一周忌

1年という月日はほんとうにあっという間で、花火を見上げる静かな横顔とか、庭での BBQ で出てきたやけにデカいおいなりさんとか、CBR の後部座席で泣きそうになりながら見た月とか、場違いみたいにバッグの中から漂うとうもろこしの甘いにおいとか、折らずに巻きつけたからすんごい幅広だったおでんの着物の帯とか、鳴り響くナースコールの音とか、やたらと食べた京樽のお寿司とか、オーバーベッドテーブルに置かれたトランジスタ技術とか、汗でぐっしょり濡れた浴衣のしわとか、一緒にスポーツカーに乗りたかったと言いながら母が目に滲ませた涙とか、病室のイスの上に転がってるヘルメットとか、そういういろんな出来事の断片が、ついこの間のことのように鮮明に頭の中に蘇る。

未だに父上が死んだことにイマイチ実感がないというか、みんなが集まった時にいなくても、ただ今ここにいないだけで、ちゃんとどこかにいるかんじがしてならない。そして、ふとした時にその口癖だとか、仕草だとか、好きだったものとか、そういうのを思い出して、寂しいっていうか、それよりは切ない、っていうのに近いような、とにかくなんか言葉にできない感情をおぼえるのだ。父の死を受け入れるとか、乗り越えるとか、なんかそういう次元じゃなくて、なんなんだろうな・・・文章にしづらいんだけど。とにかく父上は、たぶんいつもすぐ側にいてくれてるんだろなとおもう。だからなんか、安心感みたいのがある。変な話だけど。

ずっと雨予報だったのに一転して快晴の本日は、みんなでお墓参りに。
父上、みんな元気にやってるよ。

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