豊饒の海 第一巻「春の雪」

Bonne nuit!とか言いましたがこれだけは今日書いときたい。三島由紀夫 豊饒の海 第一巻「春の雪」、読み終えました。パリ往復のヒコーキの中で。イッキに読みましたよ、もう。こないだピアノの先生と初版本で盛り上がって三島トークしてくれた時、「読んでないの!?あんた学生時代何やってたの!」とのお叱りを受けましたが、ほんと、その通りです。すいません。仮にも文学部の学生だろうがと。ああ。

三島由紀夫。なんて美しい文章を書くのだろう。「潮騒」を読んだときも美しい、と思ったが、それとはまた違う美しさ。沈鬱な雰囲気、憂いを帯びているが故の美しさとでも言えばいいのか。以前に超音速氏が彼の文章を関数と表現していたのが記憶に残っているが、関数、その表現まさにそれ。全てが計算し尽くされたかのような文体。でも関数でありながら、そこから紡ぎ出される言葉は音楽のように響いてくる。私はひたすらその美しい音楽に酔っている、そんな感覚。「春の雪というにはあまりに淡くて~」のくだりで一気に涙が溢れて、最後の20ページくらいは涙流しながら読んだ。泣ける、とかじゃなくて、涙が出てくる。そんなかんじ。いや、泣けるっちゃ泣ける。確かに泣ける、悲しい恋ですよ。でもそうじゃない。涙が出る。三島の描き出す人の哀しさに、そして美しさに心揺さぶられて涙が出る。とにかく、こんな読後感久しぶり。最後の1ページを読み終えた後、しばし放心。お空の上で。あとはぼーっと窓から空を眺めていました。

しかしまあ、これを映画化しようって、チャレンジャーですね。こんなん映像化できるのだろうか?この文章を?まあ、別物として楽しむしかないでしょうね。そらそうだよね。文学への冒瀆にならないようにスバラシイ作品作ってください。たのんます。

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