月別アーカイブ: 2006年8月

母校

1週間にわたってお送りしてまいりました「西へ」の連載も終ったというのにまた長文ですよよろしくどうぞ。今日は母校の話をします。とはいっても都の西北大学ではなく、高校です。

私が通っていた高校は、都内にある私立の女子校である。言わずと知れた名門・女子学院・・・ではなく、女子学院と名前が似ている超無名校である。時々その女子学院と勘違いされて、「すごい!超頭いいじゃん!」とか、「まじで!お嬢様じゃん!」とか言われるのだが、実に面映いというかかたはらいたしというか、「いや、その女子学院じゃないんだヨ…」と答えるのは非常にばつが悪い

今時そんなんありかよっていうくらいの校則の厳しさと制服のダサさで(いや、私はあれはあれでいいと思っているのだが)、決して頭のよろしい学校というわけではなく、大学への進学もいまひとつ。そんな学校に生徒が集まるはずもなく、生徒数は少子化の煽りを受けて年々減少の一途をたどり、ついに中学に至ってはわずか1学年1クラス、高校でもたった2クラスという惨憺たる状況である。空き教室だらけ、立派な温水プールも故障したまま修理もされず使われておらず、校舎に生徒の姿があまりない、なんともうら寂しい学校になってしまった。

しかしながら、私はこの学校が大好きだった。もちろん今も。というか、卒業してからもっともっと好きになった。生徒が少ないだけあって、先生方は実に親身になってくれる。すごく生徒のことをよく見ていてくれているのだ。周りの友達には刺激をもらったり癒されたり、くだらないことでゲタゲタ笑ったり一緒になって辛いこと苦しいことを乗り越えたり。いい影響をたくさん与えてもらった。この学校で出会った友達、先生、過ごした日々、得たもの、それは何者にも代え難く、今の私の中に生きている。

とまあありきたりなことを書いて終わるのではなく、ここからが本題。

ウチの学校は、毎日生徒が掃除をしている。よってすごくきれいなのだ。校舎は木を基調としたあたたかい雰囲気で、実に素晴らしい。てなワケで、かねてから母校を(つぶれてしまわないうちに)撮りに行きたいとおもっており、ちょいと時間ができたので行ってきた。

駅をおりると、当時とはだいぶ変わっていて、すごくきれいになっている。そういえばずっと工事していたっけ…。懐かしい学校までの道のりをぼんやり歩く。といっても駅から徒歩2分程度なのですぐに着いてしまうわけだが。

校舎は少し高くなった坂の上に立っている。毎日上り下りしたスロープを上がって行く。校門の前で足を止め、一礼する。当時は「規則」というかんじで行われていたわけだが、武道の人が道場とかに入るときにするのと同様、これは心からの「礼」ができてこそ意味があるものだよなと私はおもっていた。だから、しない人に風紀委員とかが無理矢理させようとしてもそんなの意味はないのになあと冷ややかな目で見ていたとかいないとか。

午後4時になろうかという時間、夏休み中で人っ子ひとりいない校庭は寂寥感で満ちていた。それでもやはり、この学校は美しい。そう思った。芙蓉の花が咲き誇っている。芙蓉は、この学校のシンボルである。

高揚理想女黌開 明正心姿婦道培
朝詠夕吟頌聖徳 芙蓉映旭緑風回

さて正面玄関を入り、事務の人に校舎内を撮影してもいいかと聞いてみる。ところが、なんと学校は4時までで、もう閉めてしまうとのこと。なんと。しかしここまできてあっさりひきさがるわけにはいかない。せめてあの木の校舎を少しだけでも撮りたい。通じたようで、じゃあ、5分だけ。ということで許可をもらい、速攻で階段を駆け上る。5分で撮れるわけないがな。

校舎中かけずり回り、懐かしさに浸る間もなくひたすらシャッターを切る。露出補正?そんなんしてる余裕ない。ちきしょう、教室に入れない。暗い、いくら何でも暗すぎる。でも人がいないから周りの目を気にせず這いつくばれるぜ。夏休み中だというのにホコリひとつ落ちていない、流石だよTJG 。

IMG_8110.JPGIMG_8104.JPGIMG_8102.JPG

あっと言う間にタイムリミット。ものの10分程度で校舎を後にしたのであった。あーーーーーー不完全燃焼。ぜったいリベンジしてやる!

