生の全体なのよ。何とも爽快じゃあないですか

DESIGN ふたつの時代

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招待券をいただいて、今日ちょうど銀座で用事があったので、ミキモトホールで開催されている DESIGN ふたつの時代 [60s vs 00s] に行ってきた。テーマは「戦後日本のデザインはどのように成立し、どこへと向かうのか?」だそうで、日本デザイン史の成長期・変革期に相当する1960年代・2000年代に絞って再考するというもの。ティスプレイ、グラフィック、クラフト、インテリア、インダストリアル、ジュエリー、パッケージ、サインといった各分野のデザインが60年代と00年代で対比するかたちで見られる。車なんかは60年代と本当に変わってるけど、キッコーマンのしょうゆの瓶なんか、1961年にデザインされたものがそのまんま現役だったりするからすごい。展示の数もっと多くてもいいのに、とおもったけど、場所的にしかたないのかな。

やや風邪気味

ここんとこ急に涼しくなったもんだから、なんだか風邪気味。くしゃみと鼻水がわんさかでるんだけど、それ以上悪くもならず、よくもならず。いっそ熱でもガツンと出してすっきり治したいんだけど、ぐずぐずしているだけ。風邪も、思惑どおりにはいってくれないもんだのぅ。

多摩川のほとりで

警察の二輪安全運転講習に行ってきた。以前から行こう行こうとおもいつつ二の足を踏んでいたんだけど、最近バイク熱上がってることもありようやく初参加。朝のうち降っていた冷たい雨が上がるとすっかり晴れて、気温も上がっていい陽気に。

バランスは教習所でやったコースを難しくしたバージョンというかんじで、いやぁ難しい。最近友達のクラブにお邪魔させていただいたりして少し走ってはいたけどまだまだすぎる。なんだか上体もかたくなっちゃって、ぜんぜんダメダメだった。はぁ。スラローム走行もわりと必死w 「無理しなくていいよー」と言われてしまう。はい、無理しません。あーでも楽しかった。定期的に参加していこう。

しかしわたくし今日は「初級」クラスに参加したはずなのに、アンタらどっからどうみても初心者じゃねーだろみたいな人たちばっかであった・・・。あと白バイのオネーちゃんにちょっと圧倒されたw すごい強そう・・・。

シャガール展

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藝大美術館で開催中のシャガール展に行ってきた。ポンピドゥー・センターが所蔵する作品を集めている。シャガールってフランスのイメージ強いけど、ロシア生まれのユダヤ人なんだね。ロシア美術史と関連づけた展示になってる。

シャガールっつーとまぁ、アレだわな、動物お空飛んじゃってる系だわな。なんだけど、初期のほうなんかはゴーギャンみたいなタッチの風景画があったり、ゴッホみたいな室内の風景があったりでおもしろい。同時代の作家の作品もあって、カンディンスキーの一連の作品がよかったなぁ。あとプーニーの「コンポジション」シリーズ。ああいうの好き。立体のやつがおもしろかった。

個人的にいちばんテンション上がったのが、オペラ「魔笛」の舞台美術。ニューヨークのメトロポリタン歌劇場のこけら落としの公演、これの舞台美術をシャガールが手がけていたのね。この舞台衣装や舞台の背景画なんかのスケッチが展示されてるんだけど、かなり見応えたっぷり。すごいおもしろい。てかこんなスケッチからよく衣装作れるなみたいな(笑)。いやでもホントすごい。じっさいの舞台の写真が展示されてるんだけど、もうね、スゴすぎてわけわかんない(笑)。夜の女王が、パパゲーノが、パミーナが、背景から衣装から何から何までシャガールなのよ。スゴすぎて笑えるもの。あーおもしろかった。

あいぽんメール

iPhone のメール、i.softbank.jp のメールしか設定してなかったんだけど、Gmail と MobileMe も設定してみた。

Gmail はメインのメールアドレス。友達とのやりとりの他にもあらゆるウェブサービスの登録に使っていて、そーゆうウェブサービス系のお知らせとかその他諸々のお知らせなんかが全部 iPhone に流れてきたらウザいかなーとおもってやってなかったんだけど、せっかくできるしやってみた。そしたらカレンダーも Google Calendar と同期してくれるし、よろしいじゃないか。

