月別アーカイブ: 2009年2月

ほんものの雪

雪が降った
東京の雪は水気が多くてぼってりと大きい
そんな重たい雪を牡丹の花に見立てたのはとても美しいとおもう
朝のうちは雨に霙がまじるかんじで
昼前に霙が雪に変わった
会社の人が「おお、ほんものの雪になった」と言った
「ほんものの雪」ってなんかかわいいなとおもった
霙はにせものの雪なんかな
雪は再び雨に変わる
明日は晴れるかな

そうじなど

HDD の空きがまたしてもやばくなってきたので、またしても iPhoto の掃除などしている。iPhoto 立ち上がってると常に虹渦グルグル HDD ガリガリ。ストレスたまりまくりんぐるぐる。Safari 4 を入れるのもなんとなく躊躇。でも会社のウィンドウズマシンには入れてみた。サクサク動くしとてもよいかんじだけど、あともう一歩かゆいとこに手が届かないかんじなので、デフォルトブラウザにするまではいかなんだ。

街の音

AOKI takamasa が自身のブログで自分の家から友人の家までの道のりを録音したものを公開してて、おもしろそうなのでわたしも昨日、自分の家からシアターコクーンまでの道のりを GRD で撮ってみた。やーおもしろい。街ってほんとにいろんな音であふれてる。

わたしの家付近は下町で、人通りも少ない道を歩いているのでカツカツというわたしのヒールの音が延々響くんだけど、時々車が通ったり、ワンコが吠えたり、大通りで信号待ちになるとたくさんの車の音がしたり。駅に近づくと次第に音が多くなっていって、駅や電車の中はアナウンスや発車のベルで絶えず音が鳴っている。

メモリがいっぱいになっちゃうので浜松町で一旦切って、渋谷に着くところから再び撮りはじめる。渋谷はうるさい街だ。喧噪というのがぴったり。人の波の音、どこかのスピーカーから流れてくる雑多な音楽、誰かの話し声、車の音、しゃべる信号、白バイのサイレン。109 あたりを過ぎ、文化村に近づくにつれてすこし静かになってくる。渋谷って、道一本違うだけでチャラチャラした若者の街になったり、ラブホ街になったり、アート的になったり、閑静な高級住宅街になったり、くるくる表情を変えるんだけど、そーゆうのも音に見て取れるから、おもしろいなーとおもった。

NODA・MAP「パイパー」

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NODA・MAP「パイパー」を観にシアターコクーンにやってきた。
開演 3時間前だけど、既に当日券を求める人々の列ができとります。
楽しみ。

* * *

舞台は地球人が火星に移り住みはじめてから 900年後の火星。地球からの支援が途絶え食料は乏しく、荒廃の一途をたどっている。そこに住むフォボス・ダイモス姉妹(宮沢りえ・松たか子)とその父ワタナベ(橋爪功)。ワタナベのもとへやってきた若い女マトリョーシカ(佐藤江梨子)と彼女の 8歳の息子キム(大倉孝二)を交え、「死者のおはじき」と呼ばれる記憶装置で火星の過去を掘り起こしながら舞台は進んでいく。900年前、地球人が火星に移り住み始めた時は、人間を幸福にするための存在だった「パイパー」と呼ばれる生物?機械?人間?。パイパー値なるもので人々の幸福は数値化され、その数値の変動に一喜一憂する。

人の幸福なんて数値で測れるのか?
暴力・争いがなければそれで幸せか?
何を食べていいのかいけないのか?
極限状態で人が人である境界はあるのか?
滅亡していく世界で子孫を残す意味はあるのか?
伝えたいことだけ伝えるー歴史の改竄?
いろんなことを問いかけてくる。

過去をたどりながら、ついには妹ダイモスが知らなかった姉フォボスと母の過去を見ることになる。クライマックスで母と4歳のフォボスが荒廃した火星を放浪する情景、この松たか子と宮沢りえの掛け合いは鬼気迫るものがあった。おもわず涙が滲む。劇中に何度も繰り返された「希望も絶望も絵空事」。ラストには希望が現実のものとなりながらも、滅びゆく世界の中で再び繰り返されていく運命。

相変わらずの言葉遊びが重要な意味を帯びてくるかんじはたまらん。宮沢りえは妊娠 6ヶ月っておいおい大丈夫かいな、とおもわず心配してしまうほど迫力の演技。終始圧倒的な存在感を放っていた。今までもってた印象とえらい違った。松たか子は終盤母親役に切り替わってからがよかったなあ。強さ・逞しさが伝わってきた。個人的に橋爪功がなんかいいかんじだった。基本チャランポランなおっちゃんなんだけど、ここぞというとき醸し出す空気感はさすが。パイパーを演じるコンドルズもよかった。バレエでもコールド観るにはは2階席がいいのと同様、今回も2階席でよかったのかも、とかおもった。
音楽は主にクラシックの超有名曲を使っていた。あの場面でラフマニノフのピアノ協奏曲 2番とか、まあベタな気もするけど、でもやっぱ鳥肌いくら立てても足りないかんじ。