ハーグ・ロンドン・東京

iChat
昨夜ついに実現、マスターヨータ@ハーグたいちうk@ロンドン・そしてワタクシぷちとも@東京(厳密には埼玉)という超リンゴ的スーパーマッシヴ・トライアングル。3人以上でのチャットてはじめてだったんだけど、すんげーーーーー楽しいでやんの!ていうかこの3人が!例によって Mac の前でひとり笑っていたら妹にヲタ呼ばわりされる。てことで記念うp。

キャプ画はパリスたんの CD コキ下ろしについて議論しているところであります。超真剣に議論しております。ほんとです。

西へ #006 倉敷・大阪

8/19(土) 倉敷 – 大阪 – 東京

今回の旅行最後の日の朝がきた。独房のような部屋を早々に辞して7:30、masumiさん と待ち合わせている倉敷駅へ。今回いろんな方とお会いするわけだが、唯一の女性である。スレンダーで背の高いスタイルのめちゃいい素敵な女性。朝わたしが美観地区をうろつくというのでわざわざ忙しいところ時間を作ってくださったのだ。感謝感激雨霰。

R0011448.JPG駅から歩いて阿智神社、そして美観地区をぶらぶら。白壁の町並みがとってもイイ。朝早いためまだお店も閉まっていたけど、雨はやみ、分厚い雲も晴れてきて青い空がみえるほどに。そうこうしているうちにますみさんは予定があったので家に戻る。ものの1時間ほどではあったものの、お会いできてよかった。

ますみさんと別れた後も、しばしあちこちぶらぶらしつつ駅へ向かい、いよいよ今回の旅最後の舞台、大阪へと向かう。

13時ちょっと前、大阪駅到着。大阪もはじめての場所である。大阪…大阪…心斎橋…てことで聖地巡礼と行きたかったのだが、住所を調べていなかったためわからず、時間もあまりなかったので断念。梅田とかそのへんの位置関係がよくわからず、あちこちウロウロしつつなんとか谷町線を発見、谷町六丁目へと移動。大阪にきていきなり谷町六丁目というマニアックぶり。それにはワケがあった。トマソンである。

Thomassonまさに超芸術。見事な無用階段。 covaemonさんに感謝。せっかくなので腰掛けておいた。

意味が分からんという方はこちらを読むとイイ。ただし、電車の中で読むのは禁物である。笑いをこらえられず、周りの失笑を買うハメになる。

20060829超芸術を堪能したところで匠さんとゆかいな仲間たち(失礼、美女2人である)と合流。とりあえずお茶。みなさま写真趣味の方たちなので、とりあえず撮る。ここはみんなコンデジだが、3人ともすぎょイ一眼レフを持っている。それはのちほど炸裂することになる。

takoyakiそして大阪といえばコレ、たこやき。しょうゆだしのたこやきというのを食べたかったのだが、「ありません」といわれ、しょぼん。しかたないのでネギポンのをいただく。文字通り山盛りのネギだが、とてもおいしかった。ソースよりこっちのが好きだな。

たこやきを食べているとババババババというシャッター連写の音が。うぐっ。撮られている!!Nikon D2Hで!! ヘンな顔がひきつってもっとヘンになる。だめだ、撮られるのはどうもだめだ。

Karahori cat - 2腹ごしらえもしたところで、空堀という町並みをウロウロ。4人で歩いてて、みんなして好き放題ばしばし撮りまくる。私も自然、シャッターを切る回数が増える。空堀の猫を撮りたいねということで猫を探して路地を行く。なかなかみつからなかったが、ようやく1匹発見。家猫のようだがやたらリラックスモード。もうひとりのカメラをもったオジサンもやってきて、実に5人に撮られまくっていた猫。最後にカメラ目線をいただく。THX!