MobileMe はぜんぜん使ってなくてアップルからのお知らせ専用アカウントみたいになっちゃってるけど、とりあえず入れてみた。MobileMe 、iPhone 買ったらきっと年間1万円ぶんフル活用するだろうとおもってたのに、意外とそうでもなくて、なんか悲しい。いちばんよく使ってた iDisk も最近あんまり出番ないしね。。

知らない人の車に乗った話

※長文注意
 要約:知らない人の車に乗って浜松まで行った

7年前の夏、静岡県の渚園でおこなわれた B’z のライブに行った。ライブがおわって帰ろうというとき、財布がないことに気づいた。同行した友人は、時間の都合で終演のすこし前に先に帰っていたため、1人だった。血の気が引いた。

受付みたいなところに財布が届いていないか聞くも、届いていない。これだけの人がいれば悪い人も中にはいるわけで、落としたのかもしれないし、盗まれたのかもしれない、出てこないだろう、みたいなことを言われる。帰りの切符も財布の中。携帯電話の充電はもうほとんどない。どうしよう、帰れない。おまわりさんてのはお金を貸してくれないものだそうで、結局イベンターの人が交通費にと 9000円を貸してくれた。帰ったら現金書留で送ってくれればいいから、と言っていたけど、今思えばよく貸してくれたもんだとおもう。

とりあえずイベンターの人が車で警察まで送ってくれて、遺失届などモロモロの手続きをする。終わった頃にはもう23時近かった気がする。警察からの最寄の駅はすぐのところにあるんだけど、何せ田舎の小さな駅。それにもう電車がないんじゃないのみたいな時間になっていた。そんな見知らぬちいさな田舎町に放り出されて、文字通り途方に暮れた。ああ、途方に暮れるってこういうことなんだな、という実感を噛み締めながら途方に暮れた。

国道に出ると、「浜松 ○○km」の青看板が目に止まった。浜松・・・。夜通し歩いてれば浜松くらいまで行くんじゃね? 浜松まで行けばなんとかなるんじゃね? という考えがわきおこる。そうなると俄然やる気が出てくる。そして真っ暗な夜の国道1号をひとり歩き出したのだった。

歩き始めて数分経った頃だろうか、浜名湖のほとりだった。1台の車が私の前に止まった。中から20代後半くらいのオニーちゃんが顔を出して、「どうしたの?」と声をかけてくれた。事情を説明すると、「もし君が僕を信用してくれるなら、浜松まで送ってあげるよ。嫌だったら断ってくれてかまわない。どうする?」と。信用するとかしないとか、そんなことどうでもいいくらいに救われた思いがした。

お言葉に甘えて車に乗せてもらった。明るいオニーちゃんだった。「こんな夜中に女の子がひとりで暗い国道を歩いててさー、何かあったにきまってるじゃん。目の前浜名湖でしょ? 自殺する人とかいるんだよ」と。B’z のライブだった、と言ったら「おお、B’z かぁ。俺も学生の頃よく聞いたなぁ。B’z の CD あるぞ、聞こうか」といってかけてくれた。Treasure だった。このときの「恋心」が妙に耳に残った。「なんならウチに泊めてあげてもいいんだけど、さすがにそれは無理だろうからねぇ。浜松行けば、ファミレスとかカラオケとか、とりあえず夜を明かせるとこはあるから。」優しいニーちゃんだった。聞けば仕事帰りだったそうで(ブ****ンの社員だと言っていた)、逆方向なのに、本当にありがたかった。

20分くらい走って浜松駅に着くと、「お、お仲間がいっぱいいるぞw」と。そこには同じく終電を逃し、宿も取れなかったらしき人々がわんさかいた。ちょっとホッとした。本当にありがとうございました、助かりました、とお礼を言って車を降りる。オニーちゃんは「気をつけてなー」といってもと来た道を戻っていった。わたしは始発待ちをしている人たちに混ざって浜松駅で夜を明かし、翌朝鈍行で東京に帰った。

名前も連絡先も聞かなかったし(聞こうとしたけどいいよいいよって遮られたような記憶、ちょっと定かでない忘れた)、もう顔もまったく覚えていないけど、夏の終わりに思い出す、知らない人の車に乗った話。