そういえばこの舞台に出てくる 3人の女性のうち 2人が妊娠したけど、唯一妊娠しなかった宮沢りえがいま妊娠 6ヶ月だってのもまたスゴい演出だなあとかおもった(笑)。あと、パイパーの腕が裂けちゃってる人もいたんだけど、あれはあーゆうもんなのか、それとも 2ヶ月の舞台で壊れてきちゃったのか、若干気になるところ(笑)。

素晴らしい舞台だった。もっかい観たいなぁ。

解体中の製鉄所に行ってみた

いやはや、二日連続で解体現場について書くことになろうとは。どうもこんばんは、作業着が汚いことで有名なぷちともです。

さて昨日のエントリにコメントいただきましてですね、千葉のとある製鉄所が絶賛解体中ってんで巷で(っていうかごく一部で?)話題になってることを知りましてですね、ちょうど天気よくてバイク乗りたいなーとおもってたとこでしてね、コリャもう行くしかないわけですよ。というワケで行ってきましたよ。

慢性的な渋滞に悩まされる千葉街道をひた走ること1時間ほど、蘇我駅西側交差点を右折するとその風景は目に飛び込んでくる。
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やばい、かなりアツい。

「関係者以外立ち入り禁止」となってるところでバイクを止める。巷で(っていうかごく一部で?)話題になっててどこかのブログでは「週末のレジャーにいかが?」なんて書かれちゃってるもんだからかどうかはわからねど、先客もいた。その人たちは撮り終えてちょうど帰っていくところだった。外人さんだったんだけど、車の中からすごい笑顔で手を振ってくれた(笑)。「工場萌え」は、日本の文化だろうか? その後は人の姿はなく、わたしひとりで観賞。

どうよこれ。グロテスクにすら感じられるほどのディテール。圧倒的な迫力。こんなもんが見られるなんて。ああ。ユンボの配置がまたよろしい。
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露になった高炉。ハァハァ。一昨年の夏に行った、足尾銅山の製鉄所を思い出した。
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せっかくなので我がシュトックハウゼン2号とからめてみる。エンジンとの対比にしたかったんだけど、今ひとつ成功してない。
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ひとしきり堪能した後、蘇我駅前あたりに移動。人もまばらな田舎町と、廃墟と化した工場の取り合わせ。ステキすぎる。
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で、せっかく千葉くんだりまでやってきたしおやじのお墓参りに行こうかなあとおもい、でも地図を持ってなかったので交番で地図見せてもらおうとおもったら広域の地図って置いてないらしく、しかたなく本屋の場所だけ聞いて立ち去ろうとしたら、おまわりさんに「いいカメラもってるねー! 何か撮りにきたの?」とか聞かれちゃって、「解体中の工場を撮りにきた」と答えるのもアレだしナニなので、ニッコリ笑って「ええ、ちょっと」と返事しておいた。たぶん正しい判断だったとおもう。w

いや本当に素晴らしいものを見させていただいた。こてつさんありがとう。製鉄所が完全に取り壊されるまでの期間限定のこの風景。工場萌えな方もそうでない方も、一見の価値ありです。

解体現場

いま、会社の前の家が建て替えするんで解体工事してる。いやー、なんだろね、解体現場って見てて飽きない。古い家がどんどん壊されていく様はふつうは物悲しい気分にさせるものなのかもしれないけど、なんかすごいシュールでおもしろいのさ。会社のみんなも「解体見てると飽きないよなー」とか言って見物。ギャラリーに囲まれつつ、ダイワハウスの人はせっせと壊してた。

インターホンの受話器とコードのクルクルがユンボの手の指にからまっちゃって、ずーっとなんかブラブラしながらぶっ壊してんの。んでなんか、ユンボが小さくて梁に手が届かなくて壊せないの。ユンボの腕ぴーんと伸びちゃって、届かないよーってやってんの。で職人さんたち「もうだめだろこれ、帰ろう」とか言ってんの。それ聞いてウチの会社の人たちは「どこの職人も言うこと同じだな、ふたことめには「帰ろう」だもんなww」とか言って笑ってんの。もう滑稽ですらあるその解体風景。ホント飽きない。屋根の落ちる瞬間を見届けたかったけど、急に仕事がたてこんできてたとこだったので泣く泣く仕事に戻ったけどさ。

羽田から飛び立っていく飛行機を延々眺めていられるのと同様、家が壊されていく風景も延々見ていられるなあとおもった。それに、こんだけ壊そうとおもって壊してんのになかなか壊れない、家ってよくできてるなあ、とか、そう考えると地震ってすごいなあ、とか、なんかいろいろおもった。

毎日1時間ごとに写真撮っとけばよかった、とすごくすごく後悔した。

みなさんもどうでしょうか。オススメです。
メッセでトラバでアフリエートよろしく。
お風呂はいるのでこの辺りで。オイオイ。
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