さて谷町六丁目を後にし、いよいよ伊丹空港へ。これは匠さんのこの記事を見て、「行きたい!」とワタクシがワガママを申したことにより実現したものである。

R0011668.JPGヒコーキ!ヒコーキ!ヒコーキ近いよママー!!手を伸ばせば届くんじゃなかろうかという距離。てことでハシャぎまくる私。途中、夕立に見舞われるもへこたれず、GRD で撮りまくる。他のみなさまは一眼レフでばしばしやってる。楽しすぎた。あっという間に2時間過ぎ、飛行機の時間があるのでそろそろ行かねばならない…。うーん。もっと知識と技術磨いてまた来たい。

R0011713.JPGヒコーキ写真祭りが終わり、空港へ向かい、軽く食べてから搭乗口へ。20:20発の全日空で羽田へ飛ぶ。ものの50分で東京に到着。その間、寝るでもなく、この一週間のことを思い出していた。

ついに約一週間の旅が終わる。各地でたくさんの方にお会いし、語り、死ぬほどお世話になり、多大なご迷惑をおかけし、間違えまくり、そのおかげでいいものに巡り会い、撮りまくり、撮られまくり、音楽祭りし、日本再発見し、スーパーマッシヴな刺激をいっぱいもらって帰ってきた。こんな旅なかなかできないとおもう。最高だ。いくら「ありがとう」と言っても足りない気がするけれど、それでも言う。本当にありがとうございました。出会った全ての人に感謝。きっとまた、どこかで。

西へ #001 京都
西へ #002 鳥取
西へ #003 出雲・萩
西へ #004 下関
西へ #005 岩国・尾道

西へ #005 岩国・尾道

8/18(金) 岩国 – 尾道 – 倉敷

朝、ぱらぱらという雨の音がして目が覚めた。カーテンをそーっと開けて落胆、雨である。ここまで天気には恵まれ、昨日も曇ってはいたものの雨は降らなかったのに、山口最後の日にしてどしゃぶり。台風10号が接近しているのである。

しかし台風なんぞにへこたれず、出発。山口最後の日は岩国である。一昨年亡くなった祖父の故郷。もう親戚も誰もいなくなり、お墓も横浜に移しているため何もないけれど、ここで祖父は育ったんだなあとなんとなく思う。私の名字は関東圏では珍しいけれど、山口には多い。ルーツ・山口である。

Kintaikyo Bridge - 1さて道が混んでいたり雨がいったん止んだのにまた降ってきたりしたものの、とにかく岩国に到着。すさまじい雨ニモマケズ、とりあえず錦帯橋だ錦帯橋。連続したアーチ、うーむ美しい。空が青かったら…ということは言わないことにしておこう。言った気もするが。

台風などによりたびたび流失しているらしいこの錦帯橋、遠目からでも新しくなっているところがわかる。この日は接近する台風の雨に加え、サイレンがけたたましく鳴り響き、ダムが放水を始め、なかなかの緊迫感。 こんな錦帯橋もまた一興…ということにしておこう。

Kintaikyo Bridge - 2で、渡ってみる。木造なので雨の日は滑りやすいのでお足元にご注意。

橋の上から鵜飼いの舟が。青空だったら…ということは言わないことにしておこう。

時間や天候の都合上、岩国城は遠くから眺めてがまん。資料館なぞを見たりしつつ城下町をぶらぶら。相変わらず雨は激しい。そして電車の時間にあわせて岩国駅へ。3日間お世話になりまくったすてっぷにいさまとはここでお別れ。いくらお礼を言っても足りない気がして、なんだかしょんぼりしてしまった。にいさんはやはりお兄さまだった。また遊びにいきます。

