カテゴリー別アーカイブ: 読書

カラスの教科書

カラスの教科書蔵前時代にヒゲの人におもしろいよっておすすめされていたのが、長い時を経ていつのまにか文庫になっていたのでポチッたところの、松原始「カラスの教科書」。賢いと言われながらもとかく忌み嫌われがちなカラスの生態を、ユーモアたっぷりの文章でわかりやすく紹介する。

なんかちょっと怖いイメージのあるカラス。だけど実はカラスのことって全然知らない。読んでカラスの生態を知っていくうちに、カラスにちょっと興味がわいてくる。道でカラスを見かけたら、よくよく観察してみようじゃないか。筆者のカラス愛がひしひしと伝わってきて、なんだかカワイイw

Aさんの場合。

Aさんの場合。妊娠してた頃に週数の近いブログを追っていて、それで知ったイラストレーターの人が本を出版するというので買った。やまもとりえ「Aさんの場合。」。未婚・既婚でライフスタイルが大きく異なる女性たちの解決し難いもやもや、あるあるをAさん、Bさん、その他登場人物たちの視点から描く。

web マガジンで連載されていたのも読んでいたけど、いろんな立場の人のいろんな感情をよく代弁してくれるなぁとおもった。この人フリーランスのイラストレーターだとおもうんだけど、OL やってたこともあるのかなぁ。わたしは小さな会社で、女はわたし1人だけで、おじさんたちに囲まれてぬくぬくと仕事していたからこういう経験はなかったけど、こういう思いをしてる女性たちは世の中たくさんいるんだろうなぁ。まあわたしは子供できていろいろな要因があって仕事を続けることはできなかったけど、人それぞれ立場があって、いろんなこと抱えてて、そういうのを理解することが大事だよね。

ところでこの本、ゆるいかんじの絵柄はいいんだけど、なんで本にするにあたって2色刷りにしちゃったんだろう・・・ちょっと見にくい。。普通に白黒のままでよかったとおもうんだけど。そこだけ残念。

食卓の情景

食卓の情景どこかのごはんブログで紹介されていてポチったところの、池波正太郎「食卓の情景」。池波正太郎の食にまつわるエッセイ。老舗の料理屋から下町の屋台、家庭料理に至るまで、ああこの人は食べることが好きなんだなぁというのがすごく伺えて、わたしも食べること大好きだから、なんか親しみがわく。生まれが浅草なので、わたしが以前住んでいた場所のものすごく近くの描写があったりしてそんなのも楽しい。漂う昭和の空気が昔懐かしい感じ。今もある老舗のお店もけっこう登場するから、行ってみたくなってしまう。文章はさらっと書いてあるようだけど、その食べ物やお店、人、そういう情景がありありと浮かんでくるようで、さすがだなぁとおもう。そして食べたくなる(笑)。

ちいさいおうち

ちいさいおうちわたしの好きだった絵本シリーズ、バージニア・リー・バートン「ちいさいおうち」。これ、実家にあるとおもったんだけど、よくよく考えてみたらピアノの先生のおうちで読んでたのかもしれない。でも実家にもあったとおもったんだけど、どうにも見つからないので買った。

この、絵がすごい好きだったんだよなぁ。おうちがたっている田舎の風景がやわらかくて優しくて美しい。都市化の波がおしよせて、ビルの間で窮屈そうにみすぼらしくなっていく様が切なくて。でも、最後にはまたもとののどかなところへ戻って、すごくホッとしたのをよく覚えてる。久しぶりに読んだけど、時間の流れの描かれ方がいいんだなぁ。改めて、大好きな絵本。

有限と微小のパン

有限と微小のパン少し前に「猫の建築家」を読んで、そういや昔「すべてが F になる」読んだなぁとおもって買って読み直してみたところ、そのまま2ヶ月ほど森博嗣祭りになってしまい、結局 S&M シリーズを読破してしまった・・・。というわけでそのシリーズ最後の作品、森博嗣「有限と微小のパン」。日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた理系女子三人組。パークでは過去に死体消失事件があったという。そして彼女らもまた新たな事件に巻き込まれる。

これ、18年前の作品なんだよねぇ。携帯電話が普及しはじめた頃。シリーズ全体にコンピュータのなんやかんやが出てくるけど、現在の感覚との差がちょっとおもしろい。シリーズ最終作としてはまあこんなもんなのかな。事件そのものよりも作者の哲学みたいなものを見たかんじ。なんだかんだで10作通読したので、なんだか登場人物たちにも愛着がわいてきてしまった。四季シリーズは続編なのかな。また読んでしまうんだろうかわたしは・・・。

うるうのもり

うるうのもり小林賢太郎が絵本を出版したというので興味をもち、絵本なら太郎に読んであげられるし〜とおもって買ってみたところの小林賢太郎「うるうのもり」。絵本というよりは児童文学に近いのかな。おばけが出るという森の奥で主人公の僕が出会ったのは、不思議な「余りの1」の人間。世界からはみ出したひとりぽっちの存在、「うるう」だった・・・。

