人は分からないことがあったらまず検索する。インターネットがなかったころはどうしていたんだっけ? とおもってしまうほどに、それは既に当たり前のことになっている。
伊坂幸太郎「モダンタイムス」。この小説の舞台は今から 50年ほど未来。恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海がある仕事を請け負ってからというもの、彼の周囲では不穏な出来事が次々に起こる。彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。
社会というシステムは「そういうことになっているもの」「仕組み」であって、その目に見えない大きな何か、漠然としたものに対峙していく。ネット社会、国家や権力といったもの、近未来の話ではあるけど、限りなく現在にも近いかんじで、今まさにそういう方向に向かっているのかもな・・・なんておもったり。
前半は面白かったけど、後半はテンポ悪くなったな。なんかいろいろ中途半端なかんじするし。本筋にはあんまり関係ないけど、気に入った一節↓
美味しいものは、食べると消える。世の中で一番つらいことの一つ– モダンタイムス(下)