さてめぐりにめぐった山口を後にして、久々に電車に乗り込み一路広島を目指す。宮島に寄るには時間がないのでああああと思いながらもスルー、広島でお好み焼きを食べて、時間あったら原爆ドームも見ておきたいよな…とおもっていたら、なんと、寝過ごした。昨夜ほとんど寝ていないため、電車に乗るや眠りに落ち、そのまま爆睡していたのである。まったくもって今回はそんなんばっかであるが、まあいい。尾道で下車、おさんぽ。雨は上がっていた。

Onomichi海沿いをぶらぶらしつつ、「そういえばおなかへった…」てことで近くのラーメン屋へ。尾道ラーメンである。見た目よりわりとあっさしていておいしかった。おなかも満たされたところで再び尾道をウロウロ。坂道を歩く、歩く。家の密集している路地を歩いていると、猫発見。猫を追いかけ回して戯れつつばしばし撮っていたら、また雨が降ってきた。それでもメゲずに坂道の路地をウロウロ。古いお寺や小学校、何かのお家元風な家屋もあったりして路地好きとしてはたまらない場所である。雨も強くなってきてだいぶ歩いたので、そろそろ行くか、ということで倉敷へ向かう。

倉敷に着く頃にはもう暗くなっており、倉敷は翌朝早めに出てぶらぶらしよう、ということでごはんを軽く食べてホテルへ。ホテルの場所を確認しようと倉敷駅で地図を見ていたら、変なオッサンに声をかけられる。「どこから?」「東京から」ってのは旅をしてるとよくある会話ではあるけども、それからどんどん話が発展していき、最近写真をはじめたのだがモデルをやってほしいとか言いはじめたので、逃げる。若い女性の写真が撮りたいとか宣っていたが、何もこんないかにも旅人ルックな上化粧ははげて雨で髪ぐしゃぐしゃで汗臭くて薄汚い女…ねえ。しかもおチビのおデブときた。相当な物好きなオッサンだったか、あるいは相当な作画意図があったに違いない。しかし、残念ながら私は写真を撮られるのは非常に苦手であり、ましてや見ず知らずの謎のオッサンに撮られるなどというのは無理な話である。なので、逃げた。わりとしつこかった。このときの私は翌日の大阪で写真を撮られまくることになるとは知る由もない。

翌日は各地でいろんな方と約束をしていたのであちこちとメールをしつつ、朝ぶらぶらするために早めに就寝。この旅行最後のホテルはまるで独房のような部屋で、前日が最高だっただけに辛かった。安さだけで選んではいけないと痛感した。

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ミッフィーのマグカップ

yotaさん@ねーでるらんと と taichiさん@ぐれーとぶりてん が何やら仲良さげに iChat とかしてるので、ワタクシも放置していた .mac アカウントでもって「仲間にいれrp」ということで昨夜 yotaさんとはじめまして iChat。何度「たいちゆーけーどこだ!」といっても彼は現れませんですた。近いうちにハーグ・ロンドン・東京というステキなトライアングルができあがるでしょう。

ミッフィーのマグには、ふかーいワケがあります。
miffy

西へ #004 下関

8/17(木) 下関 – 門司

7:30起床。朝ご飯をがっつり食べる。坂本龍馬も泊まったという老舗の旅館の前ですてっぷにいさんと待ち合わせ、いったんあにき家に寄って荷物を置いて出発。目指すは下関である。

Togyoanまずたどり着いたのは下関市東部に位置する東行庵。奇兵隊の本拠地だった場所で、高杉晋作や奇兵隊隊士たちが葬られている。晋作の愛妾おうのは彼の死後出家してそのお墓を守ったそうだ。晋作のお墓からちょこっと離れたところに彼女のお墓も。そして兵隊隊士たちの墓が並ぶ。すごく雰囲気のいい場所で、秋は紅葉がすごいらしい。今の季節もみどりできれいだけど、これが紅葉すると…ああ秋にも来てみたい。