この絵本、すごく好きな絵本のひとつになった。ストーリーは美しくて切なくて、そして挿絵がこれまたとても緻密で魅力的。こういう雰囲気すごく好きだ。もし子供の頃に読んでいたら、どんなふうに感じただろう。太郎にはまだわからないだろうけど、小学生くらいになったらぜひ読んでもらいたい。小林賢太郎って本当に多彩な才能あふれる人なんだなぁとおもう。この絵本、本人の演劇作品をもとにしているらしいんだけど、それ見てみたかったなぁ。この人の舞台見てみたい。

ルドルフとイッパイアッテナ

ルドルフとイッパイアッテナ出産祝いにリクエストした本。絵本だとおもってたら、小学生向けの児童文学ってかんじだった。読み聞かせるにはかなり長いので、とりあえずわたしが普通に読むことにした。

全体的に、母と子のテレビ絵本とほぼ同じ、というか、テレビでやっていたのはこの原作を端折って全 20 話に収まるようにしたというかんじ。やっぱりいい話。ネコの友情万歳。ただ、挿絵のネコたちがあんまりかわいくないんだよな〜(特に表紙)。ルドルフとかめっちゃ悪猫っぽいし。かといって映画版は映画版でかわいすぎてまたイメージ違う。読んでるうちにこの絵の雰囲気にも慣れはしたけど、やっぱりテレビでやってたのがしっくりくるなぁ。ま、最初に見たのがそれだから当たり前か。

この話、続編がいくつかあってそれも読みたいんだけど、映画化にあわせて文庫化されていて、それを買うか通常版を買うかで迷ってる。。文庫のほうが安いしコンパクトでいいんだけど、文庫化されてるのは1と2だけで3がないし、1はハードカバーで持ってるから統一感的な問題が、という葛藤。そういうことをものすごく気にするタイプ。悩ましい。

ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい

ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたいタイトルに惹かれて手に取ったクリスティン・バーネット「ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい」。測定不能なほどの高い IQ をもち、9歳で大学に入学し宇宙物理学を学ぶという自閉症の男の子とその母親の自伝。

なんというすごい母親なんだろう、この人は。2歳で自閉症と診断された息子を、発達障害の専門家たちのアドバイスを振り切りって自分の力で育て上げ、そのずば抜けた才能を開花させたのだ。それができたのは、この著者がふりかかる多くの困難にもめげず、どんな時も家族と周囲の人々に愛情を注ぎ続けてきたからに他ならないとおもう。人のためにここまで動けるって本当にすごい、素晴らしい。そしてこのバイタリティ溢れる女性を常に支え続けた夫もすごい。自閉症の天才児の話ではあるけれど、それ以上に家族の愛というのをものすごく感じた。そして、子供の興味をもったことや好きな事を好きなだけやらせて伸ばしてあげることの大切さ。これは自閉症児に限ったことではない。太郎に、好きな事をのびのびとやらせてあげたいと強くおもった。でも、CD ぶちまけられると怒ってしまうんだけど・・・ね。。。

猫の建築家

猫の建築家タイトルとかイラストとか猫とかに惹かれて買った森博嗣・佐久間真人「猫の建築家」。先に佐久間真人の絵があって、それらを並べ替えて森博嗣が文章をつけていったそう。現在とも過去とも未来ともとれるような、それでいてどこかノスタルジックなイラストに、ちょっと哲学的な文章がマッチして独特な世界観を作り出していて引き込まれる。森博嗣って学生の頃デビュー作を読んだけど、こんな詞的な文章書く人だったっけ。ミステリーも面白かった(という記憶がある)けど、こんなのも素敵。

これ絵本なのかな? 試しに太郎に読み聞かせてみたけど、数ページでどっかいっちゃったw こんな絵本を読む1歳児になってくれたら素敵だ。

女はなぜ土俵にあがれないのか

女はなぜ土俵にあがれないのかお相撲関係で何か読みたいな〜とおもったところで目に付いた、内館牧子「女はなぜ土俵にあがれないのか 」。日本人の豊かな精神性が凝縮された相撲の伝統を、現代の価値観で踏みにじっていいのだろうか? 相撲の歴史をひもときながら、土俵の女人禁制について論じる。

わたしは女だけど、土俵の女人禁制はべつにいいとおもう。そういう伝統なんだからそれでいいじゃん、というスタンス。著者も言うように、なんでそんなに土俵に上がりたがるのかわからない。著者と同じ意見なので、読み進めやすかった。そして大変興味深い。にわかなので相撲の歴史など全く知らなかったので、そういう知識を得る意味でもとても面白かった。いちばんわくわくしたのが、第5章「土俵を築く」。土俵は場所ごとに壊してまた作る、ということは知らなかったし、その作り上げるのを見てみたいとおもった。聖域としての土俵。そこが女人禁制ならそれでいいじゃないか。改めてそうおもった。