高杉晋作の辞世の句「おもしろきこともなき世をおもしろく」って好き。

さてやたら気持ちいいので長居してしまった東行庵を出て、車を走らせ唐戸市場へ。そう、下関といえばふぐである。ふぐふぐと息巻いて来てみたところ、お盆休みだからなのか、残念ながら市場は休みの店が多かった。でも2階の食堂はちゃんと営業している。お昼時ということもあって行列していたが、ふぐのためだ、並ぶ。しばらく並んで席に着いたら、すぐに来た。ふぐふぐ!私はふぐ刺し定食、すてっぷにいさんはふぐの唐揚げ定食。ふぐのあの独特の歯ごたえがなんともウマい。皮もコリコリしてウマい。にいさんの唐揚げもひとくちふたくちいただく。ウマーイ!ああ幸せー。これで1000円ちょっとだったと思うが、安い!

がっついていたので写真はないわけだが、ふぐを食べ終えたあとは市場をウロウロ。家にふぐを送ってあげることにした。親喜んでた。そして唐戸周辺をウロウロする。

R0011188.JPG赤間神宮はほんとうに竜宮城のようでカワイイ。全体が鮮やかな赤で華やかなのだが、平家一門の塚がある一角だけは突然空気が違っていた。少し歩くと、旧英国領事館や旧秋田商会ビルなどのレトロな洋館が立ち並ぶ。旧秋田商会ビルは外観は洋館で、屋上には日本家屋と庭園、中も和洋折衷なおもしろいつくり。ヤマハの古いオルガンを見つけて喜ぶ。

ひとしきりうろついたあと、武蔵と小次郎の決戦の地・巌流島へ行ってみることに。巌流島はえらい整備されていた。島から本州側を見ると、造船のクレーンがたくさん並んでいる。そして関門海峡を行き来する船舶がひっきりなしに通る。それだけでずーっとぼんやり眺めていられるようなとこ。あいにく空は曇天だったのだが、晴れていたらその景色はさぞやきれいだっただろう。

R0011211.JPGここで特筆すべきはその巌流島への往復に乗る船である。この船のオジサンが超絶技巧のベテラン船乗り(と決めつけている)で、藤原拓海ばりのドリフトをかますのである。巌流島から唐戸港へ入ってきて、最後ぐわああああっと旋回して寸分の狂いもなくピタッと船着き場に止めるのである。まさに超絶技巧。今日も実にいいものを見た。

Kozanji Temple - 1巌流島から戻り、壇ノ浦へ。思えばここは2度も歴史に残る大きな戦いの舞台となった場所なのである。うーむ。そこでは九州へは渡らずに下関に戻り、車を走らせ功山寺へ。このお寺、とっても気に入ったのである。すごくいい。山門は実に壮大である。国宝仏殿の質量感たるや言葉に言い表すこと難し。土塀もイイ。お昼に来れば予約なしでここで粥御膳が食べられるようだ。実においしそうなので機会があればぜひ食べてみたい。あと、ここで猫に遭遇。野良なのかよくわからないが、きれいな猫である。はじめものすごく威嚇していたわりに、なぜかなつかれた。デニムが猫の毛だらけになった。

Kawara Sobaさて功山寺を後にして、再び関門トンネル。九州に渡る。門司はレトロな雰囲気漂う素敵な港町。写真を頼まれたりしつつ、昨日飲んでて話題に上った瓦そばをいただく。これがとってもおいしいのだ。ほんとに焼いた瓦にのっかって出てくるのだが、ぱりぱりっとしたところが香ばしくて、茶そばと牛肉がこんなに合うのかと。ペロッと食べてしまったのであった。

R0011308.JPGその後は門司港をぶらぶらしつつ、撮りつつ、展望台で夜景も。どうしてもガラスに映り込んでしまって、もっと暗くしてくれればいいのにとかぶつくさ言いながら床にへばりついて撮る、撮る。夜景は難しい。しかしながらライトアップされた関門橋はとてもきれいだった。

そんなこんなで一日中さんざんあちこちうろついて、夜はあにき家にころがりこむ。軽くワインやビールなぞ飲みつつ音楽祭りである。あにき家は音楽の宝庫であるからして、だから行きたかったのもあったりするわけだが、とにかくほんっっとに楽しすぎて気づけば明け方に。ああやって遊んでるともちろん一晩なんかじゃ足りないわけだが、こういうのってほんと楽しい。いつまででもやっていたい。すてっぷにいさんのお仕事の話などもたっぷり聞かせていただき、結局寝たのは5:30。次の日は朝から岩国へ行くため、7:00起床予定である。果たしてきちんと起きられるのか。甚だ疑問である。その上なにやらぐるぐる渦巻き状の物体が日本列島に接近している様子。そう、台風10号である。

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冥王星

旅の長文エントリ続いてまだまだ続くのでこのへんで一息いれませう。何も仕事中にいれなくても。
<太陽系惑星>冥王星を除外 賛成多数で最終案採択 IAU

結局そういうことになったそうで。えー。冥王星すきなのにー。なにがどうというわけじゃないけども。ちょっと淋しい。

ただ、ホルストはよかったかもね。組曲「惑星」が作曲された当時は冥王星は発見されていなかったので「冥王星」はないんだよね。「地球」もないけど。

西へ #003 出雲・萩

8/16(水) 出雲 – 萩 – 山口

Izumo Taisha - 3朝、4時に起きて出雲大社へ。出雲市駅近くのホテルからタクシーで向かう。タクシーのオッチャンは実にいい人だった。日の出前の空は紫とブルーのまざったようなきれいなグラデーション。参道を下りていく。朝の出雲大社は神々しく、美しかった。そしてとにかくデカい。大きいっていうか、デカい。朝早すぎていろいろと見られない部分はあったものの、あの雰囲気は朝だからこそだったんだろうなあとおもった。

いったんホテルに戻り、朝食をがっつり食べてから出発。いよいよ今回の旅のメインディッシュともいうべき山口である。津和野でにいさんが舞ってるいや待ってる! で、私はまたしてもやってもうたのである。

なんでまた、よりによって、しかも二度目って。その上、今回は気づかなかった。ずっと気づかなかった。なんかいつまでたっても海が見えるなーとは思っていたものの、まさかまた電車を間違えているとは。まったくもって意味不明である。過去にこんなことなかった。11:55に津和野駅に着くはずなのに、11:55の時点で木与という駅にいた。血の気が引いた。なんで!?なんで津和野じゃないの!!???

すぐさますてっぷにいさんに電話、たぶん声で話すのははじめてなのに、開口一番発したのは「ごめんなさい…泣」。にいさんはそれですべてを悟ってくれた。さすがである。めっちゃ笑ってたけど。

Tokoji Temple - 2そんなワケで、あにきに多大なご迷惑をおかけしつつ、結局萩で落ち合うことに。で、そのまま何事もなかったかのように観光。萩城跡、東光寺、松蔭生誕の地、お墓、松下村塾…と「世に棲む日々」な感じであにきの車であにきのナビであちっをウロウロこっちをウロウロ。維新のはじまりの舞台となった場所を訪ねまくる。城下町をお散歩しつつ撮りつつお散歩。素敵すぎる。萩は儲けようと言う姿勢がまったく感じられない。だがそれがいい。

Akiyoshidai Rainbowウロウロしてると意外と時間はさっさと過ぎていってしまうもので、夕方山口市内へ移動すべく萩を出発。途中、秋吉台を経由する。秋吉台は日本最大のカルスト台地ということで、草原の中に石灰岩がぽちぽちとある。車の中で思わず「うわあ!!」と声を上げた。初めてみる景色。山の中にいきなり草原、それが果てしなく、ほんとに果てしなくつづくのだ。どこまで行っても終わらない。そして、虹。と、夕焼け。何ですかこれは。確かに私は何者かに導かれている気がした。ここで見る星は最高だろうなあ。いつかきっと、きっとここで星を見よう。そのとき決めた。

Rurikoji Templeさて山口市内に入り、瑠璃光寺の五重塔がライトアップされてるかもってことで寄ってみる。これまた嘆息ものの美しさ。司馬遼太郎が「長州はいい塔を持っている」と記したという。三脚なんて持ってきてるわけないので、ベンチやら水飲み場やらにカメラをおいてなんとか写真を撮ってみる。池に映し出されて光る五重塔。素晴らしい。

その後いったん旅館へ行き、チェックイン。荷物を置いて一息ついて、再びあにきと合流、湯田温泉付近で飲む。あちこちウロウロして大量の汗をかき、ワタクシは冷や汗もかいたのでひたすらビールがおいしい。途中であにきの奥様も合流し、なんともいいコンビっぷりを見せていただく。気づけば日付が変わろうかという時間。旅館の温泉がおわってしまうギリの時間。とにかく入ったもん勝ちだってことで露天にダッシュ。貸し切り状態の露天風呂で一日の汗を流し、ちょっと泳いでみたりしてハシャぐ私。子供のようだ。お風呂から上がったら即寝る。明日は下関をうろつくのだ。ふぐ食べるぞふぐー!

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8/15(火) 京都 – 余部 – 鳥取 – 出雲

京都駅を8時前に出発、福知山 → 城崎温泉 → 浜坂と順調に乗り継いでいく。浜坂駅に着いたのが 13:01、次乗るべき鳥取行きは 13:18 発であった。よし、17分ある。17分あればいったん改札を出て売店でごはんを買ってもどってくることができる。17分ある。17分。17分…って思ってたら、 13:17 発の反対方面の電車に乗ってしまった。何をやってるんだか。しかしもと来た道のりを戻ってしまっていることにすぐに気づいたので、餘部駅で下車。

Amarube railway bridge - 2餘部駅で降りたのは偶然で、降りたらやたらとカメラを持った人がたくさんいる。なにごとだろうとおもったら、そう、余部鉄橋。この日すごくいい天気で、空も海も青い、その中に赤い鉄橋が映えて本当に美しかった。電車をまちがえてよかった。本当にそう思った。コメントでも言われたのだが、何者かに導かれている。きっとそれだ。そうにちがいない。

駅の撮影ポイントや少しおりたところで写真を撮っていたら、電車が来た。山陰は乗り継ぎが悪いのでこれを逃したらいつつくかわからないかもしれない。ほんとはもっと撮りたかったが、後ろ髪を引かれつつ餘部駅を後にする。電車を間違えたおかげでいいものに巡り会えた。浜坂へ戻る車中、GRD を見ながらニヤニヤしていたのは言うまでもない。

さていいものを見て意気揚々と鳥取駅に到着。バスに乗り込んで鳥取砂丘へ向かう。私は砂漠に行ってみたいのだが、まあそれはいずれ行くとして、とりあえずかわりと言っちゃなんだが鳥取砂丘に行きたいというのはだいぶ前からあった。

砂山の砂に腹這い
初恋の痛みを遠く思い出づる日– 石川啄木「初恋」

私の中ではこの「砂山」は鳥取砂丘のイメージというか、そう決めつけている。なので鳥取砂丘で初恋の思い出でも…と思っていたのだが、何しろ暑い。砂も灼熱。裸足で歩いてはいるものの、そこに腹這う気にはちょっとなれず。その上、つい最近数年ぶりに初恋の人にあったのだが、黒すぎるわ太ってるわ汚いわキャラ変わり過ぎだわでだいぶアレなかんじに変貌をとげており、やはり美しい思い出は思い出として胸にしまっとくのがいいなあと思ったばかりだったのであった。

Seascapeそれでもそいつの「お前、大人になったなあ」という一言がちょっと嬉しかったりして、そんなことを考えつつ砂の上を歩く。撮る。灼熱。海が青い。果てしない水平線。ついついゲージツへの冒瀆をしてみたくなるw

Tottori Sand Dunes - 2砂を堪能していざ戻ろうとすると、こんなに遠かったのかと。まさに砂漠。ゆるく長い勾配がつらい。近くの親子連れも、父「ホラ、もうちょっとだ、がんばれがんばれ」 子「ぜんぜんもうちょっとじゃないよー(半泣き)」。というわけで、身も心もしっかり砂漠気分を味わうことができたのであった。

夕方鳥取を出、夜出雲に到着。電車を間違えたりしていたため、到着時間が予定よりもかなり遅くなり、ごはんをたべるのすら忘れて即寝た。次の日、早朝から出雲大社へ行くためだ。夕方鳥取を出、夜出雲に到着。電車を間違えたりしていたため、到着時間が予定よりもかなり遅くなり、ごはんをたべるのすら忘れて即寝た。次の日、早朝から出雲大社へ行くためだ。蕎麦を食べられなかったのが無念。

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西へ #001 京都

西田。ちがう西だ。とにかく西。そう思い立ったのはいつ頃だっただろうか。大学卒業以来まとまった休みはなかなかとれず、遠出することが極端に減っていた。しかしながらとにかくどっか遠くに行きたいという気持ちだけは絶えずある。見知らぬ土地に足を運ぶのは、なんてわくわくするんだろう。西だ西。西は未踏の地が多い。西だ。西に行くんだ。

8/14(月) 東京 – 京都

Departure前日サマソニ参戦で、帰宅したのは0時をまわっていた。その興奮も覚めやらぬままに用意をしたり、メールのチェックをしたり、返すところには返したりとやっていたら寝たのは2時過ぎになってしまった。そして4時起床。2時間も寝ていない。でもまあ電車でたっぷり寝られるからいいや。駅へ向かう車の中、朝焼けがやたらきれい。今回の素晴らしい旅の始まりを予感させる空だった。

当初の予定では朝新幹線で来て京都国立博物館に行くはずだったのだが、出発の何日か前に月曜日は休館だと教えてもらい、愕然とする。しかしもうどうしようもないので京都国立博物館はあきらめ、今回はのんびり鈍行で行くことに。池袋から東京 → 熱海 → 興津 → 浜松 → 豊橋 → 大垣 → 米原と乗り継いで京都着は15時過ぎ。鈍行でも意外と早く着くもんだ。しかし京都は暑い。暑すぎる。盆地はだてじゃない。

Byodoin Temple - 1ホテルにチェックインして荷物を置いて、宇治に向かう。宇治駅にて京都の部を担当してくださる albertusさんと合流、平等院へ向かう。時間が遅めだったため鳳凰堂の中には入れなかったのは残念だったが、外からその美しさを堪能。池に映し出されるその姿、そして美しきシンメトリー。嘆息。もちろん喜々としていっぱい写真を撮ったのだが、家に帰って改めて眺めてみると…。はー。うまくいかないもんだ。

Uji River - 1宇治川をぶらぶらしつつ、撮りつつ、水と戯れつつおさんぽ。実はお腹がすきまくっていた私、いいぐあいに日も傾いてきたのでごはんを食べようということで京都市内へ移動。「芋は好き?」との問いに「好き」と答えたのだが、そのとき私の頭に浮かんでいた芋はじゃがいも。しかしここは京都、もちろんじゃがいもではなかった。

八坂神社近くの「いもぼう平野家本家」へ。実をいうと里芋とか山芋とかは苦手なのだが、すんごくおいしかった。里芋を見る目が変わったかも。

京料理を堪能した後、まだ時間は早いので京都市内をウロウロしつつ駅方面へ。そして軽く飲みつつ「おまいは海外へ行け。外国暮らしをしたほうがいい」と諭される。行きたいっす、正直なとこ。

そんなこんなで、京都の夜は更けていったのであった。

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